賞金ゲーム大会を適法に主催したい

刑事|賭博罪|景表法|事前相談|最高裁判所昭和54年10月26日決定

目次

  1. 質問
  2. 回答
  3. 解説
  4. 関連事例集
  5. 参考条文

質問:

趣味のゲームの仲間内でゲーム大会をやりたいねという話が出て、どうせなら賞金も出してやれないか、という要望が出ています。私も興味があり、大会を主催してみたいのですが、仲間の一部から賭博罪に引っ掛からないように注意が必要という懸念も出ています。適法にゲーム大会を主催するにはどうしたらよいでしょうか。

回答:

1、仲間内のゲーム大会ということですが、参加者から参加費等の名目で金銭を集め、集めた金銭から、優勝者、勝利者に金銭を渡す行為は賭博罪、賭博場開張等図利罪に該当する危険性がありますから、やめた方が良いでしょう。どうしても開催したいという場合は弁護士や警察等に相談して慎重に行ってください。

2、刑法185条賭博罪は「賭博をした者は、五十万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りでない。」と規定しています。これは、射幸的行為が広がることによる勤労意欲が害されることを防止する社会的法益を保護する刑罰法規と解釈されています。刑法上の賭博は、偶然の事情による財産的利益の得喪を争う行為であり、「参加費」「優勝賞金」などの金銭の名目は問いません。また、一時の娯楽に供する物に関しては処罰の対象となりませんので、この規定について、警察検察の運用や判例などをよく理解した上で、問題ない形で運営することが必要です。

3、刑法186条では、常習賭博罪と、賭場開帳罪・博徒結合罪が規定されています。これも「賭場」という言葉そのものが問題なのではなく、実質的に賭博開催の場を提供し対価を取得しているかどうかが刑事裁判では審理の対象となりますので、条文および判例解釈が重要です。

4、民法532条では、優等懸賞広告というものがあり、参加費を徴収することはできませんが、本条に基づいて適法に償金ゲーム大会を開催することができますので、開催方法を解説致します。

5、不当景品類及び不当表示防止法4条では、商品及び役務の取引に関連する不当な景品類の規制があり、商品を購入した顧客の中からゲーム大会の優勝者に賞金を授与することも可能ですので、開催方法を解説致します。

6、皆でゲーム大会を楽しみたいお気持ちも分かりますが、賭博罪は社会的法益ですので、刑罰法規の制度趣旨をよく斟酌して、逸脱しないように注意しながら開催されることが必要です。消費者庁や所轄警察署への事前相談が有効な場合もあります。御心配であれば、弁護士に規約の作成を依頼したり、法律相談を受けながら開催されると良いでしょう。

7、賭博罪に関する関連事例集参照。事例集1022番参照。

解説:

1、刑法185条賭博罪

刑法185条(賭博)賭博をした者は、五十万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りでない。

賭博は、偶然の勝敗により財産的利益の得喪を争う行為を意味します。時代劇に出てくるサイコロを使った「丁半賭博」が典型例ですが、トランプでも花札でも、囲碁将棋ゴルフでもどんな競技でも、結果が偶然の事情によって決まるものであれば、賭博罪の対象となり得ます。

賭博行為は、当事者の合意によって行われるので、詐欺や窃盗などの財産罪とは違いますが、社会全体の勤労精神を射幸心によって毀損され、また、賭博トラブルが原因となり暴行・脅迫・殺傷・強窃盗などの重大犯罪を副次的に誘発してしまう恐れもあることから、これを防止することが保護法益とされています。つまり、社会的法益に対する罪ということになります。本罪の実行行為は賭博行為が開始されると既遂に達し、勝負が決まって掛け金の分配が行われる必要はありません。

