新銀座法律事務所 法律相談事例集データベース
No.719、2007/12/4 14:41

【民事・特定商取引に関する法律・特定継続的役務提供契約】

質問:購入チケット数に応じて1枚のチケット単価が定め,授業の対価は契約時のチケット単価をもって一律に定めるという料金規定のあるパソコン教室で,チケット1枚あたり1500円のチケットを300枚購入し1年にわたって受講するつもりでパソコン教室に通っていました。ところが,なかなか上達しないので,チケット200枚分しか受講してませんが解約しようと思っています。つきましては,あらかじめ支払った未使用分100枚分のチケット代の精算を求めたいと思っているのですが,パソコン教室を運営する会社から,受講者が受講開始後に受講契約を解除した場合の受講料の精算は,会社の精算規定にしたがって行われるといわれました。本来なら300000円分(1500×200)しか利用していないのですから15万円の返金となるのに,パソコン教室の精算規定によると,受講済みのチケット200枚分の単価を2000円として計算することから,400000円分(2000円×200)利用したことになって5万円しか返金されません。私の都合による解約とはいえ,このような企業にとって有利な精算規定に従いたくありません。どうすればよいでしょうか。

結論:あなたがパソコン教室と締結した契約は,特定商取引に関する法律にいう特定継続的役務提供契約に該当すると考えられます。そうしますと,本件精算規定は,役務提供事業者が役務受領者に対して特定商取引に関する法律49条2項1号に定める法定限度額を超える額の金銭の支払を求めるものとして無効といえます。したがいまして,あなたは,パソコン教室に対し,貴社の精算規定は無効であるから,解除の際の提供済役務対価相当額は1500円×200と算定され,その結果15万円を返金せよと主張するべきです。

解説:
1. 特定商取引に関する法律及び特定継続的役務提供契約について
@ 貴方は1年間パソコン教室に通う契約をしてチケットを購入し費用を前払いしていますからその様な契約形態を規制している 特定商取引に関する法律及び特定継続的役務提供契約についてご説明します。特定商取引に関する法律は,特定商取引(訪問販売,通信販売及び電話勧誘販売に係る取引,連鎖販売取引,特定継続的役務提供に係る取引並びに業務提供誘引販売取引をいう。以下同じ。)を公正にし,及び購入者等が受けることのある損害の防止を図ることにより,購入者等の利益を保護し,あわせて商品等の流通及び役務の提供を適正かつ円滑にし,もつて国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする法律です(同法1条)。

Aこの法律は,消費者被害の防止を図ることを目的として昭和51年に制定された「訪問販売等に関する法律(訪問販売法)」が平成12年に一部内容が追加(業務提供誘引販売取引が追加になりました。内職がありますなどと宣伝し教材等を売りつけ販売し金品を取得する商法です ),変更になり法律の名称が変更されたものであります。

B そして,本件で問題となる特定継続的役務提供契約とは,役務提供事業者が,特定継続的役務をそれぞれの特定継続的役務ごとに政令で定める期間を超える期間にわたり提供することを約し,相手方がこれに応じて政令で定める金額を超える金銭を支払うことを約する契約のことをいいます。ここでいう政令とは,特定商取引に関する法律施行令を指し,同政令では,電子計算機又はワードプロセッサーの操作に関する知識又は技術の教授に係る契約の場合,期間は2か月,金額は5万円を超える場合が適用要件となっています。そうしますと,相談者の本件契約は,要件を充たしますので特定継続的役務提供契約に該当するといえます。その他,特定継続的役務提供契約に該当するものとして,エステティックサロン,外国語会話教室,学習塾,家庭教師派遣,及び結婚相手紹介サービスがあります。

