新銀座法律事務所 法律相談事例集データベース 解説: 3、以上養育費については、その金額は類型化されており双方の収入を資料として決定されることになりますから、それを参考に当事者間で協議されると良いでしょう。不安な場合は弁護士にご相談下さい。弁護士が代理人となって相手方に説明して説得することもできます。残念ながら協議が成立しない場合は家庭裁判所の調停を申し立てることになりますが、もちろん弁護士を代理人として依頼することもできます。費用は、請求する金額にもよりますが着手金として20万円程度はかかると考えておいたほうが良いでしょう。 ≪参照条文≫ 民法
No.575、2007/2/8 15:22 https://www.shinginza.com/rikon/index.htm
【民事 養育費 計算方法 私立中学校の学費の負担】
質問:離婚をすることになりました。子供の養育費を決めたいのですが、一人息子が私立中学の2年生で学費が毎月8万円かかります。養育費を定めるについて、私立中学の学費については考慮されるのでしょうか。また、具体的に養育費はいくらくらい認められるのでしょうか。夫は会社員(給与所得)で年収は1000万円です。私は現在の年収は200万円です。
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回答:
養育費の算定については、父母双方の収入が考慮され、本件のように父親の年収が1000万円、母親の年収が200万円の場合、養育費の金額は月8万円から10万円の範囲内で決められるのが一般的な金額です。そして、私立学校の学費については、双方の親が私立学校での教育を承諾している場合、あるいは具体的な承諾がないとしても承諾があったと同様の事情が認められる場合(小学校から私立学校に通っていたり、父母が私立中学校に通っているなどの事情がある場合)は考慮され公立学校での費用を超える分について加算されます。養育費算定については、14歳以下の子供の場合(私立小学校の場合も同様です)
、平均的な年間収入等から学校教育費用は月11,185円とされています。ですから、毎月8万円の授業料がかかる本件の場合は、8万円から11,185円を差し引いた68,815円が加算されることになり、仮に養育費を9万円とすると158,815円が実際に支払を受けることのできる養育費となります。この計算方法は、平均収入に対する公立学校教育負担額を控除する計算方法ですが、義務者の収入が多い場合などは生活費指数のうち教育費の占める割合を用いて差額を計算する方法もあります。いずれにしろ、個別的な要素を考慮して意最終的に判断されることになります。
1、養育費とは、法律上は監護親から非監護親に対して支払われる未成熟の子の養育のための費用と定義されます。未成熟の子供を、現実に育てている親を監護親といいます。離婚後は、母親が監護親となる場合が多いようです。これに対し現実に子供を育てていない親を非監護親と法律上呼んでいます。監護親は子供を現実に育てているためその費用を支出していますが、非監護親も親として子供の扶養の義務を負っていますから、子供を育てるための費用を負担する義務があります。そして、扶養の義務のなかでも親の子に対するの扶養の義務については生活保持義務といって自分(親)の生活と同程度の生活を扶養義務者(子供)にも保持させる義務とされていますから、親の生活程度、収入によって負担の割合は違ってきます。母親が監護親となることが通常であると説明しましたが、父親のほうが母親より収入が多いのが一般的であることから、養育費は父親から母親に対して支払われるのが一般的といえます。しかし、父親が子供を引き取り育てているが、収入面では母親のほうが多い場合は母親が父親に支払うことになります。なお、親権者がどちらかと言う問題と養育費の支払い義務者とは関係がありません。
2、そこで、離婚するに際して養育費をどうするかが問題となります。原則は、離婚の際の協議、話し合いにより決まります。残念ながら協議ができない場合は、家庭裁判所の調停となります。しかし、調停はあくまで話し合いによる解決ですから、調停が成立しない場合は、家庭裁判所の審判により金額が決まります。具体的な金額を決定するについては、裁判官が両親の生活状況等を証拠により判断しその上での裁量による判断となり、法律上決まっているわけではありません。唯、裁判官の裁量と言うだけでは、客観性がなく説得力もありませんからこれまで、家庭裁判所により算定方法が検討され、審判例も蓄積されています。そして、最近は基本的な計算方法が示されています。この計算方法に基づき一覧表が作成され、一目見ただけで、養育費の大体の金額が分かるようになっています。当事務所のホームページでもこの表に基づき養育費の概算がわかるようにしていますので参考にしてください。
(離婚後の子の監護に関する事項の定め等)
第七百六十六条 父母が協議上の離婚をするときは、子の監護をすべき者その他監護について必要な事項は、その協議で定める。協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所が、これを定める。