最高裁判所昭和25年11月22日判決『賭博行為は、一面互に自己の財物を自己の好むところに投ずるだけであつて、他人の財産権をその意に反して侵害するものではなく、従つて、一見各人に任かされた自由行為に属し罪悪と称するに足りないようにも見えるが、しかし、他面勤労その他正当な原因に因るのでなく、単なる偶然の事情に因り財物の獲得を僥倖せんと相争うがごときは、国民をして怠惰浪費の弊風を生ぜしめ、健康で文化的な社会の基礎を成す勤労の美風(憲法二七条一項参照)を害するばかりでなく、甚だしきは暴行、脅迫、殺傷、強窃盗その他の副次的犯罪を誘発し又は国民経済の機能に重大な障害を与える恐れすらあるのである。これわが国においては一時の娯楽に供する物を賭した場合の外単なる賭博でもこれを犯罪としその他常習賭博、賭場開張等又は富籖に関する行為を罰する所以であつて、これ等の行為は畢竟公益に関する犯罪中の風俗を害する罪であり(旧刑法第二篇第六章参照)、新憲法にいわゆる公共の福祉に反するものといわなければならない。』

この規定を厳格に適用すると、株や為替の取引や石油先物取引なども賭博行為と解釈され得ることになりますし、競馬・競輪の払戻金なども賭博行為になり得ることになりますが、それぞれ、金融商品取引法202条、商品取引所法365条、競馬法30条、自動車競技法56条などの規制があり、法令に従って取引される場合は適法行為となります。なお、公営競馬や競輪などで馬券や車券などを買わせ競技の結果に従って払戻金を支払っているのが公認されているのに、私人間の行為が処罰されるのは不公平ではないかと主張されることもありますが、裁判上明確に否定されています。

※最高裁判所昭和54年2月1日決定『上告趣意は、刑法の賭博罪の規定は憲法一四条に違反するというが、国、公共団体のおこなう所論指摘の行為が公認されていることとの対比から私人がおこなう賭博行為を処罰の対象とすべきかどうかは立法政策の問題であり憲法適否の問題ではないから、所論は前提を欠き、刑訴法四〇五条の上告理由にあたらない。』

前記条文の但し書きにある、「一時の娯楽に供する物」については、判例で、二日間の旅行代金を負担することは含まれないと判示(大審院昭和4年2月18日)されており、その場で消費してしまう食事や煙草などが典型と解されています。さらに、金銭を掛けた場合は少額であっても、賭博罪が成立すると判示されています(最高裁昭和23年10月7日判決)。

最高裁判所昭和23年10月7日判決『本件賭博は假りに所論の縷述するような賭金の小額なこと等の事情があるとしても、骨牌を使用し偶然のゆえいに關し金銭の得喪を争ったものであることは、判文上明らかなところであって、單に一時の娯楽のためにしたもので罪となるべきものでないとはいえない。』

なお、ぱちんこ営業等の賞品の上限を定めている、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律19条および同施行規則36条では、次のように、9600円プラス消費税の額を賞品の上限と定めています。

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律

第19条(遊技料金等の規制)第二条第一項第四号の営業を営む風俗営業者は、国家公安委員会規則で定める遊技料金、賞品の提供方法及び賞品の価格の最高限度(まあじやん屋を営む風俗営業者にあつては、遊技料金)に関する基準に従い、その営業を営まなければならない。

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則

第36条(遊技料金等の基準)

3項 法第十九条の国家公安委員会規則で定める賞品の価格の最高限度に関する基準は、九千六百円に当該金額消費税等相当額を加えた金額を超えないこととする。

これを見ると「一時の娯楽に供する物」ということで、食事代を賭けたりする場合でも、9600円プラス消費税で、例えば税込み1万560円を超えるような飲食代を賭けた場合は、賭博罪で立件されてしまう可能性もあると考えられます。

2、刑法186条、常習賭博罪、賭博場開帳・博徒結合罪

刑法186条(常習賭博及び賭博場開張等図利)

1項 常習として賭博をした者は、三年以下の懲役に処する。

2項 賭博場を開張し、又は博徒を結合して利益を図った者は、三月以上五年以下の懲役に処する。

刑法186条1項の常習賭博罪は、賭博が常習性の現れとして行われた場合の加重規定です。同条2項の、賭博場開帳罪・博徒結合罪は、自己の財産的利益を図るために賭博を助長する行為を処罰する規定です。賭博行為の場所や道具や機械を提供し、これらの対価(寺銭)を受領しようとする胴元行為が処罰されます。この「常習性」は、賭博行為が行われる回数や規模(人数、機械台数)や金額や期間などにより認定されます。