Cこの法律,特定継続的役務提供契約の制度趣旨ですが,簡単に言うと日常社会生活における一般消費者の保護です。具体的内容は,ほとんどが商取引業者の規制と消費者保護のための解除権,取消権の付与です。私的法律関係においては契約自由の原則が支配しますから公序良俗に反しない限り契約内容も自由ですし,契約した以上履行しなければ違約金を請求され,契約の解除も解除しようとする人が解除理由を具体的に立証しなければなりません。そこで業者は以上の法理論を奇貨として更なる営利を追求するため社会生活上の消費的取引行為について業者の経済力,情報力,組織力,営業活動の宣伝,広告等を利用し事実上消費者に不利益な種々の商取引態様を考え出し一般社会生活における商取引に無防備な消費者利益を侵害する事態が生じました。そこで契約自由の原則の本来の目的である適正な社会経済秩序の確立し,一般消費者保護のため特に規制が必要な典型的な5つの取引形態を「特定取引」として当法律が制定され,特定継続的役務提供契約もその様な取引行為の一形態なのです。この契約の特殊性は,業者の説明に応じ消費者が目的実現を期待して長期多数回まとめて契約したものの,実際に役務を受けてみると事前の説明と異なるというトラブル発生が多いということです。継続的役務提供契約は,その契約の内容について実際に役務を受けてみなければその価値判断ができないという特質ゆえ,トラブルが多発しやすい要因が潜在しているといえるのです。又,業者の説明,宣伝は長期契約であればあるほどあたかも消費者に有利なように出来ており消費者が惑わされる一因ともなっています。以上より,当法律の解釈に当たっては適正,公平,権利濫用防止の原則(憲法12条,民法1条,2条)から商取引に優位性をもつ業者の利益よりも無防備な消費者者保護の視点が特に重視されなければなりません。

2.次に本件契約の解除はできるでしょうか,又損害金算定について特定商取引に関する法律の具体的適用はあるでしょうか。
@ 一度締結した契約は守るべきことが大原則です。ですが,法律により,その大原則の例外がもうけられている場合があります。その例外として一般的に知られているものとして,クーリング・オフ制度が挙げられるでしょう(クーリング・オフについては,当事務所のホームページ事例集NO590号を参考にしてください。)。その他,特定商取引に関する法律では,上記大原則の例外として,同法49条において,特定継続的役務提供契約の解除について定めています。長期間の契約による一般消費者の保護を徹底したものです。よって,本件についても,同条に基づき解除できます。

Aしかし,本件では,あなたが,パソコン教室に対し解除を主張したところ,同社の精算規定に基づき精算すると主張されたとのことです。業者の主張する清算について直接規制する条文は特定商取引法にはありません。ですが,特定商取引に関する法律49条1項は,特定継続的役務提供契約が締結された場合,役務受領者は,将来に向かって当該契約の解除をすることができる旨を定め,同条2項1号は,特定継続的役務提供契約が役務の提供開始後に解除されたときは,役務提供事業者は,役務受領者に対し,損害賠償額の予定又は違約金の定めがあるときにおいても,提供済役務対価相当額と解除によって通常生ずる損害の額として政令で定める額(パソコン教室に係る特定継続的役務の場合,5万円又は解除された契約に係る役務の対価の総額から提供済役務対価相当額を控除した額の100分の20に相当する額のいずれか低い額)を合算した額にこれに対する法定利率による遅延損害金の額を加算した金額(以下,この金額を「法定限度額」という。)を超える額の金銭の支払を請求することができない旨を定めています。そこで,業者の定めた清算条項が本条の趣旨に事実上違反するかどうかが問題となります。

B結論から言えば当該清算条項は49条に違反しているので全て無効です。49条が規定する損害金に関する法定限度額の5万円,又は20%の損害額も請求できません。理由を説明します。上記各規定の趣旨は,特定継続的役務提供契約は,契約期間が長期にわたることが少なくない上,契約に基づいて提供される役務の内容が客観的明確性を有するものではなく,役務の受領による効果も確実とはいえないことなどにかんがみ,役務受領者が不測の不利益を被ることがないように,役務受領者は,自由に契約を将来に向かって解除することができることとし,この自由な解除権の行使を保障するために,契約が解除された場合,役務提供事業者は役務受領者に対して損害金について法定限度額しか請求できないことにしたものと解されます。そうしますと,本件料金規定は,契約締結時において,将来提供される各役務について一律の対価額を定めているのですから,それとは別に,解除があった場合にのみ適用される高額の対価額を定める本件精算規定は,実質的には,損害賠償額の予定又は違約金の定めとして機能するもので,上記各規定の趣旨に反して受講者による自由な解除権の行使を制約するものといわざるを得ませんので違法な約定ということになります。又,本件パソコン教室の料金規定によれば,受講者が提供を受ける各個別役務の対価額は,その受講者が契約締結の契約時単価をもって一律に定められているとのことですから,本件契約においても,受講料は,本件料金規定に従い,契約時単価は一律に1500円と定められており,提供を受ける各個別役務について,異なった対価額が定められているわけではありません。そうすると,本件使用済ポイントの対価額も,契約時単価によって算定されると解するのが自然というべきです。更に,本条は違法,脱法行為すれ擦れの商取引を考え繰り返す業者の意識改良,根絶をも目的としていますので適正な取引秩序を確立するため警告の意味を含め全て無効と解釈すべきです。以上のように考えますと,本件精算規定は,役務提供事業者が役務受領者に対して法49条2項1号に定める法定限度額を超える額の金銭の支払を求めるものとして全部無効というべきであります。

