新銀座法律事務所 法律相談事例集データベース
No.122、2001/12/17 15:34 https://www.shinginza.com/sakimono.htm

[民事・消費者]
質問:先物取引で困っています。
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回答:
1、商品先物取引とは、6ヶ月〜1年後に商品を売ったり買ったりする権利を売買する取引です。製造業などの原材料の調達を安定させるための制度です。商品取引所法で規制されています。株式の信用取引と同様、先に売ってから(将来買う権利を買う)後で買うこと(将来買う権利を売る)もできます。
2、商品総代金の5〜10パーセントの委託証拠金を、取次業者に預託して取引を開始しますが、証拠金の半額の損害(2.5〜5パーセントの損害)が出た場合、委託追証拠金(追い証)を請求されます。支払わない場合、取次業者(商品会社)は、取引所の規則で、客の許可を得ずに、権利を処分することもできます。この場合は、取引手数料や売買差損を合計すると、証拠金が全て無くなってしまうことになります。
3、先物取引の消費者被害で、最も重要なのは、商品会社が手じまい取引に応じない場合です。「もう少し辛抱すれば儲かります」「証拠金が不足しているので処理できません」などと言われ、手じまいできないのです。「今まで納めた保証金が無くなってしまいますよ」と脅されて、追加の保証金を要求されることもあります。
4、商品会社は、顧客と反対の自己名義の注文(向かい玉)を出し、顧客が儲けているときは手じまいに応じず、顧客が損しているとき(会社が儲かっているとき)は証拠金が不足しているなどの理由で勝手に処分してしまいます。これを客殺しと言います。
5、「手じまいはできませんが、両建てならできます」「保険をかけておきましょう」などと、同一銘柄で反対取引を勧誘される場合もあります。この場合は、上がっても下がっても、客に有利な注文に応じず、客に不利な処分を勝手に行い、客に対して、莫大な損害金を請求します。悪質な場合は、取引所には実際には注文を出さずに架空の取引明細を発行して莫大な請求をします。
6、海外商品先物取引委託契約の場合は、契約後14日以内はクーリングオフ期間として電話等による売買注文が出来ないことになっています(海外商品市場における先物取引の受託等に関する法律8条)。
7、弁護士に内容証明郵便による通知書の作成を依頼されると良いでしょう。

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