新銀座法律事務所 法律相談事例集データベース 質問:私は,先日,インターネット接続機器等の販売・製造およびリース等を目的とする株式会社Yとの間で,インターネット接続機器の販売やインターネットショッピングサービス等の提供のあっせんを目的とする連鎖販売契約である代理店登録契約(以下「本件契約」)を締結したのですが,その後,知人に相談した結果,本件契約を解除するため,クーリング・オフする旨の内容証明を業者宛に送りました。ところが,業者側は,クーリング・オフの期間が既に経過しているとして解除を認めません。これまでの事実経過は,以下のとおりですが,クーリング・オフはできないのでしょうか。 2.まず,業者が,あなたに代理店登録証を送付した日に代理店契約が成立します(民法526条1項。隔地者間の契約の成立時期は承諾の通知を出したときです。)。そして,業者は代理店契約の締結後遅滞なく,契約内容について明らかにした書面(契約書面)を交付する義務を負っています(特定商取引に関する法律37条2項)。そしてクーリング・オフの期間はこの書面を受領した日から起算して20日間を経過しない間(同法40条)ですから,契約締結後に法定の書面を受領していない場合はいつでもクーリング・オフが認められることになります。業者の主張は契約締結時に法定の契約書面を渡しているので契約締結時からクーリング・オフの期間は計算されると主張するようですが,クーリング・オフの期間が制限されるのは,あくまで契約締結後に法定の書面を渡した場合に限られ,業者の主張は認められません。同様の判例もあります。 3.尚,事務所事例集bV67,bV51,bV19,bT90,bR50,bR27,bR02,bQ62,bQ28,bQ27,bP49,bP40,bP20も参考にしてください。 解説: (1)書面の交付義務。 @ 契約の締結前 当該連鎖販売業の概要を記載した書面(概要書面) A 契約の締結後 遅滞なく,契約内容について明らかにした書面(契約書面) (2)契約の解除(クーリング・オフ制度) 2.(問題の所在) 3.(結論からいうと) 4.(判例) 5.(結論,本件の検討) (参照条文) 民法 特定商取引に関する法律
No.885、2009/6/5 14:11 https://www.shinginza.com/cooling.htm
【特定商取引,連鎖販売取引,郵送で申し込みした場合の連鎖販売取引につき,「契約書面」の不交付によりクーリング・オフが認められた事例】
<事実経過>昨年4月21日,「○○代理店入会のご案内」と題する冊子と「○○代理店契約内容」と題する冊子を受け取り,本件冊子につづられている代理店契約の申込書の必要事項を記入した。翌22日,業者にインターネット接続機器の代金52万2900円を銀行振り込みしたうえ,その振込用紙の控えの写しとクーリング・オフについての説明を受けたことなどを証するチェックシート等を添えて,申込書をYに郵送した。 業者は,上記申込書を受領したうえ,同月25日付の代理店登録証を送付し,私はそれを同月26日に受領した。本件冊子には,本件契約の内容が記載されており,その表紙には,「本書面は『特定商取引に関する法律』第三章第三十七条第二項に定められた契約書面です。」と記載されている。 私は,業者に対し,今年の2月27日付内容証明郵便をもって,本件契約を解除(クーリング・オフ)するとの意思表示を行った。
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回答:
1.クーリング・オフはできます。
1.(連鎖販売取引に対する法規制の内容。本件に関するものについて)
定義と制度趣旨。連鎖販売取引とは一定の利益が得られるとしてある商品の再販売を行うものを勧誘し,その者と行う当該商品の取引を言います(連鎖販売業の法的定義は33条にあります。)。実質的にネズミ講の変形であり,マルチ商法を意味します。単に金銭のみの授受によるものは無限連鎖講の防止に関する法律(昭和53年制定。天下一家の会事件。)に反し禁止,処罰されています。無限連鎖講は勧誘が無限であるかのようになっているが実質的に破綻,被害者発生は防止できないので詐欺的行為として法的に認められません。しかし利にさとい業者がこれに商品を組み合わせてネズミ講の脱法行為を行う可能性があり,これを防止しようとする趣旨で消費者保護のために作られた法律上の概念(特定商取引)です。業者と比較し商取引に無知で,情報力がない消費者保護の趣旨から信義則,公正,公平の理念(民法1条。法の理想)に基づき民法上の一般原則を修正し厳格な要件,解除事由が定められています。例えば,食器等家庭用品の販売で利用されます。従って,要件の解釈は消費者保護の観点から行うことが必要になります。
特定商取引法第37条は,連鎖販売業を行う者は,連鎖販売取引について契約する場合には,それぞれ以下の書面を消費者に渡さなければならない旨定めています。簡単に言うと業者は,契約締結前と締結後,必ず2回書面を交付する必要があります。