※最高裁判所昭和54年10月26日決定『なお、原判決の認定した事実によると、被告人は、長期間営業を継続する意思のもとに、五二〇〇万円という多額の資金を投下して賭博遊技機三四台を設置した遊技場の営業を開始し、警察による摘発を受けて廃業するまでの三日間、これを継続し、その間延べ約一四〇名の客が来場して合計約七〇万円の売上利益を挙げたというのであり、その他原判示の諸事情に徴すると、被告人に賭博を反覆累行する習癖があり、その発現として賭博をしたと認めるのを妨げないというべきであり、これと同旨を説く原判決は正当として是認することができる。』

※最高裁判所昭和61年10月28日決定『原判決は、罪となるべき事実として、被告人が賭博遊技機を設置した遊技場の所在地、右遊技場の営業継続期間、遊技機の種類・台数、賭博の態様を摘示したうえ、被告人が、「Aと共謀のうえ、右期間中、常習として、Bほか不特定多数の賭客を相手とし、多数回にわたり、右遊技機を使用して賭博をした」旨判示している。このように、多数の賭博遊技機を設置した遊技場を経営する者が、不特定多数の遊技客との賭博を反覆継続した場合につき、右遊技場の営業継続期間の全般にわたつて行われた各賭博行為を包括した一個の常習賭博罪と認定する際は、右の程度の判示で常習賭博罪の罪となるべき事実の具体的摘示として欠けるところはない。』

刑法186条2項では「賭博場を開帳」する行為と「博徒を結合」する行為が並列に処罰されていますが、賭博者を一同に集会させる必要は無く、物理的な場所を提供するだけではなく、電話や郵便やインターネットなどを活用して、賭博の仲介をする行為も処罰されることになります(最高裁判所昭和48年2月28日決定など)。

※最高裁判所昭和48年2月28日決定

『ところで、刑法一八六条二項の賭博場開張図利罪が成立するためには、必ずしも賭博者を一定の場所に集合させることを要しないものと解すべきであり、そして、各原判決の判示する右事実関係に徴すれば、被告人Dの前記四日にわたる「野球賭博」開催の各所為は、E組F支部事務所を本拠として各賭客との間に行なわれたものというべきであるから、賭博場開張の場所を欠如するものではない(大審院大正三年(れ)第三五〇三号同四年三月一日判決・刑録二一輯一八一頁参照)。』

御相談のケースでは、インターネットを活用して、ゲーム大会を検討されているということですから、ゲーム大会を主催するのであれば、参加費や賞金の支払い方法などについて賭博行為とならないように、十分に注意することが必要となるでしょう。

3、民法532条、優等懸賞広告

民法532条(優等懸賞広告)

1項 広告に定めた行為をした者が数人ある場合において、その優等者のみに報酬を与えるべきときは、その広告は、応募の期間を定めたときに限り、その効力を有する。

2項 前項の場合において、応募者中いずれの者の行為が優等であるかは、広告中に定めた者が判定し、広告中に判定をする者を定めなかったときは懸賞広告者が判定する。

3項 応募者は、前項の判定に対して異議を述べることができない。

4項 前条第二項の規定は、数人の行為が同等と判定された場合について準用する。

懸賞広告は、一定の行為を完了した者に対して一定の報酬を与えるという広告ですが、民法532条では、複数の応募者が居た場合に、優等者のみに報酬を与える優等懸賞広告が規定されています。これは、民法典の債権総則の項に規定されているもので、広告者と応募者との間の契約であると解釈することもできますし、広告者の一方的な意思表示にすぎない単独行為であると解釈することもできますが、いずれにしても、最優等者に報酬が与えられるゲームのようなものと考えることができます。

広告は、新聞でも張り紙でも、インターネットでも行うことができますが、参加費を徴収することはできません。

懸賞広告、つまりゲーム大会の告知をする場合は、次の事項を定めて、掲載することが必要です。

①懸賞広告の対象となる行為(ゲーム大会のルール)

