新銀座法律事務所 法律相談事例集データベース
No.131、2004/4/9 12:00

[家事・夫婦]
質問:会社勤めのサラリーマンと専業主婦の夫婦が離婚すると妻の年金はどうなりますか?

回答:1、離婚前の妻は,国民年金の3号被保険者(2号被保険者に扶養されている配偶者)とされていますが、離婚により1号被保険者に切り替わりますので、種別変更届を提出して下さい。離婚後の保険料は本人負担となります。
2、離婚をすると、離婚後に夫が死亡した場合の遺族年金はもらえなくなります。
3、夫が厚生年金を受け取るようになったときに妻が65歳未満であると,夫は厚生年金に加えて一定額の加給年金を受け取ることができる場合があります。その後,妻が65歳になり,妻自身が年金を受け取るようになると,夫の厚生年金にプラスされていた加給年金が消滅し,その代わり,妻の老齢基礎年金に一定額が加算されます(振替加算)。妻が65歳以降に離婚すると、老齢基礎年金のほかに振替加算も受け取ることができます。
4、2004年4月現在,国会で年金制度改革法案が議論されています。この法案では,夫婦が離婚する際,夫婦間の合意または裁判所の決定により,夫が将来受ける厚生年金受給権の一部(結婚期間中に夫婦が獲得した年金の受給権の2分の1を上限とする)を妻に分割することが認められます。この制度は2007年4月以降に離婚する人が対象となります。さらに,質問のように会社勤めのサラリーマンと専業主婦の夫婦が離婚する場合,妻が3号被保険者となっている期間のうち2008年4月以降の部分については,夫の合意が無くても,妻単独の請求により夫の厚生年金のうち報酬比例部分の2分の1が妻に譲渡されます。
5、具体的な年金額は、お近くの社会保険事務所にご相談下さい。

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