新銀座法律事務所 法律相談事例集データベース
No.935、2009/11/20 14:22

【相続・相続人の確定のための戸籍取り寄せの手続き】 

質問:伯母が亡くなりました。ほとんどの親族はみな亡くなっており、相続人と考えられるのは私一人だけです。伯母は銀行に預金を持っていたので、唯一の相続人だと思われる私は、銀行と手続きしようとしたところ、この度亡くなった方の生まれてから死ぬまでの戸籍と、相続関係が分かる戸籍を集めて下さい、と言われました。戸籍というのは、どのように集めればよいのでしょうか?集める範囲も何度か説明を受けたのですが、難しくて理解できませんでした。教えてもらえないでしょうか?現在分かっている家族関係は下記のとおりです。伯母は、生涯、結婚せず、子どももいませんでした。亡くなっている人たちは、皆、被相続人の伯母よりも先に亡くなっています。母も伯母の姉の夫も、父祖母とは養子縁組はしていません。

家系図
            祖父(死亡)=====祖母(死亡)
                   |
           ________|__________
          |        |          |
    夫=====伯母の姉     ●(伯母、被相続人) 父(伯母の弟)=====母
(養子縁組せず)|(長女、死亡)  (次女、死亡)  (長男、死亡)  |(養子縁組せず)
        |                           |
        ▲(甥、死亡)                     ○(私)
        |
        子

回答:
1.取得が必要なのは、@伯母さんの出生から死亡までの戸籍、A祖父の出生から死亡までの戸籍、B祖母の出生から死亡までの戸籍、C伯母さんのお姉さんの出生から死亡までの戸籍、Dお父さんの出生から死亡までの戸籍、Eあなたの現在の戸籍です。
2.取得したい人の本籍のある市区町村役場の窓口へ直接行くか、郵送で請求します。窓口設置の戸籍の交付申請書のほか、戸籍交付手数料、自身の本人確認書類、相続関係の分かる書類を用意します。郵送請求の場合は、返信用封筒(切手貼付け)も同封します。交付手数料は、戸籍謄本・抄本1通450円、除籍、改製原戸籍謄本・抄本1通750円です。郵送請求の際の交付手数料は、現金か、ゆうちょ銀行・郵便局発行の定額小為替で対応可能ですが、現金は対応していない場合があるので、定額小為替を送付したほうが安全かもしれません。手数料は、窓口でも郵送でも同じ金額です。添付の必要書類については、各役場で若干異なるので、問合せたほうが良いと思われます。

解説:
1.戸籍がどういうものであるかを、説明したいと思います。
戸籍とは、日本国民についての身分関係を公証するもの、とされています。すなわち、日本国民の、出生、婚姻、離婚、死亡など、生まれてから死ぬまでの身分関係のすべてを記録した帳簿のことです。この戸籍は、親子関係などの親族関係を公的に証明することができる唯一のものです。住民票にも親子関係などが記載されたりしていますが、住民票とは、住民の居住関係を公証するもの、とされており、住民票では、親子関係等を証明することはできません。

2(1)この戸籍には、いくつか種類があり、@新戸籍が編製されたとき、A構成員全員が婚姻や死亡等で戸籍から抜けた状態となったとき、B転籍したとき、C戸籍が改製されたとき、新たに作成されます。
 (2)@新戸籍の編製とは、新しく戸籍が作られることで、その多くは婚姻を機に新たに戸籍が作成されます。旧制度では、家単位で戸籍が編製されており、孫や、甥、姪、いとこなどが同じ戸籍に記載されていました。いわゆる「三代戸籍」と呼ばれるものです。おそらく、収集を進めていくと、このような旧制度の戸籍にも出くわすことでしょう。現行制度では、「夫婦と夫婦の間の未婚の子」の単位で戸籍が作成されています(戸籍法6条本文)。したがって、子どもが結婚したり(戸籍法16条1項本文)、結婚していなくても子どもを産んだりすると、父母の戸籍から抜け(戸籍法6条ただし書後段)、新たに戸籍を作成することになります。また、分籍したり(戸籍法21条2項)、離婚したけれども元の父母の戸籍には戻らない(戸籍法19条1項)、という場合も、新たに戸籍が作成されます。A構成員全員が婚姻や死亡等で戸籍から抜けた状態となったとき、B転籍したときには、その元の戸籍は除籍となります(戸籍法12条)。戸籍がなくなるということではなく、「除籍簿」に記録されるということです。C戸籍が改製されたときには、その元の戸籍は改製原戸籍(かいせいげんこせき、または、かいせいはらこせき、と読みます)となります。同様に、「改製原戸籍簿」に記録されるということです。この改製原戸籍とは、戸籍の改製が行われた場合の改製前の戸籍のことをいいます。「原」は、もともとの、という意味です。戸籍の改製というのは、戸籍制度の改正よる新しい様式の戸籍への書き換えのことで、これまで3度行われています。
 (3)現在、明治31年式、大正6年式、昭和23年式、平成6年式の4種類の戸籍が存在します。ただ、それぞれの年に書き換えが行われたということではありません。現に、今でも平成様式に書き換えが行われていない役場も存在します。なお、昭和の様式のものまでは縦書きで、平成の様式になり、横書きへと改められました。具体的に請求することになるのは、戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本というもので、コンピュータ化がなされている自治体では、それぞれ、戸籍全部事項証明書、除籍全部事項証明書、改製原戸籍全部事項証明書と名称を変えています。

