新銀座法律事務所 法律相談事例集データベース 解説: 2,クーリングオフについて 以上のような趣旨から種々の要件が定められています。 3,適用除外 判例の判断からすると,「申し込みをした者,購入者若しくは役務の提供を受ける者にとって」営業のために若しくは営業として締結するものであると言えるかどうかがポイントとなるようであり,上記2つ目の事案で言えば,「(消火器充填整備の依頼者は自動車販売等を目的とする会社であって)消火器を営業の対象とする会社ではない」から,消火器の充填整備に関する契約は当該自動車販売会社にとって「営業のために若しくは営業として締結した取引」とは言えないと判断している模様です。このような考えを前提として本件について見てみると,具体的事情は分からないものの,通常,飲食店は消火器(の販売等)を営業の対象としていないので,本件についても「営業のために若しくは営業として締結した取引」には該当せず,特定商取引法の除外事由にはあたらないと考えられます。そもそも前述のようにクーリングオフの趣旨は公平上一定の商品についての一定の取引について撤回を認めるのが妥当かどうかという観点から判断されるべきですから、いくら事業者といえども、自ら取り扱っていない業種に直接関係ない取引についてはやはり一般消費者と同様保護に値しますから「営業のためにする取引」とは自らの営業と直接的に関連する取引と解釈すべきであり、判例は妥当な判断であると考えられます。 4,まとめ ≪参考条文≫ 特定商取引法 特定商取引法施行令
No.590、2007/3/27 13:28 https://www.shinginza.com/cooling.htm
【民事・消費者保護・契約・事業者とクーリングオフの例外】
質問:私は飲食店を個人経営しているのですが,先日,店に消火器の整備・販売業者Aの従業員を名乗る見知らぬ男がやってきて,消火器の整備,点検をさせて欲しいと言ってきました。不要だとは思ったのですが,「いざ火事になったときに使えなかったら困る。」などと不安をあおられたため,消火器2本の整備,点検をAに依頼することにし,契約書にサインしました。その契約書はごく簡単なもので,費用すらもはっきりとは分からないものでした。それから数日後,Aから,整備,点検が終了したので,費用10万円を払えと言われました。あまりにも法外な値段だったので,私は「払えない」と伝えました。知り合いに相談したところ,訪問販売なので,クーリングオフが出来るのではないかと言われたので,Aにその旨を伝えたのですが,Aは「あなたは事業者なので,クーリングオフは出来ない。」と言われました。本当に事業者だとクーリングオフはできないのでしょうか(なお,Aから渡された書面にはクーリングオフに関する事項は一切記載されていませんでした)。
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回答:例え事業者であっても,クーリングオフが出来る可能性はあります。
1,訪問販売について
まず,本件で問題になっている「訪問販売」についてですが,これは特定商取引法上,「通常の店舗以外の場所で行われる商品等の販売または役務の提供及び特定の方法により誘引した顧客に対する通常の店舗等で行われる商品等の販売または役務」を指すとされています(特定商取引法2条)。「営業所」「代理店」「露天,屋台店その他これらに類する店」「一定の期間にわたり商品を陳列し,それを販売する場所であって,店舗に類するもの」については,省令により「通常の店舗」とみなしうる場所とされていますが,これら以外の場所で行われる販売等については,原則として全て訪問販売に該当することになります。しかしながら,いわゆる御用聞きや店舗事業者が顧客に対して行う訪問販売,無店舗事業者が継続的取引にある顧客に対して行う訪問販売,管理者の書面による承諾を受けてなす事業所の職場訪問販売については,例外的に規制の対象外となっています(同法施行令8条)。本件について考えると,まず「通常の店舗」に該当しないのは明らかであり,Aとの間で今まで取引関係もなかったようですので,例外事由にもあたらず,したがって「訪問販売」には該当するといえます。