②懸賞広告の対象となる期間(ゲーム大会の期間、民法532条1項)

③ゲーム大会の優勝者を決める方法、決める人物(審判者)の指定

④優等者に与える報酬の特定(賞金額や、商品の指定)

⑤主催者の表示・連絡先・連絡方法の特定

優等懸賞広告は、参加者から参加料を徴収しませんので、賭博行為とされるリスクはありませんし、前述のような賞金の上限もありません。主催者は参加費を徴収することはできず、一方的に金銭の負担をすることが必要ですが、規約を整備して適法に開催することができます。優等懸賞広告の具体例は、いわゆる「懸賞雑誌」を見れば確認することができます。

4、不当景品類及び不当表示防止法4条

不当景品類及び不当表示防止法4条(景品類の制限及び禁止)内閣総理大臣は、不当な顧客の誘引を防止し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を確保するため必要があると認めるときは、景品類の価額の最高額若しくは総額、種類若しくは提供の方法その他景品類の提供に関する事項を制限し、又は景品類の提供を禁止することができる。

事業者が商品の「おまけ」を配布する行為について、いわゆる「景表法」の規制があります。商取引に付随するおまけや商取引のキャンペーンは、本来は自由な取引行為ですが、おまけやキャンペーンの内容次第では賭博の脱法行為になりうる危険がありますので、通常の商取引の範囲を法令で規制しているものです。少し長くなりますが、引用致します。

懸賞による景品類の提供に関する事項の制限

(昭和52年3月 1日公正取引委員会告示第 3号)

改正 昭和56年6月 6日公正取引委員会告示第13号

平成 8年2月16日公正取引委員会告示第 1号

不当景品類及び不当表示防止法(昭和三十七年法律第百三十四号)第三条の規定に基づき、懸賞による景品類の提供に関する事項の制限(昭和三十七年公正取引委員会告示第五号)の全部を次のように改正する。

懸賞による景品類の提供に関する事項の制限

1 この告示において「懸賞」とは、次に掲げる方法によつて景品類の提供の相手方又は提供する景品類の価額を定めることをいう。

一 くじその他偶然性を利用して定める方法

二 特定の行為の優劣又は正誤によつて定める方法

2 懸賞により提供する景品類の最高額は、懸賞に係る取引の価額の二十倍の金額(当該金額が十万円を超える場合にあっては、十万円)を超えてはならない。

3 懸賞により提供する景品類の総額は、当該懸賞に係る取引の予定総額の百分の二を超えてはならない。

4 前二項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる場合において、懸賞により景品類を提供するときは、景品類の最高額は三十万円を超えない額、景品類の総額は懸賞に係る取引の予定総額の百分の三を超えない額とすることができる。ただし、他の事業者の参加を不当に制限する場合は、この限りでない。

一 一定の地域における小売業者又はサービス業者の相当多数が共同して行う場合

二 一の商店街に属する小売業者又はサービス業者の相当多数が共同して行う場合。ただし、中元、年末等の時期において、年3回を限度とし、かつ、年間通算して七十日の期間内で行う場合に限る。

三 一定の地域において一定の種類の事業を行う事業者の相当多数が共同して行う場合

5 前三項の規定にかかわらず、二以上の種類の文字、絵、符号等を表示した符票のうち、異なる種類の符票の特定の組合せを提示させる方法を用いた懸賞による景品類の提供は、してはならない。

この規制では、商品を購入した顧客に対して、「一 くじその他偶然性を利用して定める方法」または、「二 特定の行為の優劣又は正誤によつて定める方法」により、一部の顧客のみに対して、賞金を含む「おまけ」を配布する場合の上限などが定められています。「特定の行為の優劣」には、もちろん、じゃんけんや、くじ引きや、ゲーム大会も含まれます。

(1)単独の事業者が行う場合

・商品が5千円未満の場合の賞金の最高限度は20倍、商品が5千円以上の場合は賞金の最高限度は10万円。

・懸賞により提供する景品類の総額は、当該懸賞に係る取引の予定総額の2パーセント以下とする。

・2以上の種類の文字、絵、符号等を表示した符票のうち、異なる種類の符票の特定の組合せを提示させる方法を用いた懸賞による景品類の提供はできない(トランプや花札や麻雀などのような絵合わせ符号合わせはできない)。

