写真の日付を証明する方法|浮気の証拠の収集方法

民事|民事訴訟における写真の日付の証明|浮気の証拠写真の日付を特定するための方策

目次

  1. 質問
  2. 回答
  3. 関連事例集
  4. 無料法律相談

質問

夫が浮気したので、浮気現場に踏み込んで、「別れます」と約束させました。しかしながら、その後も、会っていることが判明しました。腕を組んで繁華街を歩いているところを撮影しました。写真を見せましたが、これは、別れる前の写真であると主張されてしまいます。どのようにして証拠を集めればよいでしょうか。写真を撮影した場合に、日時を特定する方法はありますか?

回答

通常、写真のみで日付を証明する手段はありませんが、様々な工夫を行うことで、裁判所にも認めてもらえるような、証拠を残すことは出来ると思われます。

1 写真の証拠能力

民事訴訟法では写真は、準文書として証拠能力が認められています。民事訴訟法第231条(文書に準ずる物件への準用) この節の規定は、図面、写真、録音テープ、ビデオテープその他の情報を表すために作成された物件で文書でないものについて準用する。

民事訴訟規則では次の様に規定されています。

民事訴訟規則第148条

(写真等の証拠説明書の記載事項)写真又は録音テープ等の証拠調べの申出をするときは、その証拠説明書において、撮影、録音、録画等の対象並びにその日時及び場所をも明らかにしなければならない。

一般的には、写真を台紙に貼り、撮影者が日時や場所を記載した書面を、写真撮影報告書として、裁判所に提出します。

2 写真の日時を証明する方法

写真を撮影しただけで、日時を特定することが出来るのは、例えば、オリンピックの競技場面を撮影するなど、歴史的瞬間を撮影する以外、写真のみで撮影日時を特定・立証することは、一般的には困難であると思われます。浮気現場の撮影に成功したとしても、その背景に、そのような日時を特定できるような対象物が写っていないことが普通だからです。

そこで、通常は、写真撮影報告書に、撮影者が、「~番は、平成○年○月○日○時○分に、東京都○○区○○町で撮影したものである」と記載しますが、この部分は、写真そのものとは異なり、供述証拠となりますので、相手方が否認してきた場合には、他の手段で立証内容を補強しないと、立証が不十分であると判断される恐れが生じます。

3 写真が特定の日時よりも前に撮影されたことを立証する方法

写真撮影報告書を作成し、これを、公証役場に持参し、「確定日付」を付与して貰う手段が考えられます。確定日付とは、公証人法によって権限を与えられた公証人が、特定の文書が、特定の日時に存在していたことを証明するもので、公証人が私書証書に日付のある印章(確定日付印)を押捺した場合のその日付をいいます。

具体的な手続は、写真を台紙に貼って割印し、台紙に撮影の日時、場所等のデータを記入した証明文を記載して記名押印したものを、公証役場に持参し、確定日付の付与を依頼します。日付は、請求当日の日付となります。手数料は1件700円です。

4 写真が特定の日時よりも後に撮影されたことを立証する方法

新聞雑誌テレビなど、公的な媒体で日付が確認できるものを撮影すれば、事実上、その写真は、その日付よりも後に撮影されたものであると主張できると考えられます。今回のご質問では、夫と不倫相手が腕を組んで歩いているところを撮影した、ということですが、この場合は、例えば、ビデオカメラやスマートフォンで最初に当日朝の新聞の一面記事と日付欄を撮影し、その後、テープを回し続けた状態で、夫と不倫相手を撮影することが出来れば、新聞記事発行よりも、後に撮影されたものであると主張出来ると思います。

5 特定の日時であることを証明する方法

従って、上記の手段を併用すれば、特定の日時に撮影したことを主張できます。例えば、当日の新聞朝刊記事を撮影し、その後、浮気現場を撮影し、それを即日報告書にして、公証役場で確定日付の付与を受ければ、特定の日付に撮影したものであると主張出来るでしょう。

6 結論

通常の交渉事件や、裁判事件では、一枚の写真のみで主張立証することはほとんどありませんので、上記のような厳密な手段を用いることはむしろ稀ですが、証拠の収集が困難な事例などでは、慎重に日時を特定する必要が生じる場合もあります。訴訟を担当する弁護士が、証拠の量や質を判断し、追加でどのような証拠を収集すべきか判断することが重要です。

従って、証拠を収集する場合は、事前に弁護士に相談し、どのような証拠をどのような手段で収集すべきか、アドバイスを受けながら、ご自分で集めるなり、調査業者に依頼されると良いと思います。一度、弁護士にご相談なされることをお勧めいたします。

以上

関連事例集

その他の事例集は下記のサイト内検索で調べることができます。

Yahoo! JAPAN

無料法律相談

当事務所でも0120-48-5791(年中無休9~21時、土日祝日18時まで)にて無料法律相談を受け付けております。受付の者にお電話番号とお名前と事情を簡単にご説明ください。後ほど弁護士から一般的な見解をご連絡いたします。有料法律相談や代理人契約が可能かどうかご参考になさって下さい。御希望があれば当事務所の弁護士費用概算も御案内致します。

また、電子メールもしくはLINEでも、無料で法律相談を受け付けております。担当弁護士から一般的な回答を連絡致しますので、御参考になさって下さい。