概要書面には,以下の事項を記載することとなっています。
1) 統括者の氏名(名称),住所,電話番号,法人にあっては代表者の氏名
2) 連鎖販売業を行う者が統括者でない場合には,当該連鎖販売業を行う者の氏名(名称),住所,電話番号,法人にあっては代表者の氏名
3)商品の種類,性能,品質に関する重要な事項(権利,役務の種類およびこれらの内容に関する重要な事項)
4)商品名
5)商品の販売価格,引渡時期および方法その他の販売条件に関する重要な事項(権利の販売条件,役務の提供条件に関する重要な事項)
6)特定利益に関する事項
7)特定負担の内容
8)契約の解除の条件その他の契約に関する重要な事項
9)割賦販売法に基づく抗弁権の接続に関する事項
10) 法第34条に規定する禁止行為に関する事項
契約書面には,以下の事項を記載することとなっています。
1)商品の種類,性能,品質に関する重要な事項(権利,役務の種類およびこれらの内容に関する重要な事項)
2)商品の再販売,受託販売,販売のあっせん(同種役務の提供,役務の提供のあっせん)についての条件に関する事項
3)特定負担に関する事項
4)連鎖販売契約の解除に関する事項
5)統括者の氏名(名称),住所,電話番号,法人にあっては代表者の氏名
6)連鎖販売業を行う者が統括者でない場合には,当該連鎖販売業を行う者の氏名(名称),住所,電話番号,法人にあっては代表者の氏名
7)契約年月日
8)商標,商号その他特定の表示に関する事項
9)特定利益に関する事項
10) 特定負担以外の義務についての定めがあるときは,その内容
11) 割賦販売法に基づく抗弁権の接続に関する事項
12) 法第34条に規定する禁止行為に関する事項
特定商取引法第40条は,連鎖販売取引に際し,消費者が契約をした場合でも,上記(1)の書面(2回に分けた書面全部)を受け取った日(商品の引渡しの方が後である場合は,その日。)から数えて20日間以内であれば,消費者は連鎖販売業を行う者に対して,書面により契約の解除(クーリング・オフ)をすることができる旨,定めています。
本件においては,「代理店登録証」の表紙に「本書面は『特定商取引に関する法律』第三章第三十七条第二項に定められた契約書面です。」との記載がある冊子を郵送した後,約14か月が経過した段階で,クーリング・オフの通知を行っているため,契約書面の適正な交付はあったか,クーリング・オフ期間が経過していなかったかという点が争点となります。具体的には,勧誘者が,勧誘の際に消費者に「入会のご案内」「代理店契約内容」の2冊の冊子を交付し,消費者は,「代理店契約内容」につづられた申込書に必要事項を記入して切り取って郵送するしくみとなっており,申込書を切り取って郵送した後には,消費者の手元に「契約内容」が残ることになるため,手元に残された冊子が「契約書面」であると考える余地もあり,そうだとすると,契約書面交付から20日経過後のクーリング・オフは認められないことになってしまうのです。なお,一般に,連鎖販売取引では,概要書面の交付のみであったり,記載事項に不備あることが少なくないため,20日を経過していてもクーリング・オフが有効であるケースが少なくありません。
概要書面と契約書面は必ず2回に分けて消費者に交付されなければならず,概要書面をもって契約書面に替えることはできません。37条本条は,情報力がなく商取引に無知な消費者保護のために規定され契約締結を慎重にして公平な取引を行おうとするものであり,書面交付の代替,省略は許されないからです。
本件と同様の事案において,判例(京都地方裁判所平成19年1月26日判決)は,「定商取引に関する法律は,連鎖販売契約の締結までに,連鎖販売業の概要について記載した書面を契約者に交付することを求めており(同法37条1項),さらに,連鎖販売契約を締結した場合には,遅滞なく,連鎖販売契約の内容を明らかにする書面(以下「契約書面」)を契約者に交付することを求めている(同条2項)。そして,連鎖販売契約については,契約書面を受領した日から起算して20日を経過したときを除き,書面により連鎖販売契約の解除(クーリング・オフ)を行うことができると定めている(同法40条1項)。この趣旨は,連鎖販売取引においては,組織,契約内容が複雑なこと,勧誘に当たり巧みな言葉で必ず利益があがると信じこまされてしまうこと等により,商取引に不慣れな個人が契約内容を理解しないまま一時的な興奮に駆られて契約し,後日トラブルを生じたり,思わぬ損失を被る危険性があることから,一定の場合を除き,契約が解除(クーリング・オフ)できるようにしたものである。そして,契約書面の交付を求めた趣旨は,契約内容の明確化による判断の適正を図ることのみではなく,既に契約をした者にその契約についての熟慮を促すこともあるというべきであり,そのうえ,契約書面は,連鎖販売契約を「締結した場合において」「遅滞なく」交付されることが要求されていること(同法37条2項)からすれば,契約締結前に契約内容を明らかにする書面が交付されたとしても,それによりクーリング・オフは制限されないというべきである。