3(1)あなたは、本当に、自身一人が相続人であるかどうかを、先に見た戸籍を取得し、証明しなくてはなりません。銀行の方が言うように、相続人の確定は、被相続人の出生から死亡までの戸籍と相続関係の分かる戸籍により行います。
 (2)ここで、ご相談でいただいた親族関係の情報を前提として、相続人が誰となるのかを見てみましょう。被相続人である伯母さんには、夫も子もおらず、ご両親もすでに他界されているので、伯母さんの兄弟姉妹が相続人となります。なお、あまりないことだとは思いますが、仮に、祖父祖母が他界しているが、曽祖父曾祖母がご存命であれば、曽祖父曾祖母が相続人となります(民法887条以下)。しかし、兄弟姉妹も、皆さん亡くなっています。なお、伯母さんのお姉さんの旦那さん及び、あなたのお母さんがご存命ですが、このお二人は相続人とはなりません。あなたから見て、お祖父さん、お祖母さんと養子縁組をしていれば、相続人となっていましたが、養子縁組はしていないとのことですので、相続人とはなりません(民法809条、799条、739条、887条以下参照)。被相続人の兄弟姉妹が亡くなっているこの場合は、兄弟姉妹に子どもがいるとき、すなわち被相続人の甥・姪がいるときは、この方たちが相続人となります(代襲相続、民法889条2項、887条2項)。したがって、被相続人の弟であるお父さんが亡くなっていますが、その子であるあなたが代襲相続をするということです。また、伯母さんのお姉さんにはお孫さんがいますが、このお孫さんは相続人となりません。なぜなら、民法887条3項は、被相続人の子の代襲者についての代襲を定めていますが(再代襲)、889条2項は、887条3項を準用していないので、被相続人の兄弟姉妹については、再代襲までは認められないからです。代襲相続、再代襲相続というのは、相続人となるはずの人が亡くなっているが、その人に子どもがいれば、その相続人となるはずだった人に代わって、その子どもが相続人となるのが代襲相続で、その子どもも亡くなっているが、さらにその子どもはいる場合、この相続人となるはずの人の子どもの子どもが相続人となるのが再代襲相続です。この代襲の代襲は、被相続人の兄弟姉妹が相続人となるケースについては、民法は認めていないということです。法定相続の根拠は、私有財産制から被相続人の推定的意思に求められますが、一般的に付き合いのない兄弟の孫まで自らの財産を残してあげようとする意思が通常ないと考えられるからです。これに対し遺留分は相続人の遺産への期待権を根拠しますので、兄弟姉妹に通常その期待権はないので遺留分はありません(民法1028条)。
 (3)こうして見たところ、現状の情報によれば、仰るとおり、あなたのみが相続人ということになります。しかし、嫌なことをいうようですが、どれだけ他に子どもがいないと信じていても、いざ戸籍を取ってみると、見知らぬ親族がいた、という例は、それほど少なくはないようです。仮に、被相続人の伯母さんに認知した子どもや、養子縁組をした子どもがいたとすれば、その子が相続人となり、あなたは相続人ではないことになります。このようなケースも十分想定されますから、被相続人の子どもを一人も漏らさず調べるため、被相続人の出生から死亡までの戸籍を集める必要があります。また、これまで見てきたように、戸籍はずっと同じものに書き足していっている訳ではなく、新たに作成されていきます。その新たに作成される際に、前の情報がそっくりそのまま書き写される訳ではないので、この意味からも、被相続人の出生から死亡までの戸籍を集める必要があるのです。