まずクーリングオフの趣旨について考えておきましょう。
本来私的自治の原則たる契約自由の原則からは契約は守られなければならず、法律行為の能力があり、意思表示に瑕疵さえなければ契約は完全に有効なはずです。しかし、資本主義社会では取引の安全がおのずと要請されますから、意思表示の瑕疵は詐欺、錯誤など明確に意思表示した人に法的効果を及ぼす事が不都合、不合理な場合に限り無効取り消しを認めているのです。詐欺や錯誤の立証責任は、これら主張を行う消費者側が負担することになります。その結果、これら民法の基本原則の要件が厳格であることを利用して、一般の市民の無知に乗じ消費物等について不当な取引を行う業者が生じてきました。そこで法は一定の商品の特別な取引行為についてのみ法律行為の意思表示の内容に明確な瑕疵がなくても契約自由の原則の例外として契約の成立を認めながら一定期間(8日間)は一旦納得して契約しても契約締結の撤回をする権利を消費者側に認め取引の実質的公平を図ったのです。これがクーリングオフです。しかし、本件のような飲食店経営「事業者」は、通常自らの商取引に詳しいですし、無知に乗じられることがないと考えられるので後述のごとく原則に戻り契約を有効としてクーリングオフ、契約の撤回を認めていないわけです。
「訪問販売」に該当する場合,販売等をしようとする事業者は,消費者に対して書面を交付しなくてはなりません。ここに言う「書面」とは法4条、5条に規定されている法定書面のことであり,目的物の特定に関する事項,代金の支払,商品の引渡し等に関する事項、当事者間の確定に関する事項,クーリングオフに関する事項等を記載しなければならないとされています。訪問販売により商品等を購入あるいは役務の提供を受けることになった消費者は,理由の如何を問わず書面を受け取った被から8日間はクーリングオフをすることが出来ます(同法9条)。そして,必要事項が記載されていない書面を交付された場合には,法定書面の交付を受けていないことになりますので,結局クーリングオフの期間制限の起算日である「書面を受領した日」というものが観念できなくなり,クーリングオフ期間が延長されることになります。書面の交付自体がない場合も同様です。本件について言えば,クーリングオフに関する書面の交付自体がない場合ですので,いつでもクーリングオフをすることが出来るということになります。
ところで,特定商取引法は26条において「購入者等が営業のため若しくは営業として締結する取引」については,同法の適用除外とする旨規定しています。そこで,本件のように飲食店の個人経営主が店に設置している消火器の整備,点検をしてもらうことは,「営業のため若しくは営業として締結する取引」に該当するのか否かが問題となります。仮にこれに該当すると,クーリングオフはできないことになるからです。この点については解釈の問題となるところ,確たる判断材料があるわけではありませんが,理髪店に電話機の訪問販売がなされた事案(越谷簡判平8・1・22)及び自動車販売店に消火器の訪問販売がなされた事案(大阪高判平成15・7・30)につき,裁判所はいずれも「営業のため若しくは営業として」した取引ではないとして,特定商取引法の適用を認めています。
以上のように,本件についてもクーリングをすることができる可能性はありますが,具体的事情によって結論は異なってきますので,十分な検討が必要です。また,特定商取引法の適用対象になるかどうかは,取引対象商品によっても異なりますので,疑問がある場合には,専門家に具体的な事情や取引経過などを説明しながら相談するのが良いと思います。
第二条 この章において「訪問販売」とは、次に掲げるものをいう。
一 販売業者又は役務の提供の事業を営む者(以下「役務提供事業者」という。)が営業所、代理店その他の経済産業省令で定める場所(以下「営業所等」という。)以外の場所において、売買契約の申込みを受け、若しくは売買契約を締結して行う指定商品若しくは指定権利の販売又は役務を有償で提供する契約(以下「役務提供契約」という。)の申込みを受け、若しくは役務提供契約を締結して行う指定役務の提供
