新銀座法律事務所 法律相談事例集データベース
No.163、2004/5/18 18:27 https://www.shinginza.com/qa-sarakin.htm

[債務整理]
質問:ヤミ金対策法(貸金業規制法及び出資法等の一部改正法)が平成15年8月に成立したと聞きましたが、どのような法律なのでしょうか。

回答:
ヤミ金対策法は、貸金業登録制度を厳格にすることで、悪質な業者を排除するのが狙いです。具体的な内容は以下のとおりです。

1、貸金業登録の審査が厳格になりました。暴力団員を排除すべく、人的要件を厳しくするとともに、財産的要件を追加し、各営業店に対して主任者を設置することを義務付けました(貸金業法6条、24条の7)。
2、高金利貸付と無登録営業に関する罰則が厳しくなりました。まず、出資法で定められている貸金業者の上限金利(年29.2%)を超える利息で貸付を行った場合には、5年以下の懲役、または1千万円以下の罰金が課せられます(出資法5条)。なお、法人の場合には3千万円以下の罰金となります(出資法9条)。また、無登録で貸金業を営んだ場合にも、5年以下の懲役、または1千万円以下の懲役が課せられます(貸金業法47条2号)。法人の場合には1億円以下の罰金となります(同51条)。
3、違法な広告や勧誘行為に対する規制が厳しくなりました。無登録業者が行う勧誘や広告に対して罰則が適用され、100万円以下の罰金が課されることになりました(同49条2号)。
4、違法な取立行為に対する規制が強化されました。正当な理由なく午後九時から午前八時までの間に取立てを行うこと(同施行規則19条)や、勤務先等住居以外に電話や訪問をすること、第三者に対して弁済の要求を行うなど、行ってはならない取立行為の具体例が法律で明記されるとともに、罰則が引き上げられ、2年以下の懲役、300万円以下の罰金が課されることとなりました(同47条の2)。
5、年109.5%を超える利息での貸付契約は無効とされました(同42条の2)。登録の如何にかかわらず年109.5%を超える利息で貸金業者と貸付契約を締結した場合には、この貸付契約は無効であり、一切利息を支払う必要はありません。

以上のような法改正によって、悪質な業者による被害が根絶することが期待されています。貸金業者とのトラブルにお悩みの場合は弁護士にご相談されることをお勧めいたします。

法律相談事例集データベースのページに戻る

法律相談ページに戻る(電話03−3248−5791で簡単な無料法律相談を受付しております)

トップページに戻る