新銀座法律事務所 法律相談事例集データベース
No.399、2006/4/25 17:05 https://www.shinginza.com/qa-hanzai.htm

[刑事・起訴前]
質問:先日,私の夫が恐喝などの容疑で警察に逮捕され,現在,警察署に勾留されています。連絡をくれた警察官に面会することはできるかと尋ねたところ,「接見禁止が付いているから,今は接見することはできない。」と断られてしまいました。この接見禁止とは一体どういうことなのでしょうか。また,接見禁止はいつになったら解除されるのでしょうか。夫と会えないと,この件についてどうすべきかについてすら決めることもできませんので,どうかよろしくお願いします。

回答:
1、ある犯罪行為をしたということで警察に逮捕された場合,被疑者は,すぐに釈放されることもありますが,捜査機関側がさらなる身柄拘束が必要と判断した場合,逮捕から72時間以内に裁判所に対して勾留請求を行い,これを裁判所が認めると,この後,10日間(ただし,実際にはさらに10日間の勾留延長がなされることが多いです。),警察署などで引き続き身柄拘束されることになります。
2、そして,かかる勾留開始時に,ご質問の接見禁止決定が付されることがありますが,これが付きますと,原則として弁護人となろうとする弁護士や弁護人に就任した弁護士以外の方は,例え親族であったとしても接見できないばかりか,本人への物品の差入についても大幅に制限されてしまいます(刑事訴訟法81条)。但し、接見禁止が付かなくても弁護士以外の人は土曜、日曜と祭日は全日、平日でも午前9時頃から午後4時頃までしか会えませんし、差し入れについては制限されていますから注意して下さい。
3、かかる接見禁止は,原則として,被疑者に「逃亡しまたは罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき」(同条項)に限られるべきものなのですが,近時は,否認事件や共犯者等の関係者が多数いる場合などに付される傾向にあり,接見禁止が付される割合も以前に比べ増加しているようです。
4、このような接見禁止決定が付された場合,本人と連絡をとるためには,本人やご親族等が当番弁護士の派遣を弁護士会に要請して,その担当弁護士から本人からの伝言を聞くか(但し,当番弁護士は,通常,1回の接見しか行いません。),本人やご親族等の関係者が,私撰で弁護士にその事件の弁護人となることを依頼し,その弁護人に連絡行為をお願いすることにより,間接的にはなりますが実現することができます。
5、そして,この接見禁止は,事件が起訴される場合には,通常,起訴された段階,つまり勾留期間満期に解除されるものなのですが,否認事件などでは,第1回公判期日まで,場合によっては第1回公判期日以降も,例外的ではありますが解除されないこともあります。
6、かかる接見禁止を早期に解除するには,接見禁止解除請求や接見禁止決定に対する準抗告の申立を行うという方法があり,最終的には裁判所の判断になりますが,これらの申立が受け入れられ,接見禁止の部分的又は全面的な解除が認められることがあります。
7、もっとも,かかる手続を行うには,逃亡又は証拠隠滅のおそれがないことなどを裁判所に対して説得的に主張する必要がありますので,できれば,弁護士に弁護人就任を依頼した上で,本人との面会を早期に実現するため,これらの手続を行うことも依頼するとよろしいでしょう。

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