(2)商店街など複数事業者が行う(いわゆる共同懸賞)場合

・商品の価額に関わりなく、賞金の最高限度は30万円。

・懸賞により提供する景品類の総額は、当該懸賞に係る取引の予定総額の3パーセント以下とする。

・2以上の種類の文字、絵、符号等を表示した符票のうち、異なる種類の符票の特定の組合せを提示させる方法を用いた懸賞による景品類の提供はできない(トランプや花札や麻雀などのような絵合わせ符号合わせはできない)。

これらの規制に適合する形で、商店街や、メーカーなどのプレゼントキャンペーンなどの催事が行われています。景表法の規制を監督しているのは消費者庁ですから、消費者庁表示対策課指導係などに事前相談する方法もあります。

※参考サイト、消費者庁による景表法規制の概要解説

https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/premium_regulation

※参考ガイドブック、事例でわかる景品表示法(消費者庁)

https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/fair_labeling_160801_0001.pdf

5、まとめ

以上に見てきたように、国民の射幸心を煽って社会の平穏を害するような賭博行為は行うことができませんし、ゲームを楽しんで一時の娯楽になるようなささやかな賞品を交付する場合でも、法令違反にならないように注意が必要となります。当然ながら、高額な賞品を掲げて多数の客を集めてゲーム大会を主催して、営業活動のお金儲けになるようなことは出来ないものと理解なさって下さい。

他方で、純粋にゲームを楽しむために主催者の非営利活動として賞金を負担して懸賞広告ゲーム大会を主催したり、商品を販売することに付随してキャンペーン活動の一環として、賞金ゲーム大会を開催することは、一定の制限の下に可能となる場合も考えられます。このような場合には、事前に規約を作成して、所轄警察署の生活安全課や、消費者庁の表示対策課に事前相談するなどして、法令違反とならないような万全の体制を整えた上で実施されることをお勧めいたします。御心配であれば、規約の作成や事前相談の手続きを代理人弁護士に相談・依頼して行うこともできますので、お近くの法律事務所に御相談なさると良いでしょう。

以上

関連事例集

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※参照条文

刑法185条(賭博)賭博をした者は、五十万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りでない。

186条(常習賭博及び賭博場開張等図利)

1項 常習として賭博をした者は、三年以下の懲役に処する。

2項 賭博場を開張し、又は博徒を結合して利益を図った者は、三月以上五年以下の懲役に処する。

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律

第2条(用語の意義)抜粋

1項 この法律において「風俗営業」とは、次の各号のいずれかに該当する営業をいう。

一号 キヤバレー、待合、料理店、カフエーその他設備を設けて客の接待をして客に遊興又は飲食をさせる営業

二号 喫茶店、バーその他設備を設けて客に飲食をさせる営業で、国家公安委員会規則で定めるところにより計つた営業所内の照度を十ルクス以下として営むもの(前号に該当する営業として営むものを除く。)

三号 喫茶店、バーその他設備を設けて客に飲食をさせる営業で、他から見通すことが困難であり、かつ、その広さが五平方メートル以下である客席を設けて営むもの

四号 まあじやん屋、ぱちんこ屋その他設備を設けて客に射幸心をそそるおそれのある遊技をさせる営業

五号 スロットマシン、テレビゲーム機その他の遊技設備で本来の用途以外の用途として射幸心をそそるおそれのある遊技に用いることができるもの(国家公安委員会規則で定めるものに限る。)を備える店舗その他これに類する区画された施設(旅館業その他の営業の用に供し、又はこれに随伴する施設で政令で定めるものを除く。)において当該遊技設備により客に遊技をさせる営業(前号に該当する営業を除く。)

第19条(遊技料金等の規制)第二条第一項第四号の営業を営む風俗営業者は、国家公安委員会規則で定める遊技料金、賞品の提供方法及び賞品の価格の最高限度(まあじやん屋を営む風俗営業者にあつては、遊技料金)に関する基準に従い、その営業を営まなければならない。

