新銀座法律事務所 法律相談事例集データベース
No.225、2005/3/1 11:20 https://www.shinginza.com/qa-jiko.htm
[民事・不法行為]
質問:息子が,2年前に,オートバイを運転していて,自動車との交通事故に遭いました。その後,息子は,植物人間になってしまいました。加害者側の任意保険会社は,2年前の事故時は,「前方不注意であった息子の自損事故である。自動車の運転手の刑事裁判を見守る。」などと言っていましたが,その後,何の連絡もしてこず,今まで何の賠償も受けていません。賠償を受けるためにはどうすればいいのか,教えて下さい。
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回答:
1,まず,自賠責保険会社に対して,被害者請求(損害の一部を請求できる制度)をするのが良いでしょう。本事案の場合,息子さんは植物人間になってしまったということですので,後遺症の程度は第1級程度と考えられますので,4000万円程度の支払いを受けられる可能性があります。但し,息子さんに重過失がある場合等は,減額される場合が多いです。手続き等詳しくは,弁護士に相談するのが良いでしょう。
2,次に,自動車の運転手に対して,民事裁判を起こすことを検討するのが良く,弁護士に相談するのが良いでしょう。そして,弁護士に,自動車の運転手の刑事裁判の結果を調べてもらうのが良いでしょう。仮に,自動車の運転手に対して刑事裁判で有罪判決が下されていましたら,民事裁判でも有利に裁判を進めることができ,一概には言えませんが,1億円程度の賠償を受けることができる可能性もあります。また,判例上,民事裁判で認められた損害額の1割程度が,弁護士費用として,これも被害者の損害と認められ,加害者側(任意保険会社)の負担になりますので,弁護士費用の負担は,相当軽減されると思います。
3,また,注意しなければならないこととして,時効の問題があります。自賠責の被害者請求の時効は,事故日から2年,後遺症がある時は症状固定日から2年で,民事裁判を起こすための,不法行為に基づく損害賠償請求権の時効は,事故日から3年,後遺症がある時は症状固定日から3年です。よって,時効の問題もありますので,早めに弁護士に相談するのが良いでしょう。