・・・遠隔地者間の契約は,原則として,承諾の通知を発したときに成立するところ(民法526条1項),郵送により連鎖販売契約の申し込みがされた場合には,その承諾の意思表示が発せられるまでは契約は成立せず,承諾の意思表示が発せられたときに契約が成立するのであるから,承諾の意思表示が発せられたときかそれ以降に契約書面を契約者に交付しなければならないというべきである。・・・本件においては,被告(=業者)が原告(=消費者)らに代理店登録証を送付したのは,原告1について平成17年4月25日であり,原告2および原告3について同年5月20日と推認されるところ,各送付日に本件代理店契約がそれぞれ成立したというべきである。したがって,被告は,原告らに対して,連鎖販売契約を「締結した場合において」「遅滞なく」,本件冊子を交付したとはいえないから,その交付により,クーリング・オフが制限されるとはいえない。その他,契約書面が交付されたという被告の立証はない。よって,本件契約はクーリング・オフの書面が発送された平成18年2月27日に解除(クーリング・オフ)されたというべきである」と判断しました。
特定商取引に関する法律の制度趣旨は,業者が消費者に対し,契約締結前に概要書面を交付して契約を締結するかどうかを検討するために必要な情報を開示することを義務づけ,契約締結後には遅滞なく契約書面を交付することによって,契約内容を再度吟味して,もう一度契約の締結について検討するチャンスを確保しようとするものです。この趣旨からすれば,勧誘の際に交付された「代理店契約内容」は概要書面に該当するものであり,契約書面には該当するとはいえないというべきであり,上記判決は,極めて妥当だと考えます。いくら,契約内容が詳細に記載されていても渡され時期が契約締結前であれば,法定の契約書面とは言えないことになるのです。あなたの場合も,当然にクーリング・オフが認められるでしょう。
(基本原則)
第1条 私権は,公共の福祉に適合しなければならない。
2 権利の行使及び義務の履行は,信義に従い誠実に行わなければならない。
3 権利の濫用は,これを許さない。
(隔地者間の契約の成立時期)
第526条 隔地者間の契約は,承諾の通知を発した時に成立する。
2 申込者の意思表示又は取引上の慣習により承諾の通知を必要としない場合には,契約は,承諾の意思表示と認めるべき事実があった時に成立する。
第三章 連鎖販売取引
(定義)
第三十三条 この章並びに第六十六条第一項及び第六十七条第一項において「連鎖販売業」とは,物品(施設を利用し又は役務の提供を受ける権利を含む。以下同じ。)の販売(そのあつせんを含む。)又は有償で行う役務の提供(そのあつせんを含む。)の事業であつて,販売の目的物たる物品(以下この章において「商品」という。)の再販売(販売の相手方が商品を買い受けて販売することをいう。以下同じ。),受託販売(販売の委託を受けて商品を販売することをいう。以下同じ。)若しくは販売のあつせんをする者又は同種役務の提供(その役務と同一の種類の役務の提供をすることをいう。以下同じ。)若しくはその役務の提供のあつせんをする者を特定利益(その商品の再販売,受託販売若しくは販売のあつせんをする他の者又は同種役務の提供若しくはその役務の提供のあつせんをする他の者が提供する取引料その他の経済産業省令で定める要件に該当する利益の全部又は一部をいう。以下この章において同じ。)を収受し得ることをもつて誘引し,その者と特定負担(その商品の購入若しくはその役務の対価の支払又は取引料の提供をいう。以下この章において同じ。)を伴うその商品の販売若しくはそのあつせん又は同種役務の提供若しくはその役務の提供のあつせんに係る取引(その取引条件の変更を含む。以下「連鎖販売取引」という。)をするものをいう。
2 この章並びに第六十六条第一項及び第六十七条第一項において「統括者」とは,連鎖販売業に係る商品に自己の商標を付し,若しくは連鎖販売業に係る役務の提供について自己の商号その他特定の表示を使用させ,連鎖販売取引に関する約款を定め,又は連鎖販売業を行う者の経営に関し継続的に指導を行う等一連の連鎖販売業を実質的に統括する者をいう。
3 この章において「取引料」とは,取引料,加盟料,保証金その他いかなる名義をもつてするかを問わず,取引をするに際し,又は取引条件を変更するに際し提供される金品をいう。
(連鎖販売取引における氏名等の明示)
第三十三条の二 統括者,勧誘者(統括者がその統括する一連の連鎖販売業に係る連鎖販売取引について勧誘を行わせる者をいう。以下同じ。)又は一般連鎖販売業者(統括者又は勧誘者以外の者であつて,連鎖販売業を行う者をいう。以下同じ。)は,その統括者の統括する一連の連鎖販売業に係る連鎖販売取引をしようとするときは,その勧誘に先立つて,その相手方に対し,統括者,勧誘者又は一般連鎖販売業者の氏名又は名称(勧誘者又は一般連鎖販売業者にあつては,その連鎖販売業に係る統括者の氏名又は名称を含む。),特定負担を伴う取引についての契約の締結について勧誘をする目的である旨及び当該勧誘に係る商品又は役務の種類を明らかにしなければならない。
