新銀座法律事務所 法律相談事例集データベース
No.190、2004/8/18 16:09 https://www.shinginza.com/qa-hanzai.htm
[刑事・起訴後]
質問:常習的に盗みを繰り返し、先日窃盗罪で逮捕、起訴されてしまいました。罪を全て認めているのですが、執行猶予になるでしょうか。
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回答:
1、執行猶予の判決を受けるための要件は、「前に禁錮以上の刑に処せられたことがない者」又は「前に禁錮以上の刑に処せられたことがあっても、その執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から5年以内に禁錮以上の刑に処せられたことがない者」が、「3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金」の判決の言渡しを受けたときは、情状によって1年から5年の間の執行猶予を受けることができるとされています(刑法25条1項)。
2、したがって、執行猶予を受けるために一番重要なのは被告人の情状ということになります。被告人の情状としては、罪を認めて反省しているか否か、前科の有無、犯行の態様、被害者への弁償の有無など様々な事情が考慮されます。
3、本件のように罪を全て認めている場合には、前科がないことを前提にすれば、被告人本人の反省の意思を明確に示し、被害者への謝罪、弁償をすればよいと思われます。特に窃盗罪のような財産犯の場合は被害者との金銭的な賠償、示談の有無がきわめて重要です。弁護士に依頼して、積極的に示談交渉をすべきでしょう。仮に、被害者が示談に応じない場合には、賠償金を供託したり、贖罪寄付をすることにより、誠意を示すことができると思います。