二 販売業者又は役務提供事業者が、営業所等において、営業所等以外の場所において呼び止めて営業所等に同行させた者その他政令で定める方法により誘引した者(以下「特定顧客」という。)から売買契約の申込みを受け、若しくは特定顧客と売買契約を締結して行う指定商品若しくは指定権利の販売又は特定顧客から役務提供契約の申込みを受け、若しくは特定顧客と役務提供契約を締結して行う指定役務の提供
2 この章及び第六十六条第三項において「通信販売」とは、販売業者又は役務提供事業者が郵便その他の経済産業省令で定める方法(以下「郵便等」という。)により売買契約又は役務提供契約の申込みを受けて行う指定商品若しくは指定権利の販売又は指定役務の提供であつて電話勧誘販売に該当しないものをいう。
3 この章において「電話勧誘販売」とは、販売業者又は役務提供事業者が、電話をかけ又は政令で定める方法により電話をかけさせ、その電話において行う売買契約又は役務提供契約の締結についての勧誘(以下「電話勧誘行為」という。)により、その相手方(以下「電話勧誘顧客」という。)から当該売買契約の申込みを郵便等により受け、若しくは電話勧誘顧客と当該売買契約を郵便等により締結して行う指定商品若しくは指定権利の販売又は電話勧誘顧客から当該役務提供契約の申込みを郵便等により受け、若しくは電話勧誘顧客と当該役務提供契約を郵便等により締結して行う指定役務の提供をいう。
4 この章及び第六十七条第一項において「指定商品」とは、国民の日常生活に係る取引において販売される物品であつて政令で定めるものをいい、「指定権利」とは、施設を利用し又は役務の提供を受ける権利のうち国民の日常生活に係る取引において販売されるものであつて政令で定めるものをいい、「指定役務」とは、国民の日常生活に係る取引において有償で提供される役務であつて政令で定めるものをいう。
(訪問販売における氏名等の明示)
第三条 販売業者又は役務提供事業者は、訪問販売をしようとするときは、その勧誘に先立つて、その相手方に対し、販売業者又は役務提供事業者の氏名又は名称、売買契約又は役務提供契約の締結について勧誘をする目的である旨及び当該勧誘に係る商品若しくは権利又は役務の種類を明らかにしなければならない。
(訪問販売における書面の交付)
第四条 販売業者又は役務提供事業者は、営業所等以外の場所において指定商品若しくは指定権利につき売買契約の申込みを受け、若しくは指定役務につき役務提供契約の申込みを受けたとき又は営業所等において特定顧客から指定商品若しくは指定権利につき売買契約の申込みを受け、若しくは指定役務につき役務提供契約の申込みを受けたときは、直ちに、経済産業省令で定めるところにより、次の事項についてその申込みの内容を記載した書面をその申込みをした者に交付しなければならない。ただし、その申込みを受けた際その売買契約又は役務提供契約を締結した場合においては、この限りでない。
一 商品若しくは権利の販売価格又は役務の対価
二 商品若しくは権利の代金又は役務の対価の支払の時期及び方法
三 商品の引渡時期若しくは権利の移転時期又は役務の提供時期
四 第九条第一項の規定による売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回又は売買契約若しくは役務提供契約の解除に関する事項(同条第二項から第七項までの規定に関する事項を含む。)
五 前各号に掲げるもののほか、経済産業省令で定める事項
第五条 販売業者又は役務提供事業者は、次の各号のいずれかに該当するときは、次項に規定する場合を除き、遅滞なく(前条ただし書に規定する場合に該当するときは、直ちに)、経済産業省令で定めるところにより、同条各号の事項(同条第四号の事項については、売買契約又は役務提供契約の解除に関する事項に限る。)についてその売買契約又は役務提供契約の内容を明らかにする書面を購入者又は役務の提供を受ける者に交付しなければならない。
一 営業所等以外の場所において、指定商品若しくは指定権利につき売買契約を締結したとき又は指定役務につき役務提供契約を締結したとき(営業所等において特定顧客以外の顧客から申込みを受け、営業所等以外の場所において売買契約又は役務提供契約を締結したときを除く。)。