(禁止行為)
第三十四条 統括者又は勧誘者は,その統括者の統括する一連の連鎖販売業に係る連鎖販売取引についての契約(その連鎖販売業に係る商品の販売若しくはそのあつせん又は役務の提供若しくはそのあつせんを店舗その他これに類似する設備(以下「店舗等」という。)によらないで行う個人との契約に限る。以下この条において同じ。)の締結について勧誘をするに際し,又はその連鎖販売業に係る連鎖販売取引についての契約の解除を妨げるため,次の事項につき,故意に事実を告げず,又は不実のことを告げる行為をしてはならない。
一 商品(施設を利用し及び役務の提供を受ける権利を除く。)の種類及びその性能若しくは品質又は施設を利用し若しくは役務の提供を受ける権利若しくは役務の種類及びこれらの内容その他これらに類するものとして経済産業省令で定める事項
二 当該連鎖販売取引に伴う特定負担に関する事項
三 当該契約の解除に関する事項(第四十条第一項から第三項まで及び第四十条の二第一項から第五項までの規定に関する事項を含む。)
四 その連鎖販売業に係る特定利益に関する事項
五 前各号に掲げるもののほか,その連鎖販売業に関する事項であつて,連鎖販売取引の相手方の判断に影響を及ぼすこととなる重要なもの
2 一般連鎖販売業者は,その統括者の統括する一連の連鎖販売業に係る連鎖販売取引についての契約の締結について勧誘をするに際し,又はその連鎖販売業に係る連鎖販売取引についての契約の解除を妨げるため,前項各号の事項につき,不実のことを告げる行為をしてはならない。
3 統括者,勧誘者又は一般連鎖販売業者は,その統括者の統括する一連の連鎖販売業に係る連鎖販売取引についての契約を締結させ,又はその連鎖販売業に係る連鎖販売取引についての契約の解除を妨げるため,人を威迫して困惑させてはならない。
4 統括者,勧誘者又は一般連鎖販売業者は,特定負担を伴う取引についての契約の締結について勧誘をするためのものであることを告げずに営業所,代理店その他の経済産業省令で定める場所以外の場所において呼び止めて同行させることその他政令で定める方法により誘引した者に対し,公衆の出入りする場所以外の場所において,当該契約の締結について勧誘をしてはならない。
(合理的な根拠を示す資料の提出)
第三十四条の二 主務大臣は,前条第一項第一号又は第四号に掲げる事項につき不実のことを告げる行為をしたか否かを判断するため必要があると認めるときは,当該統括者,当該勧誘者又は当該一般連鎖販売業者に対し,期間を定めて,当該告げた事項の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができる。この場合において,当該統括者,当該勧誘者又は当該一般連鎖販売業者が当該資料を提出しないときは,第三十八条第一項から第三項まで及び第三十九条第一項の規定の適用については,当該統括者,当該勧誘者又は当該一般連鎖販売業者は,前条第一項第一号又は第四号に掲げる事項につき不実のことを告げる行為をしたものとみなす。
(連鎖販売取引についての広告)
第三十五条 統括者,勧誘者又は一般連鎖販売業者は,その統括者の統括する一連の連鎖販売業に係る連鎖販売取引について広告をするときは,経済産業省令で定めるところにより,当該広告に,その連鎖販売業に関する次の事項を表示しなければならない。
一 商品又は役務の種類
二 当該連鎖販売取引に伴う特定負担に関する事項
三 その連鎖販売業に係る特定利益について広告をするときは,その計算の方法
四 前三号に掲げるもののほか,経済産業省令で定める事項
(誇大広告等の禁止)
第三十六条 統括者,勧誘者又は一般連鎖販売業者は,その統括者の統括する一連の連鎖販売業に係る連鎖販売取引について広告をするときは,その連鎖販売業に係る商品(施設を利用し及び役務の提供を受ける権利を除く。)の性能若しくは品質又は施設を利用し若しくは役務の提供を受ける権利若しくは役務の内容,当該連鎖販売取引に伴う特定負担,当該連鎖販売業に係る特定利益その他の経済産業省令で定める事項について,著しく事実に相違する表示をし,又は実際のものよりも著しく優良であり,若しくは有利であると人を誤認させるような表示をしてはならない。
(合理的な根拠を示す資料の提出)
第三十六条の二 主務大臣は,前条に規定する表示に該当するか否かを判断するため必要があると認めるときは,当該表示をした統括者,勧誘者又は一般連鎖販売業者に対し,期間を定めて,当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができる。この場合において,当該統括者,当該勧誘者又は当該一般連鎖販売業者が当該資料を提出しないときは,第三十八条第一項から第三項まで及び第三十九条第一項の適用については,当該表示は,前条に規定する表示に該当するものとみなす。
