新銀座法律事務所 法律相談事例集データベース ≪民法≫
No.248、2005/4/20 17:15 https://www.shinginza.com/rikon/index.htm
[家事・親子]
質問:今年の3月1日に結婚届出を出したのですが、今度の5月下旬に子供が産まれる予定です。子供の父は、現在の夫ではない婚姻前に交際していた男性です。夫もこの事実を知っており、嫡出子として届出を出すことは希望していません。私も、本当の父親を明らかにしたいので、戸籍も真実の親子関係がわかるようにしたいと思います。どのような手続きになるのでしょうか。
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回答:
1、婚姻成立後200日後に産まれた子供は、婚姻中に懐胎したと推定され、夫の子供と推定されます(民法772条)この場合、戸籍は夫婦の子供として届け出られ、嫡出子の身分を取得します。父親が自分の子ではないという場合は、この出生後1年以内に嫡出否認の訴えを起こすことになります。それ以外の方法では、自分の子供ではないということを主張することはできないことになっています。
2、しかし、ご相談の場合は、婚姻後200日以内に子供が誕生するということですので、民法772条の適用は受けないことになります。この場合、戸籍の取扱上、母親としては、夫の子として届け出ることもできますが、夫の子供ではない(嫡出子ではない)として戸籍を届け出ることもできます。この場合、届けを出してもそれだけでは本当の父親との親子関係は法律上生じないので、後日、本当の父親に認知して貰う必要があります。本当の父親が認知しない場合は、訴訟をすることもできます。
3、なお、夫の子供として届け出た場合、夫としてはこれをそのまま認めることもできますし、自分の子供ではないことを証明すれば、戸籍を訂正する事も可能です。この場合は、民法772条の適用はなく自分子供とは推定されませんので、嫡出否認の訴えではなく、親子関係不存在確認の訴えを起こすことになります。ご不明な点は、お近くの法律事務所にご相談ください。
第七百七十二条 妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する。
2 婚姻成立の日から二百日後又は婚姻の解消若しくは取消の日から三百日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。