新銀座法律事務所 法律相談事例集データベース ○ホームページ閲覧者がブラウザ(閲覧ソフト)にアドレス(URL)を入力 このように、複雑な通信経路を経由して、インターネット上のホームページは公開されています。上記の経路のうち、どれか一つでも遮断されれば、ホームページの公開は止まる仕組みです。レンタルサーバーとインターネットプロバイダは同じ業者が兼務している場合もありますが、ホームページ管理者以外に、インターネット接続プロバイダ業者や、サーバーを管理するレンタルサーバー業者が、関係していますので、相手方(ホームページ管理者)に削除要求しても受け容れられない場合は、相手方の記事を送信しているレンタルサーバー業者や、インターネット接続プロバイダ業者に対しても、違法行為の警告や削除の請求(内容証明など)を行う手段が考えられます。通常、レンタルサーバー業者やインターネット接続業者は、サービス提供契約時に、契約約款の中で、「他人の名誉を毀損する記事は掲載しない。違法行為は行わない。違反行為が判明した場合は直ちにサービスを停止することが出来る。」等の誓約条項を入れており、被害者から内容証明で事実を通知すれば、早急にサービス停止が行われる可能性もあります。自分で交渉しても削除してもらえない場合など、お困りの際は、弁護士に依頼して、相手方やプロバイダやレンタルサーバー業者に対して、内容証明郵便で掲載中止を申し入れて貰うと良いでしょう。 2、刑法では、「名誉毀損罪」「侮辱罪」「信用毀損罪」「業務妨害罪」などで、市民の権利が保護されています。「名誉毀損罪(刑法230条)」では、不特定又は多数の人が知りうる状況下において、人の社会的評価を低下させるような事実を指摘することを規制しています。(但し、報道目的など公共の利害に関する事実について、専ら公益を図る目的で指摘した場合は、その事実が真実で有ることを証明すれば、処罰を免れます。)「侮辱罪(刑法231条)」は、事実を指摘しなくても、人の社会的評価を低下させるような軽蔑の感情を表示する行為を規制しています。「信用毀損罪・業務妨害罪(刑法233条)」では、虚偽の事実を不特定又は多数の人に知られるように伝達する方法や、人を錯誤に陥らせる不公正な手段を用いて、他人の経済的能力に関する社会的評価を低下させるおそれのある状態を発生させる行為を規制しています。これらの行為は、刑事処分の対象となり、民事上も損害賠償請求(及び謝罪広告掲載請求)の対象となりうる行為です。その他、民事保全法24条に基づいて、記事掲載の取り止めを命ずる保全命令を求める申立を行う手段も考えられます。
No.208、2004/12/15 18:39
[民事・不法行為]
質問:インターネットの掲示板で名誉毀損・侮辱されました。ホームページから、その部分を削除して貰いたいのですが、どうしたらよいですか?
↓
回答:
1、インターネット上で名誉を毀損された記事を掲載されてしまった場合、どのようにして、記事の削除を求めるべきかを説明したいと思います。その前に、インターネットのホームページのアクセス方法を次に示します。閲覧者側の業者や装置を○、相手方の業者や装置を●とします。
↓インターネットアドレス(http://xxx.xxx.com等)を送信
○DNSサーバー(閲覧者が使っているインターネットプロバイダが提供)
↓相互に通信して文字のURLアドレスを数字のIPアドレスに変換する
●DNSサーバー(相手方レンタルサーバー業者が提供、名誉毀損記事発信サーバーのIPアドレスを記憶している)
↓IPアドレス(192.168.0.1等)を返信
○閲覧者が操作するブラウザが相手方サーバーにファイル送信を要求する
↓光ファイバーやADSLなど
○ホームページ閲覧者が使っているインターネットプロバイダ
↓インターネット接続網経由
●名誉毀損記事発信サーバーが使っているインターネットプロバイダ
↓光ファイバーやADSLなど
●相手方が依頼するレンタルサーバー業者の建物内
↓構内LAN
●名誉毀損記事発信サーバー(PC装置等)が名誉毀損ファイルを送信する。
↑インターネット経由
●名誉毀損行為者からのホームページ文書アップロード(更新・改変)行為