(承諾をしていない者に対する電子メール広告の提供の禁止等)
第三十六条の三 統括者,勧誘者又は一般連鎖販売業者は,次に掲げる場合を除き,その統括者の統括する一連の連鎖販売業に係る連鎖販売取引について,その相手方となる者の承諾を得ないで電子メール広告をしてはならない。
一 相手方となる者の請求に基づき,その統括者の統括する一連の連鎖販売業に係る連鎖販売取引に係る電子メール広告(以下この章において「連鎖販売取引電子メール広告」という。)をするとき。
二 前号に掲げるもののほか,通常連鎖販売取引電子メール広告の提供を受ける者の利益を損なうおそれがないと認められる場合として経済産業省令で定める場合において,連鎖販売取引電子メール広告をするとき。
2 前項に規定する承諾を得,又は同項第一号に規定する請求を受けた統括者,勧誘者又は一般連鎖販売業者は,当該連鎖販売取引電子メール広告の相手方から連鎖販売取引電子メール広告の提供を受けない旨の意思の表示を受けたときは,当該相手方に対し,連鎖販売取引電子メール広告をしてはならない。ただし,当該表示を受けた後に再び連鎖販売取引電子メール広告をすることにつき当該相手方から請求を受け,又は当該相手方の承諾を得た場合には,この限りでない。
3 統括者,勧誘者又は一般連鎖販売業者は,連鎖販売取引電子メール広告をするときは,第一項第二号に掲げる場合を除き,当該連鎖販売取引電子メール広告をすることにつきその相手方の承諾を得,又はその相手方から請求を受けたことの記録として経済産業省令で定めるものを作成し,経済産業省令で定めるところによりこれを保存しなければならない。
4 統括者,勧誘者又は一般連鎖販売業者は,連鎖販売取引電子メール広告をするときは,第一項第二号に掲げる場合を除き,当該連鎖販売取引電子メール広告に,第三十五条各号に掲げる事項のほか,経済産業省令で定めるところにより,その相手方が連鎖販売取引電子メール広告の提供を受けない旨の意思を表示するために必要な事項として経済産業省令で定めるものを表示しなければならない。
5 前二項の規定は,統括者,勧誘者又は一般連鎖販売業者が他の者に次に掲げる業務のすべてにつき一括して委託しているときは,その委託に係る連鎖販売取引電子メール広告については,適用しない。
一 連鎖販売取引電子メール広告をすることにつきその相手方の承諾を得,又はその相手方から請求を受ける業務
二 第三項に規定する記録を作成し,及び保存する業務
三 前項に規定する連鎖販売取引電子メール広告の提供を受けない旨の意思を表示するために必要な事項を表示する業務
第三十六条の四 統括者,勧誘者又は一般連鎖販売業者から前条第五項各号に掲げる業務のすべてにつき一括して委託を受けた者(以下この章並びに第六十六条第四項及び第六項において「連鎖販売取引電子メール広告受託事業者」という。)は,次に掲げる場合を除き,当該業務を委託した統括者,勧誘者又は一般連鎖販売業者(以下この条において「連鎖販売取引電子メール広告委託者」という。)が行うその統括者の統括する一連の連鎖販売業に係る連鎖販売取引について,その相手方となる者の承諾を得ないで連鎖販売取引電子メール広告をしてはならない。
一 相手方となる者の請求に基づき,連鎖販売取引電子メール広告委託者に係る連鎖販売取引電子メール広告をするとき。
二 前号に掲げるもののほか,通常連鎖販売取引電子メール広告委託者に係る連鎖販売取引電子メール広告の提供を受ける者の利益を損なうおそれがないと認められる場合として経済産業省令で定める場合において,連鎖販売取引電子メール広告委託者に係る連鎖販売取引電子メール広告をするとき。
2 前条第二項から第四項までの規定は,連鎖販売取引電子メール広告受託事業者による連鎖販売取引電子メール広告委託者に係る連鎖販売取引電子メール広告について準用する。この場合において,同条第三項及び第四項中「第一項第二号」とあるのは,「次条第一項第二号」と読み替えるものとする。
(連鎖販売取引における書面の交付)
第三十七条 連鎖販売業を行う者(連鎖販売業を行う者以外の者がその連鎖販売業に係る連鎖販売取引に伴う特定負担についての契約を締結する者であるときは,その者)は,連鎖販売取引に伴う特定負担をしようとする者(その連鎖販売業に係る商品の販売若しくはそのあつせん又は役務の提供若しくはそのあつせんを店舗等によらないで行う個人に限る。)とその特定負担についての契約を締結しようとするときは,その契約を締結するまでに,経済産業省令で定めるところにより,その連鎖販売業の概要について記載した書面をその者に交付しなければならない。
2 連鎖販売業を行う者は,その連鎖販売業に係る連鎖販売取引についての契約(以下この章において「連鎖販売契約」という。)を締結した場合において,その連鎖販売契約の相手方がその連鎖販売業に係る商品の販売若しくはそのあつせん又は役務の提供若しくはそのあつせんを店舗等によらないで行う個人であるときは,遅滞なく,経済産業省令で定めるところにより,次の事項についてその連鎖販売契約の内容を明らかにする書面をその者に交付しなければならない。