二 営業所等以外の場所において指定商品若しくは指定権利又は指定役務につき売買契約又は役務提供契約の申込みを受け、営業所等においてその売買契約又は役務提供契約を締結したとき。
三 営業所等において、特定顧客と指定商品若しくは指定権利につき売買契約を締結したとき又は指定役務につき役務提供契約を締結したとき。
2 販売業者又は役務提供事業者は、前項各号のいずれかに該当する場合において、その売買契約又は役務提供契約を締結した際に、指定商品を引き渡し、若しくは指定権利を移転し、又は指定役務を提供し、かつ、指定商品若しくは指定権利の代金又は指定役務の対価の全部を受領したときは、直ちに、経済産業省令で定めるところにより、前条第一号の事項及び同条第四号の事項のうち売買契約又は役務提供契約の解除に関する事項その他経済産業省令で定める事項を記載した書面を購入者又は役務の提供を受ける者に交付しなければならない。
(禁止行為)
第六条 販売業者又は役務提供事業者は、訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の締結について勧誘をするに際し、又は訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回若しくは解除を妨げるため、次の事項につき、不実のことを告げる行為をしてはならない。
一 商品の種類及びその性能若しくは品質又は権利若しくは役務の種類及びこれらの内容その他これらに類するものとして経済産業省令で定める事項
二 商品若しくは権利の販売価格又は役務の対価
三 商品若しくは権利の代金又は役務の対価の支払の時期及び方法
四 商品の引渡時期若しくは権利の移転時期又は役務の提供時期
五 当該売買契約若しくは当該役務提供契約の申込みの撤回又は当該売買契約若しくは当該役務提供契約の解除に関する事項(第九条第一項から第七項までの規定に関する事項を含む。)
六 顧客が当該売買契約又は当該役務提供契約の締結を必要とする事情に関する事項
七 前各号に掲げるもののほか、当該売買契約又は当該役務提供契約に関する事項であつて、顧客又は購入者若しくは役務の提供を受ける者の判断に影響を及ぼすこととなる重要なもの
2 販売業者又は役務提供事業者は、訪問販売に係る売買契約又は役務提供契約の締結について勧誘をするに際し、前項第一号から第五号までに掲げる事項につき、故意に事実を告げない行為をしてはならない。
3 販売業者又は役務提供事業者は、訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約を締結させ、又は訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回若しくは解除を妨げるため、人を威迫して困惑させてはならない。
4 販売業者又は役務提供事業者は、訪問販売に係る売買契約又は役務提供契約の締結について勧誘をするためのものであることを告げずに営業所等以外の場所において呼び止めて同行させることその他政令で定める方法により誘引した者に対し、公衆の出入りする場所以外の場所において、当該売買契約又は当該役務提供契約の締結について勧誘をしてはならない。
(訪問販売における契約の申込みの撤回等)
第九条 販売業者若しくは役務提供事業者が営業所等以外の場所において指定商品(その販売条件についての交渉が販売業者と購入者との間で相当の期間にわたり行われることが通常の取引の態様である商品として政令で定める指定商品を除く。以下この項において同じ。)若しくは指定権利若しくは指定役務につき売買契約若しくは役務提供契約の申込みを受けた場合若しくは販売業者若しくは役務提供事業者が営業所等において特定顧客から指定商品若しくは指定権利若しくは指定役務につき売買契約若しくは役務提供契約の申込みを受けた場合におけるその申込みをした者又は販売業者若しくは役務提供事業者が営業所等以外の場所において指定商品若しくは指定権利若しくは指定役務につき売買契約若しくは役務提供契約を締結した場合(営業所等において申込みを受け、営業所等以外の場所において売買契約又は役務提供契約を締結した場合を除く。)若しくは販売業者若しくは役務提供事業者が営業所等において特定顧客と指定商品若しくは指定権利若しくは指定役務につき売買契約若しくは役務提供契約を締結した場合におけるその購入者若しくは役務の提供を受ける者(以下この条及び次条において「申込者等」という。)は、次に掲げる場合を除き、書面によりその売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回又はその売買契約若しくは役務提供契約の解除(以下この条において「申込みの撤回等」という。)を行うことができる。