Cそして,本件精算規定が無効であるならば,本件解除の際の提供済役務対価相当額は,契約時単価によって算定された本件使用済チケットの対価額と認めるのが相当といえます。すなわち,本件については,解除の際の提供済役務対価相当額は,1500円(契約時単価)×200枚(使用済チケット数)=30万円と算定されますから,その結果,返金額は,購入代金45万円(1500円×300枚)から30万円を差し引いた額である15万円となります。

Dなお,最高裁判所平成19年4月3日判決においても,外国語会話教室についてではありますが,本件と類似の事例において,受講契約の解除に伴う受講料の精算について定める約定が特定商取引に関する法律49条2項1号に定める額を超える額の金銭の支払を求めるものとして無効であるとしています。当該法律の制度趣旨から妥当な判決と評価できるでしょう。

≪参考条文≫

●憲法
十二条  この憲法が国民に保障する自由及び権利は,国民の不断の努力によつて,これを保持しなければならない。又,国民は,これを濫用してはならないのであつて,常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。

●民法
(基本原則)
第一条  私権は,公共の福祉に適合しなければならない。
2  権利の行使及び義務の履行は,信義に従い誠実に行わなければならない。
3  権利の濫用は,これを許さない。
(解釈の基準)
第二条  この法律は,個人の尊厳と両性の本質的平等を旨として,解釈しなければならない。