一 商品(施設を利用し及び役務の提供を受ける権利を除く。)の種類及びその性能若しくは品質又は施設を利用し若しくは役務の提供を受ける権利若しくは役務の種類及びこれらの内容に関する事項
二 商品の再販売,受託販売若しくは販売のあつせん又は同種役務の提供若しくは役務の提供のあつせんについての条件に関する事項
三 当該連鎖販売取引に伴う特定負担に関する事項
四 当該連鎖販売契約の解除に関する事項(第四十条第一項から第三項まで及び第四十条の二第一項から第五項までの規定に関する事項を含む。)
五 前各号に掲げるもののほか,経済産業省令で定める事項
(指示)
第三十八条 主務大臣は,統括者が第三十三条の二,第三十四条第一項,第三項若しくは第四項,第三十五条,第三十六条,第三十六条の三(第五項を除く。)若しくは前条の規定に違反し若しくは次に掲げる行為をした場合又は勧誘者が第三十三条の二,第三十四条第一項,第三項若しくは第四項,第三十五条,第三十六条若しくは第三十六条の三(第五項を除く。)の規定に違反し若しくは第二号から第四号までに掲げる行為をした場合において連鎖販売取引の公正及び連鎖販売取引の相手方の利益が害されるおそれがあると認めるときは,その統括者に対し,必要な措置をとるべきことを指示することができる。
一 その連鎖販売業に係る連鎖販売契約に基づく債務又はその解除によつて生ずる債務の全部又は一部の履行を拒否し,又は不当に遅延させること。
二 その統括者の統括する一連の連鎖販売業に係る連鎖販売取引につき利益を生ずることが確実であると誤解させるべき断定的判断を提供してその連鎖販売業に係る連鎖販売契約(その連鎖販売業に係る商品の販売若しくはそのあつせん又は役務の提供若しくはそのあつせんを店舗等によらないで行う個人との契約に限る。次号において同じ。)の締結について勧誘をすること。
三 その統括者の統括する一連の連鎖販売業に係る連鎖販売契約を締結しない旨の意思を表示している者に対し,当該連鎖販売契約の締結について迷惑を覚えさせるような仕方で勧誘をすること。
四 前三号に掲げるもののほか,その統括者の統括する一連の連鎖販売業に係る連鎖販売契約に関する行為であつて,連鎖販売取引の公正及び連鎖販売取引の相手方の利益を害するおそれがあるものとして経済産業省令で定めるもの。
2 主務大臣は,勧誘者が第三十三条の二,第三十四条第一項,第三項若しくは第四項,第三十五条,第三十六条,第三十六条の三(第五項を除く。)若しくは前条の規定に違反し,又は前項各号に掲げる行為をした場合において連鎖販売取引の公正及び連鎖販売取引の相手方の利益が害されるおそれがあると認めるときは,その勧誘者に対し,必要な措置をとるべきことを指示することができる。
3 主務大臣は,一般連鎖販売業者が第三十三条の二,第三十四条第二項から第四項まで,第三十五条,第三十六条,第三十六条の三(第五項を除く。)若しくは前条の規定に違反し,又は第一項各号に掲げる行為をした場合において連鎖販売取引の公正及び連鎖販売取引の相手方の利益が害されるおそれがあると認めるときは,その一般連鎖販売業者に対し,必要な措置をとるべきことを指示することができる。
4 経済産業大臣は,連鎖販売取引電子メール広告受託事業者が第三十六条の四第一項又は同条第二項において準用する第三十六条の三第二項から第四項までの規定に違反した場合において,連鎖販売取引の公正及び連鎖販売取引の相手方の利益が害されるおそれがあると認めるときは,その連鎖販売取引電子メール広告受託事業者に対し,必要な措置をとるべきことを指示することができる。
(連鎖販売取引の停止等)
第三十九条 主務大臣は,統括者が第三十三条の二,第三十四条第一項,第三項若しくは第四項,第三十五条,第三十六条,第三十六条の三(第五項を除く。)若しくは第三十七条の規定に違反し若しくは前条第一項各号に掲げる行為をした場合若しくは勧誘者が第三十三条の二,第三十四条第一項,第三項若しくは第四項,第三十五条,第三十六条若しくは第三十六条の三(第五項を除く。)の規定に違反し若しくは前条第一項第二号から第四号までに掲げる行為をした場合において連鎖販売取引の公正及び連鎖販売取引の相手方の利益が著しく害されるおそれがあると認めるとき,又は統括者が同項の規定による指示に従わないときは,その統括者に対し,一年以内の期間を限り,当該連鎖販売業に係る連鎖販売取引について勧誘を行い若しくは勧誘者に行わせることを停止し,又はその行う連鎖販売取引の全部若しくは一部を停止すべきことを命ずることができる。