一 申込者等が第五条の書面を受領した日(その日前に第四条の書面を受領した場合にあつては、その書面を受領した日)から起算して八日を経過したとき。ただし、申込者等が、販売業者若しくは役務提供事業者が第六条第一項の規定に違反して申込みの撤回等に関する事項につき不実のことを告げる行為をしたことにより当該告げられた内容が事実であるとの誤認をし、又は販売業者若しくは役務提供事業者が同条第三項の規定に違反して威迫したことにより困惑し、これらによつて当該期間を経過するまでに申込みの撤回等を行わなかつた場合には、当該申込者等が、当該販売業者又は当該役務提供事業者が経済産業省令で定めるところにより当該売買契約又は当該役務提供契約の申込みの撤回等を行うことができる旨を記載して交付した書面を受領した日から起算して八日を経過したとき。
二 申込者等が第四条又は第五条の書面を受領した場合において、指定商品でその使用若しくは一部の消費により価額が著しく減少するおそれがある商品として政令で定めるものを使用し又はその全部若しくは一部を消費したとき(当該販売業者が当該申込者等に当該商品を使用させ、又はその全部若しくは一部を消費させた場合を除く。)。
三 第五条第二項に規定する場合において、当該売買契約に係る指定商品若しくは指定権利の代金又は当該役務提供契約に係る指定役務の対価の総額が政令で定める金額に満たないとき。
2 申込みの撤回等は、当該申込みの撤回等に係る書面を発した時に、その効力を生ずる。
3 申込みの撤回等があつた場合においては、販売業者又は役務提供事業者は、その申込みの撤回等に伴う損害賠償又は違約金の支払を請求することができない。
4 申込みの撤回等があつた場合において、その売買契約に係る商品の引渡し又は権利の移転が既にされているときは、その引取り又は返還に要する費用は、販売業者の負担とする。
5 役務提供事業者又は指定権利の販売業者は、役務提供契約又は指定権利の売買契約につき申込みの撤回等があつた場合には、既に当該役務提供契約に基づき役務が提供され又は当該権利の行使により施設が利用され若しくは役務が提供されたときにおいても、申込者等に対し、当該役務提供契約に係る役務の対価その他の金銭又は当該権利の行使により得られた利益に相当する金銭の支払を請求することができない。
6 役務提供事業者は、役務提供契約につき申込みの撤回等があつた場合において、当該役務提供契約に関連して金銭を受領しているときは、申込者等に対し、速やかに、これを返還しなければならない。
7 役務提供契約又は指定権利の売買契約の申込者等は、その役務提供契約又は売買契約につき申込みの撤回等を行つた場合において、当該役務提供契約又は当該指定権利に係る役務の提供に伴い申込者等の土地又は建物その他の工作物の現状が変更されたときは、当該役務提供事業者又は当該指定権利の販売業者に対し、その原状回復に必要な措置を無償で講ずることを請求することができる。
8 前各項の規定に反する特約で申込者等に不利なものは、無効とする。
(適用除外)
第二十六条 前三節の規定は、次の販売又は役務の提供で訪問販売、通信販売又は電話勧誘販売に該当するものについては、適用しない。
一 売買契約又は役務提供契約で、その申込みをした者が営業のために若しくは営業として締結するもの又は購入者若しくは役務の提供を受ける者が営業のために若しくは営業として締結するものに係る販売又は役務の提供
二 本邦外に在る者に対する商品若しくは権利の販売又は役務の提供
三 国又は地方公共団体が行う販売又は役務の提供
