新銀座法律事務所 法律相談事例集データベース
No.193、2004/9/15 18:20 https://www.shinginza.com/qa-souzoku.htm

[家事・相続]
質問:遺産分割協議をすることになったのですが、相続人が知的障害(精神障害者)の場合、どのようにすればいいでしょうか。

回答:
1、知的障害のため遺産分割の話し合いができない相続人がいる場合,法定後見制度を利用して遺産分割協議をすることになります。
2、本人が,知的障害のため,「判断能力を欠く常況にある」(民法第7条)といえる場合,家庭裁判所に「後見開始の審判」を申立て,「後見人」を選任してもらい,その「後見人」が知的障害のある本人に代わって,他の相続人と遺産分割協議をすることになります(民法第843条,859条)。
3、知的障害のため,「判断能力が著しく不十分」(民法第11条)といった程度の場合には,「保佐開始の審判」を申立て,「保佐人」を選任してもらいます。知的障害のため「判断能力が不十分」(民法第14条1項)な場合には,本人の同意を得て(本人以外の者が申し立てる場合)「補助開始の審判」を申立て,「補助人」を選任してもらいます(民法第876条,876条の6)。包括代理権を有する後見人と異なり,保佐人や補助人は,選任されただけでは,当然に本人の代理権を有するわけではないので,別途,遺産分割をすることについての代理権を付与することを求める審判を家庭裁判所に申し立てる必要があります(民法第876条の4,876条の9)。
4、 相続人の一人が後見人になる場合,知的障害のある相続人とは,共同相続人として利益が対立するので,利害関係のない「後見監督人」(民法第849条の2)または「特別代理人」(860条,826条1項)を選任してもらい,それらの者と遺産分割協議をすることになります。

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