新銀座法律事務所 法律相談事例集データベース
No.152、2004/4/9 16:07 https://www.shinginza.com/qa-sarakin.htm

[民事・消費者]
質問:突然、債権回収業者から最終通告書というハガキ届きました。自分には全く身に覚えがないことでしたので、間違いだと伝えるために記載されていた通告書の携帯電話に連絡をしました。すると、債権譲渡を受けたので早急に支払いをするようにと、半ば強引に説明され、調査料金等含め5万円請求されてしまいました。そして、支払いに応じなければ法的措置(給料の差押さえ等)をすると言われました。どのように対応すればいいでしょうか。

回答:

1、金銭の借入などを行ったことがなく、自分には全く身に覚えがないにもかかわらず、債権回収の通告が来た場合は、債権回収業者の名を語り詐欺的な架空の請求をする悪質な業者の可能性が高いです。実際に金銭の借入など何らかの契約をしない限り、当然、法律上、支払義務は生じません。また、債権回収業者が請求する調査料金なども、法的な根拠がないものであり、支払義務はありません。従って、このような業者の一方的な請求に対して、支払に応じる必要はありません。

2、このような債権回収業者に対する対応として重要なことは、相手にしないで無視することです。業者の手口は、不特定多数の人に対して架空の請求をし、反応を示してきた人に対して、「支払わなければ自宅まで取立てに行くぞ」「法的手段をとるぞ」等脅し、架空人名義の口座に振り込ませる手口です。よって、債権回収業者から請求があっても、相手にせず、無視することが重要です。また、債権回収業者の脅しに負けて、少しでも支払ってしまうと、逆に、脅せば支払う人間であると認識され、再度、別の業者を装う等の手口で、法外な請求をされますので、決して支払ってはいけません。また、相手は脅しのプロですから、相手から連絡するように言われても、決して自分から業者に連絡してはいけません。

3、また、債権回収業者が給料等の差し押さえをすることは通常ありません。差押さえをするには、判決や公正証書などの債務名義が必要ですが、架空請求である以上債権回収業者が債務名義を持っていることはないからです。心配する必要はありません。

4、なお、業者が勤め先などを知っていて「自宅に行くぞ、会社に連絡するぞ。」等、脅迫的な言動をするような場合や実際勤め先に繰り返し連絡があった場合は、直ちに警察に相談してください。警察が、民事不介入を理由に協力しないような場合で実害が生じるようであれば、弁護士に相談し、的確なアドバイスを受けてください。

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