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則

第36条(遊技料金等の基準)

1項 法第十九条の国家公安委員会規則で定める遊技料金に関する基準は、次の各号に掲げる営業の種類に応じ、それぞれ当該各号に定めるとおりとする。

一号 まあじやん屋 次に掲げる場合に応じ、それぞれ次に定める金額に当該金額消費税等相当額を加えた金額を超えないこと。

イ 客一人当たりの時間を基礎として遊技料金を計算する場合 次に掲げるまあじやん台の種類の区分に応じ、それぞれ次に定める金額

(1) 全自動式のまあじやん台 一時間につき六百円

(2) その他のまあじやん台 一時間につき五百円

ロ まあじやん台一台につき時間を基礎として遊技料金を計算する場合 次に掲げるまあじやん台の種類の区分に応じ、それぞれ次に定める金額

(1) 全自動式のまあじやん台 一時間につき二千四百円

(2) その他のまあじやん台 一時間につき二千円

二号 ぱちんこ屋及び令第八条に規定する営業 当該営業所に設置する次に掲げる遊技機の種類に応じ、それぞれ次に定める金額に当該金額消費税等相当額を加えた金額を超えないこと。

イ ぱちんこ遊技機 玉一個につき四円

ロ 回胴式遊技機 次に掲げる遊技機の区分に応じ、それぞれ次に定める金額

(1) 玉を使用する遊技機 玉一個につき四円

(2) メダルを使用する遊技機 メダル一枚につき二十円

ハ アレンジボール遊技機(玉又はメダルを使用するものに限る。) 次に掲げる遊技機の区分に応じ、それぞれ次に定める金額

(1) 玉を使用する遊技機 玉一個につき四円

(2) メダルを使用する遊技機 メダル一枚につき二十円

ニ じやん球遊技機(玉又はメダルを使用するものに限る。) 次に掲げる遊技機の区分に応じ、それぞれ次に定める金額

(1) 玉を使用する遊技機 玉一個につき四円

(2) メダルを使用する遊技機 メダル一枚につき二十円

ホ その他の遊技機 遊技機の種類及び遊技の方法並びに他の遊技機に係る遊技料金その他の事情を考慮して国家公安委員会が定める金額

三号 その他の営業 営業の種類及び遊技の方法並びに前二号に掲げる遊技料金その他の事情を考慮して国家公安委員会が定める金額に当該金額消費税等相当額を加えた金額を超えないこと。

2項 法第十九条の国家公安委員会規則で定める賞品の提供方法に関する基準は、次のとおりとする。

一号 次に掲げる営業の種類に応じ、それぞれ次に定める物品を賞品として提供すること。

イ ぱちんこ屋及び令第八条に規定する営業で遊技球等の数量により遊技の結果を表示する遊技機を設置して客に遊技をさせるもの 当該遊技の結果として表示された遊技球等の数量に対応する金額と等価の物品

ロ 射的、輪投げその他これに類する遊技を客に行わせる営業 当該遊技の賞品としてあらかじめ客に表示されている物品と同一の種類の物品

ハ イ及びロに掲げる営業以外の営業 遊技の種類及び遊技の方法並びにイ及びロに定める物品その他の事情を考慮して国家公安委員会が定める物品

二号 前号イに掲げる営業において提供する物品は、客の多様な要望を満たすことができるよう、客が一般に日常生活の用に供すると考えられる物品のうちから、できる限り多くの種類のものを取りそろえておくこと。

3項 法第十九条の国家公安委員会規則で定める賞品の価格の最高限度に関する基準は、九千六百円に当該金額消費税等相当額を加えた金額を超えないこととする。

不当景品類及び不当表示防止法4条(景品類の制限及び禁止)内閣総理大臣は、不当な顧客の誘引を防止し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を確保するため必要があると認めるときは、景品類の価額の最高額若しくは総額、種類若しくは提供の方法その他景品類の提供に関する事項を制限し、又は景品類の提供を禁止することができる。