四 次の団体がその直接又は間接の構成員に対して行う販売又は役務の提供(その団体が構成員以外の者にその事業又は施設を利用させることができる場合には、これらの者に対して行う販売又は役務の提供を含む。)
イ 特別の法律に基づいて設立された組合並びにその連合会及び中央会
ロ 国家公務員法 (昭和二十二年法律第百二十号)第百八条の二 又は地方公務員法 (昭和二十五年法律第二百六十一号)第五十二条 の団体
ハ 労働組合
五 事業者がその従業者に対して行う販売又は役務の提供
2 第四条から第十条までの規定は、次の訪問販売については、適用しない。
一 その住居において売買契約若しくは役務提供契約の申込みをし又は売買契約若しくは役務提供契約を締結することを請求した者に対して行う訪問販売
二 販売業者又は役務提供事業者がその営業所等以外の場所において指定商品若しくは指定権利若しくは指定役務につき売買契約若しくは役務提供契約の申込みを受け又は売買契約若しくは役務提供契約を締結することが通例であり、かつ、通常購入者又は役務の提供を受ける者の利益を損なうおそれがないと認められる取引の態様で政令で定めるものに該当する訪問販売
3 第十八条、第十九条及び第二十一条から前条までの規定は、次の電話勧誘販売については、適用しない。
一 売買契約若しくは役務提供契約の申込みをし又は売買契約若しくは役務提供契約を締結するために電話をかけることを請求した者(電話勧誘行為又は政令で定める行為によりこれを請求した者を除く。)に対して行う電話勧誘販売
二 販売業者又は役務提供事業者が電話勧誘行為により指定商品若しくは指定権利若しくは指定役務につき当該売買契約若しくは当該役務提供契約の申込みを郵便等により受け又は当該売買契約若しくは当該役務提供契約を郵便等により締結することが通例であり、かつ、通常購入者又は役務の提供を受ける者の利益を損なうおそれがないと認められる取引の態様で政令で定めるものに該当する電話勧誘販売
4 第十条及び前条の規定は、割賦販売(割賦販売法(昭和三十六年法律第百五十九号)第二条第一項 に規定する割賦販売をいう。以下同じ。)で訪問販売又は電話勧誘販売に該当するものについては、適用しない。
5 第十一条第一項及び第十三条の規定は、割賦販売等(割賦販売、割賦販売法第二条第二項 に規定するローン提携販売又は同条第三項 に規定する割賦購入あつせんに係る販売をいう。次項において同じ。)で通信販売に該当するものについては、適用しない。
6 第二十条の規定は、割賦販売等で電話勧誘販売に該当するものについては、適用しない。
(適用除外される訪問販売の取引の態様)
第八条 法第二十六条第二項第二号 の政令で定める取引の態様は、次のいずれかに該当する取引の態様とする。
一 現に店舗において販売を行つている販売業者(以下「店舗販売業者」という。)又は現に店舗において役務の提供を行つている役務提供事業者(以下「店舗役務提供事業者」という。)が定期的に住居を巡回訪問し、指定商品若しくは指定権利の売買契約の申込み若しくは売買契約の締結の勧誘又は指定役務の役務提供契約の申込み若しくは役務提供契約の締結の勧誘を行わず、単にその申込みを受け、又は請求を受けてこれを締結して行う販売又は役務の提供
二 店舗販売業者又は店舗役務提供事業者が顧客(当該訪問の日前一年間に、当該販売又は役務の提供の事業に関して、取引のあつた者に限る。)に対してその住居を訪問して行う販売又はその住居を訪問して役務提供契約の申込みを受け若しくは役務提供契約を締結して行う役務の提供
三 店舗販売業者以外の販売業者又は店舗役務提供事業者以外の役務提供事業者が継続的取引関係にある顧客(当該訪問の日前一年間に、当該販売又は役務の提供の事業に関して、二以上の訪問につき取引のあつた者に限る。)に対してその住居を訪問して行う販売又はその住居を訪問して役務提供契約の申込みを受け若しくは役務提供契約を締結して行う役務の提供
四 販売業者又は役務提供事業者が他人の事務所その他の事業所(以下単に「事業所」という。)に所属する者に対してその事業所において行う販売又はその事業所において役務提供契約の申込みを受け若しくは役務提供契約を締結して行う役務の提供(その事業所の管理者の書面による承認を受けて行うものに限る。)