2 主務大臣は,勧誘者が第三十三条の二,第三十四条第一項,第三項若しくは第四項,第三十五条,第三十六条,第三十六条の三(第五項を除く。)若しくは第三十七条の規定に違反し若しくは前条第一項各号に掲げる行為をした場合において連鎖販売取引の公正及び連鎖販売取引の相手方の利益が著しく害されるおそれがあると認めるとき,又は勧誘者が同条第二項の規定による指示に従わないときは,その勧誘者に対し,一年以内の期間を限り,当該連鎖販売業に係る連鎖販売取引について勧誘を行うことを停止し,又はその行う連鎖販売取引の全部若しくは一部を停止すべきことを命ずることができる。
3 主務大臣は,一般連鎖販売業者が第三十三条の二,第三十四条第二項から第四項まで,第三十五条,第三十六条,第三十六条の三(第五項を除く。)若しくは第三十七条の規定に違反し若しくは前条第一項各号に掲げる行為をした場合において連鎖販売取引の公正及び連鎖販売取引の相手方の利益が著しく害されるおそれがあると認めるとき,又は一般連鎖販売業者が同条第三項の規定による指示に従わないときは,その一般連鎖販売業者に対し,一年以内の期間を限り,当該連鎖販売業に係る連鎖販売取引について勧誘を行うことを停止し,又はその行う連鎖販売取引の全部若しくは一部を停止すべきことを命ずることができる。
4 経済産業大臣は,連鎖販売取引電子メール広告受託事業者が第三十六条の四第一項若しくは同条第二項において準用する第三十六条の三第二項から第四項までの規定に違反した場合において連鎖販売取引の公正及び連鎖販売取引の相手方の利益が著しく害されるおそれがあると認めるとき,又は連鎖販売取引電子メール広告受託事業者が前条第四項の規定による指示に従わないときは,その連鎖販売取引電子メール広告受託事業者に対し,一年以内の期間を限り,連鎖販売取引電子メール広告に関する業務の全部又は一部を停止すべきことを命ずることができる。
5 主務大臣は,第一項から第三項までの規定による命令をしたときは,その旨を公表しなければならない。
6 経済産業大臣は,第四項の規定による命令をしたときは,その旨を公表しなければならない。
(連鎖販売契約の解除等)
第四十条 連鎖販売業を行う者がその連鎖販売業に係る連鎖販売契約を締結した場合におけるその連鎖販売契約の相手方(その連鎖販売業に係る商品の販売若しくはそのあつせん又は役務の提供若しくはそのあつせんを店舗等によらないで行う個人に限る。以下この章において「連鎖販売加入者」という。)は,第三十七条第二項の書面を受領した日(その連鎖販売契約に係る特定負担が再販売をする商品(施設を利用し及び役務の提供を受ける権利を除く。以下この項において同じ。)の購入についてのものである場合において,その連鎖販売契約に基づき購入したその商品につき最初の引渡しを受けた日がその受領した日後であるときは,その引渡しを受けた日。次条第一項において同じ。)から起算して二十日を経過したとき(連鎖販売加入者が,統括者若しくは勧誘者が第三十四条第一項の規定に違反し若しくは一般連鎖販売業者が同条第二項の規定に違反してこの項の規定による連鎖販売契約の解除に関する事項につき不実のことを告げる行為をしたことにより当該告げられた内容が事実であるとの誤認をし,又は統括者,勧誘者若しくは一般連鎖販売業者が同条第三項の規定に違反して威迫したことにより困惑し,これらによつて当該期間を経過するまでにこの項の規定による連鎖販売契約の解除を行わなかつた場合には,当該連鎖販売加入者が,その連鎖販売業に係る統括者,勧誘者又は一般連鎖販売業者が経済産業省令で定めるところによりこの項の規定による当該連鎖販売契約の解除を行うことができる旨を記載して交付した書面を受領した日から起算して二十日を経過したとき)を除き,書面によりその連鎖販売契約の解除を行うことができる。この場合において,その連鎖販売業を行う者は,その連鎖販売契約の解除に伴う損害賠償又は違約金の支払を請求することができない。
2 前項の連鎖販売契約の解除は,その連鎖販売契約の解除を行う旨の書面を発した時に,その効力を生ずる。
3 第一項の連鎖販売契約の解除があつた場合において,その連鎖販売契約に係る商品の引渡しが既にされているときは,その引取りに要する費用は,その連鎖販売業を行う者の負担とする。
4 前三項の規定に反する特約でその連鎖販売加入者に不利なものは,無効とする。
第四十条の二 連鎖販売加入者は,第三十七条第二項の書面を受領した日から起算して二十日を経過した後(連鎖販売加入者が,統括者若しくは勧誘者が第三十四条第一項の規定に違反し若しくは一般連鎖販売業者が同条第二項の規定に違反して前条第一項の規定による連鎖販売契約の解除に関する事項につき不実のことを告げる行為をしたことにより当該告げられた内容が事実であるとの誤認をし,又は統括者,勧誘者若しくは一般連鎖販売業者が第三十四条第三項の規定に違反して威迫したことにより困惑し,これらによつて当該期間を経過するまでに前条第一項の規定による連鎖販売契約の解除を行わなかつた場合には,当該連鎖販売加入者が,その連鎖販売業に係る統括者,勧誘者又は一般連鎖販売業者が同項の経済産業省令で定めるところにより同項の規定による当該連鎖販売契約の解除を行うことができる旨を記載して交付した書面を受領した日から起算して二十日を経過した後)においては,将来に向かつてその連鎖販売契約の解除を行うことができる。
