新銀座法律事務所 法律相談事例集データベース
No.185、2004/8/18 15:45 https://www.shinginza.com/jidoukaisyun.htm

[刑事・違法性]
質問:出会い系サイトで知り合った17歳の女の子と援助交際をした場合,処罰されますか。逮捕された場合はどうしたらいいでしょう。女の子が、18歳と言っていた場合はどうでしょうか。

回答:
1、平成6年に「児童の権利に関する条約」が批准されましたが,同条約は児童を性的虐待から保護することを謳っています。その趣旨を受けて,平成11年に「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」がつくられました。同法は,児童買春を禁じています(同法4条)。ここに「児童」とは,18歳に満たない者をいい,「児童買春」とは,対償を与えて(与えることを約束して)性交等をすることなどをいいます(同法2条)。援助交際として,性行為をしてお金を渡す行為は,まさに「児童買春」といえますので,「3年以下の懲役又は100万円以下の罰金」が科せられ得ることになります(同法4条)。この法律は,未だ発達途上にあり,判断能力に乏しい児童を保護するものですから,女の子自身が同意していても,犯罪の成立に影響ありません。本件の場合、かりに女の子が18歳と説明し、あなたが18歳と思ったのであれば、原則として犯罪は成立しません。但し、その場の状況から17歳かもしれないと思い、姿かたち、その他の言不動から17歳と認められるような状況があれば、やはり犯罪は成立することになります。
2、また,平成15年6月に「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律」(いわゆる「出会い系サイト規正法」)が成立し,同年9月に施行されました。この法律によれば,18歳未満の児童を性交等の相手方になるよう誘った(援助交際や性行為を促した)場合,6ヶ月以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられ得ることになります(6条)。したがって,内容によっては書き込みをしただけでも罪に問われることになります。この法律は、18歳未満の児童がインターネットを通じ18歳未満であることを示し、同様の行為をした場合でもその児童を処罰の対象にしています。以上の要件上、17歳の子女が18歳と偽って行った場合は該当しません。
3、逮捕された場合は、所轄警察署で取調べを受け、罪を正直に認めた場合は、自宅に帰される場合もありますが、通常は検察庁に身柄を送られます。証拠隠滅、逃走の危険があれば裁判所の決定により、10日間勾留されることになります。このような取調べは、最長23日間認められ、最終的に正式裁判(公判請求)を行うかどうか検察官が決定します。正式裁判となった場合でも、起訴前でも、犯した罪に争いがなければ、本件犯罪の被害者である未成年者に謝罪し、保護者である親権者と慰謝料請求等の話し合いをすることが必要です。公判請求される前であれば、事情によっては、起訴猶予の場合があるからです。正式裁判の場合でも量刑に影響があります。被害者側は、事件の性質上、被疑者、被告人と接触を求めないのが通常ですからそのような場合は、弁護人を選任し話し合いを代理してもらうこともできます。どうしても困ったときは、法律事務所に相談してみましょう。

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