新銀座法律事務所 法律相談事例集データベース
No.281、2005/7/25 14:11 https://www.shinginza.com/rikon/index.htm

[家事・夫婦]
質問:外国人の夫と離婚するためにはどうしたらいいのですか。どちらの国の法律に従って離婚するのですか。

回答:
1、離婚についての法律は、国によって異なるので、日本人が日本以外の国の人と結婚や離婚をする場合、どちらの国の法律が適用されるかによって扱いが異なることになります。そこで、どこの国の法律を適用するか問題になりますが、日本においては法例という法律で夫婦の本国法が同じ場合は、その本国法が適用されるが、本国法が違う場合は離婚時の夫婦の常居所地法が適用されとされています(法例16条)。常居所地とは、長期間に渡って居住する場所です。そして、いずれにも当てはまらない場合は、夫婦に最も密接なる関係のある地の法律とされています。但し、夫婦の一方が日本人で日本に常居所地を有している場合は、日本の法律が適用されることになっています。ですから、あなたが外国人の夫と日本で長期間生活している場合は、日本法が適用されます。あなたが日本人で日本を常居所地として生活していれば、夫の国籍や住所に関わらず日本法が適用されることになります。あなたも夫も外国人の場合、夫婦に最も密接な関係がある地が日本と認められれば、日本の法律が適用されることになります。
2、次に、どのように離婚するのか疑問が出てきます。日本法が適用される場合は、協議離婚が可能ですから、離婚届を役所に出せば協議離婚が成立します。但し、夫の国で協議離婚を認めていない場合もあり、その場合は夫の国においては離婚は認められませんので注意が必要です。
3、次に夫と協議離婚ができない場合、日本の裁判所で調停や訴訟ができるのか問題になります。夫が調停の相手方や、訴訟の被告になるわけですが、夫が日本に住所を有している場合は日本の裁判所で調停や裁判ができます。夫が日本にいない場合本来は裁判ができないのですが、それでは離婚ができないことになり不都合となるため、夫が3年以上行方不明の場合や夫が本国以外の国にいるため裁判が出来ない場合例外的に日本で裁判ができる場合もあります。外国にいて何の連絡もない場合などは、行方不明として日本で裁判ができる場合が多いと思われます。
4、以上が説明の概略となります。夫と離婚の協議ができていても場合によっては協議離婚できないこともあります。とりあえず、役所に相談し、難しいようであれば弁護士に相談されるのがよいと思われます。

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