新銀座法律事務所 法律相談事例集データベース
No.156、2004/4/2 13:33 https://www.shinginza.com/qa-hanzai.htm

[刑事・起訴前]
質問:付き合っていた女性が他の男性と交際し冷たくなりました。彼女と交際していた時のワイセツな写真を彼女の新しい交際相手に送付し、彼女にも写真を示し交際をしてくれなければ、写真を勤め先に送るぞと言ってしまいました。写真を見せた後、彼女と何度か会いましたが、しばらくして警察署の刑事さんが来て逮捕されました。私はどうなるでしょうか。

回答:
貴方の行為は、女性に対して(1)脅迫、(2)強要罪成立の可能性があります。
(1)脅迫の場合、(第二百二十二条  生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。2  親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。)罰金刑がありますから、一刻も早く被害者と和解、示談をして、警察、検察庁に提出して不起訴の裁定を受けるか、または略式手続きにより罰金を納めるようにすることです。何もせずに放置すると公開の裁判(公判)を受けることになるでしょう。弁護人を選任することです。
(2)強要に該当することになれば、(第二百二十三条 生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、三年以下の懲役に処する。 2  親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者も、前項と同様とする。)選択刑として罰金がありませんから、本当に交際を続けさせる意図はなく単なる嫌がらせであることを主張し、弁護人にも事情を話し、脅迫として処分するよう検察官と交渉してもらうことです。もちろんこの場合も、和解示談が大切です。被害の程度、和解の内容により、不起訴になる場合もあるからです。

刑事訴訟法の一般的手続き
通常刑事手続きは以下のようになります。初犯であり、住所も定まっており、逃走の危険もなく、犯行を全て認め証拠隠滅の危険がまったくなければ逮捕から48時間以内に警察署から検察庁に送検され、勾留請求はされず釈放となり在宅のまま取調べが続けられます。前科があるか、または逃走、証拠隠滅の危険が少しでもあれば、最長23日間、短くても13日間以内勾留請求により拘束され取調べを受けて、起訴、公判という手続きになります。

一般的対策について
被疑事実に争いがない場合は、検察官により起訴(略式起訴も含む)される前に(勾留されている場合は最長23日以内に)、弁護士を依頼して被害者に謝罪を行い、示談を成立させ、示談書を検察官に提出することです。用意するもの、被疑者の謝罪文(家族の謝罪文もあるといいでしょう。)、和解書、告訴、被害届取下書等その他被害者が要請するもの。和解、示談が成立すれば、親告罪では有りませんが被害の程度により不起訴処分になる可能性があります。その理由は、本罪は窃盗や、傷害と同じように被害者が存在する犯罪であり(例えば、覚せい剤、汚職などは直接の被害者はいません。保護すべきものは、社会、国全体の利益と成ります。)、起訴不起訴の判断基準として、被害者の処罰感情,被害の回復も重要な要素の1つだからです。又万が一被害者と和解ができない場合は、何とか和解金を提供するなど最低限相手方の慰謝料請求に答える手続きが必要です。刑事事件、起訴前弁護に詳しい弁護士、被害者側と和解交渉、方法に詳しい弁護士に依頼されるといいでしょう。

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