●特定商取引に関する法律
第一章 総則
(目的)
第一条  この法律は,特定商取引(訪問販売,通信販売及び電話勧誘販売に係る取引,連鎖販売取引,特定継続的役務提供に係る取引並びに業務提供誘引販売取引をいう。以下同じ。)を公正にし,及び購入者等が受けることのある損害の防止を図ることにより,購入者等の利益を保護し,あわせて商品等の流通及び役務の提供を適正かつ円滑にし,もつて国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。
第四章 特定継続的役務提供
(定義)
第四十一条  この章において「特定継続的役務提供」とは,次に掲げるものをいう。
一  役務提供事業者が,特定継続的役務をそれぞれの特定継続的役務ごとに政令で定める期間を超える期間にわたり提供することを約し,相手方がこれに応じて政令で定める金額を超える金銭を支払うことを約する契約(以下この章において「特定継続的役務提供契約」という。)を締結して行う特定継続的役務の提供
二  販売業者が,特定継続的役務の提供(前号の政令で定める期間を超える期間にわたり提供するものに限る。)を受ける権利を前号の政令で定める金額を超える金銭を受け取つて販売する契約(以下この章において「特定権利販売契約」という。)を締結して行う特定継続的役務の提供を受ける権利の販売
2  この章及び第六十七条第一項において「特定継続的役務」とは,国民の日常生活に係る取引において有償で継続的に提供される役務であつて,次の各号のいずれにも該当するものとして,政令で定めるものをいう。
一  役務の提供を受ける者の身体の美化又は知識若しくは技能の向上その他のその者の心身又は身上に関する目的を実現させることをもつて誘引が行われるもの
二  役務の性質上,前号に規定する目的が実現するかどうかが確実でないもの
(特定継続的役務提供等契約の解除等)
第四十八条  役務提供事業者又は販売業者が特定継続的役務提供等契約を締結した場合におけるその特定継続的役務提供受領者等は,第四十二条第二項又は第三項の書面を受領した日から起算して八日を経過したとき(特定継続的役務提供受領者等が,役務提供事業者若しくは販売業者が第四十四条第一項の規定に違反してこの項の規定による特定継続的役務提供等契約の解除に関する事項につき不実のことを告げる行為をしたことにより当該告げられた内容が事実であるとの誤認をし,又は役務提供事業者若しくは販売業者が同条第三項の規定に違反して威迫したことにより困惑し,これらによつて当該期間を経過するまでにこの項の規定による特定継続的役務提供等契約の解除を行わなかつた場合には,当該特定継続的役務提供受領者等が,当該役務提供事業者又は当該販売業者が経済産業省令で定めるところによりこの項の規定による当該特定継続的役務提供等契約の解除を行うことができる旨を記載して交付した書面を受領した日から起算して八日を経過したとき)を除き,書面によりその特定継続的役務提供等契約の解除を行うことができる。
2  前項の規定による特定継続的役務提供等契約の解除があつた場合において,役務提供事業者又は販売業者が特定継続的役務の提供に際し特定継続的役務提供受領者等が購入する必要のある商品として政令で定める商品(以下この章及び第六十六条第二項において「関連商品」という。)の販売又はその代理若しくは媒介を行つている場合には,当該商品の販売に係る契約(以下この条及び次条において「関連商品販売契約」という。)についても,前項と同様とする。ただし,特定継続的役務提供受領者等が第四十二条第二項又は第三項の書面を受領した場合において,関連商品であつてその使用若しくは一部の消費により価額が著しく減少するおそれがある商品として政令で定めるものを使用し又はその全部若しくは一部を消費したとき(当該役務提供事業者又は当該販売業者が当該特定継続的役務提供受領者等に当該商品を使用させ,又はその全部若しくは一部を消費させた場合を除く。)は,この限りでない。
3  前二項の規定による特定継続的役務提供等契約の解除及び関連商品販売契約の解除は,それぞれ当該解除を行う旨の書面を発した時に,その効力を生ずる。
4  第一項の規定による特定継続的役務提供等契約の解除又は第二項の規定による関連商品販売契約の解除があつた場合においては,役務提供事業者若しくは販売業者又は関連商品の販売を行つた者は,当該解除に伴う損害賠償若しくは違約金の支払を請求することができない。
5  第一項の規定による特定権利販売契約の解除又は第二項の規定による関連商品販売契約の解除があつた場合において,その特定権利販売契約又は関連商品販売契約に係る権利の移転又は関連商品の引渡しが既にされているときは,その返還又は引取りに要する費用は,販売業者又は関連商品の販売を行つた者の負担とする。
6  役務提供事業者又は販売業者は,第一項の規定による特定継続的役務提供等契約の解除があつた場合には,既に当該特定継続的役務提供等契約に基づき特定継続的役務提供が行われたときにおいても,特定継続的役務提供受領者等に対し,当該特定継続的役務提供等契約に係る特定継続的役務の対価その他の金銭の支払を請求することができない。
7  役務提供事業者は,第一項の規定による特定継続的役務提供契約の解除があつた場合において,当該特定継続的役務提供契約に関連して金銭を受領しているときは,特定継続的役務の提供を受ける者に対し,速やかに,これを返還しなければならない。
8  前各項の規定に反する特約で特定継続的役務提供受領者等に不利なものは,無効とする。