2 前項の規定により連鎖販売契約が解除された場合において,その解除がされる前に,連鎖販売業を行う者が連鎖販売加入者(当該連鎖販売契約(取引条件の変更に係る連鎖販売契約を除く。)を締結した日から一年を経過していない者に限る。以下この条において同じ。)に対し,既に,連鎖販売業に係る商品の販売(そのあつせんを含む。)を行つているときは,連鎖販売加入者は,次に掲げる場合を除き,当該商品の販売に係る契約(当該連鎖販売契約のうち当該連鎖販売取引に伴う特定負担に係る商品の販売に係る部分を含む。以下この条において「商品販売契約」という。)の解除を行うことができる。
一 当該商品の引渡し(当該商品が施設を利用し又は役務の提供を受ける権利である場合にあつては,その移転。以下この条において同じ。)を受けた日から起算して九十日を経過したとき。
二 当該商品を再販売したとき。
三 当該商品を使用し又はその全部若しくは一部を消費したとき(当該連鎖販売業に係る商品の販売を行つた者が当該連鎖販売加入者に当該商品を使用させ,又はその全部若しくは一部を消費させた場合を除く。)。
四 その他政令で定めるとき。
3 連鎖販売業を行う者は,第一項の規定により連鎖販売契約が解除されたときは,損害賠償額の予定又は違約金の定めがあるときにおいても,契約の締結及び履行のために通常要する費用の額(次の各号のいずれかに該当する場合にあつては,当該額に当該各号に掲げる場合に応じ当該各号に定める額を加算した額)にこれに対する法定利率による遅延損害金の額を加算した金額を超える額の金銭の支払を連鎖販売加入者に対して請求することができない。
一 当該連鎖販売契約の解除が当該連鎖販売取引に伴う特定負担に係る商品の引渡し後である場合 次の額を合算した額
イ 引渡しがされた当該商品(当該連鎖販売契約に基づき販売が行われたものに限り,前項の規定により当該商品に係る商品販売契約が解除されたものを除く。)の販売価格に相当する額
ロ 提供された特定利益その他の金品(前項の規定により解除された商品販売契約に係る商品に係るものに限る。)に相当する額
二 当該連鎖販売契約の解除が当該連鎖販売取引に伴う特定負担に係る役務の提供開始後である場合 提供された当該役務(当該連鎖販売契約に基づき提供されたものに限る。)の対価に相当する額
4 連鎖販売業に係る商品の販売を行つた者は,第二項の規定により商品販売契約が解除されたときは,損害賠償額の予定又は違約金の定めがあるときにおいても,次の各号に掲げる場合に応じ当該各号に定める額にこれに対する法定利率による遅延損害金の額を加算した金額を超える額の金銭の支払を当該連鎖販売加入者に対して請求することができない。
一 当該商品が返還された場合又は当該商品販売契約の解除が当該商品の引渡し前である場合 当該商品の販売価格の十分の一に相当する額
二 当該商品が返還されない場合 当該商品の販売価格に相当する額
5 第二項の規定により商品販売契約が解除されたときは,当該商品に係る一連の連鎖販売業の統括者は,連帯して,その解除によつて生ずる当該商品の販売を行つた者の債務の弁済の責めに任ずる。
6 前各項の規定に反する特約で連鎖販売加入者に不利なものは,無効とする。
7 第三項及び第四項の規定は,連鎖販売業に係る商品又は役務を割賦販売により販売し又は提供するものについては,適用しない。
(連鎖販売契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消し)
第四十条の三 連鎖販売加入者は,統括者若しくは勧誘者がその統括者の統括する一連の連鎖販売業に係る連鎖販売契約の締結について勧誘をするに際し第一号若しくは第二号に掲げる行為をしたことにより当該各号に定める誤認をし,又は一般連鎖販売業者がその連鎖販売業に係る連鎖販売契約の締結について勧誘をするに際し第三号に掲げる行為をしたことにより同号に定める誤認をし,これらによつて当該連鎖販売契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは,これを取り消すことができる。ただし,当該連鎖販売契約の相手方が,当該連鎖販売契約の締結の当時,当該統括者,当該勧誘者又は当該一般連鎖販売業者がこれらの行為をした事実を知らなかつたときは,この限りでない。
一 第三十四条第一項の規定に違反して不実のことを告げる行為 当該告げられた内容が事実であるとの誤認
二 第三十四条第一項の規定に違反して故意に事実を告げない行為 当該事実が存在しないとの誤認
三 第三十四条第二項の規定に違反して不実のことを告げる行為 当該告げられた内容が事実であるとの誤認
2 第九条の二第二項から第四項までの規定は,前項の規定による連鎖販売契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消しについて準用する。