新銀座法律事務所 法律相談事例集データベース
No.296、2005/9/12 14:53 https://www.shinginza.com/rikon/index.htm
[家事・親子]
質問: 彼氏との間に子どもができたのですが、彼氏はどうしても認知をしてくれません。どのようにしたら認知をしてもらえるのですか。
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回答:任意に認知をしてくれない場合には、強制認知の手続をとることになります。
1、強制認知とは、子(ないしその直系卑属)の申し立てにより裁判によってなされる認知の手続のことをいいますが、子が未成年の場合には、子の法定代理人である母親がこの申し立てをすることができます(民法787条)。
2、認知の請求をする場合には、いきなり訴訟を提起することはできず、まずは家庭裁判所に調停の申立をしなければなりません(調停前置主義・家事審判法18条)。調停においても話がまとまらず、不調に終わった場合にはじめて、訴訟を提起することができます。なお、認知の訴訟については、以前は地方裁判所に提起することになっていましたが、平成16年4月から家庭裁判所に提起することになりました。
3、立証においては、請求相手との性交渉時期と受胎時期の関係が重要になりますが、近年においてはDNA鑑定も相当程度信用できる証拠と認められてきています。DNA鑑定には、被告となっている男性と認知を求める子供両者のDNAが必要になります。鑑定に被告も承諾し手いる場合は、DNAの採取ができ、鑑定は容易にできます(費用は30万程度で、判決になれば敗訴した側が負担することになります。)しかし、被告の父親が反対する場合、にDNAを強制的に採取できるか疑問があり、裁判所では強制的には採取していないようです。そのような場合は、母親となる女性と、被告の男性の妊娠時の関係との間接的な事実から、父親である可能性が強いということが証明されれば、裁判所としては、父親がDNA採取を拒否する事実を不利益な証拠として扱うことになります。いずれにしろ、DNA鑑定を原告が求めているのに被告が応じないのは、鑑定の必要がないような場合を除いては被告の不利益になります。
4、以上のように、彼が任意で認知をしてくれない場合には、まずは家庭裁判所で調停の申立をし、調停でも話がまとまらない場合には訴訟を提起し、裁判で強制的に認知をしてもらうということになります。