第四十九条  役務提供事業者が特定継続的役務提供契約を締結した場合におけるその特定継続的役務の提供を受ける者は,第四十二条第二項の書面を受領した日から起算して八日を経過した後(その特定継続的役務の提供を受ける者が,役務提供事業者が第四十四条第一項の規定に違反して前条第一項の規定による特定継続的役務提供契約の解除に関する事項につき不実のことを告げる行為をしたことにより当該告げられた内容が事実であるとの誤認をし,又は役務提供事業者が第四十四条第三項の規定に違反して威迫したことにより困惑し,これらによつて当該期間を経過するまでに前条第一項の規定による特定継続的役務提供契約の解除を行わなかつた場合には,当該特定継続的役務の提供を受ける者が,当該役務提供事業者が同項の経済産業省令で定めるところにより同項の規定による当該特定継続的役務提供契約の解除を行うことができる旨を記載して交付した書面を受領した日から起算して八日を経過した後)においては,将来に向かつてその特定継続的役務提供契約の解除を行うことができる。
2  役務提供事業者は,前項の規定により特定継続的役務提供契約が解除されたときは,損害賠償額の予定又は違約金の定めがあるときにおいても,次の各号に掲げる場合に応じ当該各号に定める額にこれに対する法定利率による遅延損害金の額を加算した金額を超える額の金銭の支払を特定継続的役務の提供を受ける者に対して請求することができない。
一  当該特定継続的役務提供契約の解除が特定継続的役務の提供開始後である場合 次の額を合算した額
イ 提供された特定継続的役務の対価に相当する額
ロ 当該特定継続的役務提供契約の解除によつて通常生ずる損害の額として第四十一条第二項の政令で定める役務ごとに政令で定める額
二  当該特定継続的役務提供契約の解除が特定継続的役務の提供開始前である場合 契約の締結及び履行のために通常要する費用の額として第四十一条第二項の政令で定める役務ごとに政令で定める額
3  販売業者が特定権利販売契約を締結した場合におけるその特定継続的役務の提供を受ける権利の購入者は,第四十二条第三項の書面を受領した日から起算して八日を経過した後(その特定継続的役務の提供を受ける権利の購入者が,販売業者が第四十四条第一項の規定に違反して前条第一項の規定による特定権利販売契約の解除に関する事項につき不実のことを告げる行為をしたことにより当該告げられた内容が事実であるとの誤認をし,又は販売業者が第四十四条第三項の規定に違反して威迫したことにより困惑し,これらによつて当該期間を経過するまでに前条第一項の規定による特定権利販売契約の解除を行わなかつた場合には,当該特定継続的役務の提供を受ける権利の購入者が,当該販売業者が同項の経済産業省令で定めるところにより同項の規定による当該特定権利販売契約の解除を行うことができる旨を記載して交付した書面を受領した日から起算して八日を経過した後)においては,その特定権利販売契約の解除を行うことができる。
4  販売業者は,前項の規定により特定権利販売契約が解除されたときは,損害賠償額の予定又は違約金の定めがあるときにおいても,次の各号に掲げる場合に応じ当該各号に定める額にこれに対する法定利率による遅延損害金の額を加算した金額を超える額の金銭の支払を特定継続的役務の提供を受ける権利の購入者に対して請求することができない。
一  当該権利が返還された場合 当該権利の行使により通常得られる利益に相当する額(当該権利の販売価格に相当する額から当該権利の返還されたときにおける価額を控除した額が当該権利の行使により通常得られる利益に相当する額を超えるときは,その額)
二  当該権利が返還されない場合 当該権利の販売価格に相当する額
三  当該契約の解除が当該権利の移転前である場合 契約の締結及び履行のために通常要する費用の額
5  第一項又は第三項の規定により特定継続的役務提供等契約が解除された場合であつて,役務提供事業者又は販売業者が特定継続的役務提供受領者等に対し,関連商品の販売又はその代理若しくは媒介を行つている場合には,特定継続的役務提供受領者等は当該関連商品販売契約の解除を行うことができる。
6  関連商品の販売を行つた者は,前項の規定により関連商品販売契約が解除されたときは,損害賠償額の予定又は違約金の定めがあるときにおいても,次の各号に掲げる場合に応じ当該各号に定める額にこれに対する法定利率による遅延損害金の額を加算した金額を超える額の金銭の支払を特定継続的役務提供受領者等に対して請求することができない。
一  当該関連商品が返還された場合 当該関連商品の通常の使用料に相当する額(当該関連商品の販売価格に相当する額から当該関連商品の返還されたときにおける価額を控除した額が通常の使用料に相当する額を超えるときは,その額)
二  当該関連商品が返還されない場合 当該関連商品の販売価格に相当する額
三  当該契約の解除が当該関連商品の引渡し前である場合 契約の締結及び履行のために通常要する費用の額
7  前各項の規定に反する特約で特定継続的役務提供受領者等に不利なものは,無効とする。

●特定商取引に関する法律施行令
(特定継続的役務提供の期間及び金額)
第十一条  法第四十一条第一項第一号 の政令で定める期間は,別表第五の第一欄に掲げる特定継続的役務ごとに同表の第二欄に掲げる期間とする。
2  法第四十一条第一項第一号 の政令で定める金額は,五万円とする。
(特定継続的役務)
第十二条  法第四十一条第二項 の特定継続的役務は,別表第五の第一欄に掲げる役務とする。


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