新銀座法律事務所 法律相談事例集データベース
No.231、2005/3/2 10:17 https://www.shinginza.com/qa-hanzai.htm

[刑事・起訴前]
質問:先日,私の息子が,深夜の路上で,人のバッグをひったくったとのことで,警察に逮捕されました。被害者の方が怪我をしたかは分かりません。息子は,どのような罪に問われるのでしょうか。

1、ひったくりとは,一般に,すれちがいざまなどに、被害者の持っている物を奪って逃げることをいいます。このような行為は,通常,他人の財物を窃取する行為に当たり,窃盗罪(刑法235条,法定刑は,10年以下の有期懲役)が成立します。
2、さらに,被害者が,その時,怪我を負った場合には,窃盗罪に加えて傷害罪(刑法204条,傷害罪の法定刑は,10年以下の有期懲役又は30万円以下の罰金もしくは科料)が成立します。
3、そして,物を奪う際に,被害者がなかなかその物を離さなかったりしたことにより,その被害者を殴ったりして暴行を加えたような場合には,強盗罪(刑法236条,法定刑は,5年以上の有期懲役)になることや,その際、被害者が怪我を負った場合には,強盗致傷罪(刑法240条前段,法定刑は,無期懲役又は,7年以上の有期懲役)が成立することもあり,その罪の重さは,相当重くなります。また、物を奪った後に追いかけてきた被害者に暴行を加えて逃げた場合には,事後強盗罪(刑法238条,法定刑は強盗罪と同じ。)になることもあり,その刑事責任は窃盗罪と比べかなり重くなります。
4、以上のように,一言でひったくりといっても,その奪い方や被害者の負傷の有無及び程度,その他事件当時の状況により,どの罪が問われるかが変わってきます。どの罪名となるかは,捜査当時は,警察及び検察が判断しますが,最終的には,その事件を担当した裁判官が,裁判の審理過程を踏まえた上で判断し,有罪の場合には,その法定刑の範囲内で,どれくらいの刑で処罰するかを決定することになります。
5、刑の重さは、被害者との示談が成立するかどうかによっても、大きく変わってきますので、弁護士に相談されることをおすすめします。

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