4(1)いただいている家族関係の情報を前提にして、取得が必要な戸籍を示したいと思います。@被相続人の死亡時の戸籍により、配偶者がいないことを証明します。A被相続人の出生から死亡までの戸籍で、相続の第一順位である「被相続人の子」がいないことを証明します。もし、見知らぬ「子」がいたという場合は、その子が相続人となります。B被相続人の直系尊属の死亡の記載のある戸籍で、相続第二順位の「直系尊属」がいないことを証明します。これは、被相続人の出生から死亡までの戸籍に含まれていることでしょう。C被相続人の兄弟姉妹の死亡の記載のある戸籍で、相続第三順位の「兄弟姉妹」がいないことを証明します。ここで注意が必要なのは、ここでも見知らぬ「兄弟姉妹」いる可能性です。あなたから見てお祖父さんお祖母さんが例えば再婚であり、前の配偶者との間に子どもがいた場合は、その方も「兄弟姉妹」に含まれます。このいわゆる異父母の兄弟姉妹がいるか否かも確認する必要があります。これは、Aと同じような形で戸籍を取得することになります。お祖父さんお祖母さんともに、出生から死亡までの戸籍を取得することで確認できます。したがって、結局、Bの「直系尊属」死亡の記載のある戸籍はここに含まれることになります。D被相続人の兄弟姉妹の出生から死亡までの戸籍で、「兄弟姉妹」に代襲者がいないことを証明します。現在の情報では、伯母さんのお姉さんには、子ども、あなたから見て甥が一人いるだけですが、見知らぬ子がいるか否かをここでも確認する必要があります。もし、一人でもご存命の方が出てくれば、その人が、伯母さんのお姉さんを代襲相続することになります。また、そのような方がいなくても、お父さんにも見知らぬ子、つまり、あなたに兄弟姉妹がいないことを確認することも必要です。もし、あなたに兄弟姉妹がいたのであれば、あなたとともに、お父さんを代襲相続することになります。E最後に、相続人の現在の戸籍、つまり、あなたの現在の戸籍を取得します。あなたがお父さんの戸籍に記載されている場合は、Dと重複することになります。
 (2)とても大変ではありますが、これらは重複している部分もあります。それらはそのまま利用して、足りない分だけを取得するので構いません。一つ事前に確認が必要なのは、今回のケースであれば、銀行へ取得する戸籍の通数を確認しておくことです。手続きが必要な銀行等が一つであれば、戸籍も1通で良いでしょうが、複数となってくると、複数必要となる場合があります。おそらく、手続きには銀行へ出向く必要があり、取得した戸籍を見せるだけ、つまり、返してもらえる場合がほとんどで、それを他の銀行等でも使用することが可能だと思われますが、提出が必要で、取得した戸籍が返って来ない場合もあるので、その点を確認しておき、全部で何セット必要かを確認しておくのが良いでしょう。この際には、取得してから何ヶ月以内のものである必要があるかも念のため確認しておきましょう。

5.戸籍の記載内容についてご説明します。
 (1)前述のとおり、現在、戸籍の様式は4種類あり、それぞれ見方を工夫する必要がありますが、基本的な見方は変わりませんので、一番新しく、おそらく最初に取得することになるであろう、平成様式の戸籍を例に説明したいと思います。
 (2)戸籍は、「本籍」と「氏名」で表示されます。戸籍の見出しのようなものです。「本籍」欄の記載から、その戸籍が、どこの役場で管理されているかが分かります。その市区町村役場へ交付請求することになります。「氏名」欄には、筆頭者の氏名が記載されます。筆頭者が亡くなっても、筆頭者が変更することはありません。この「氏名」欄は昭和様式に変わる前までは「戸主」と言われていました。当時は戸籍の届出の際、戸主の同意が必要であったりなど、「一家の長」としての意味合いがありましたが、現在の筆頭者の場合には特別な意味はありません。交付請求する際、「本籍」と筆頭者の「氏名」を交付申請書へ記載します。
 (3)「本籍」「氏名」欄の下に、「戸籍事項」が記載されます。「戸籍事項」には、「新戸籍編製」「転籍」「戸籍改製」「戸籍消除」など、その戸籍の変遷が記録されます。「編製日」「転籍日」「改製日」「消除日」など、その原因のあった日付が記載されます。転籍の場合には、「従前戸籍」も記載されます。
 (4)「戸籍事項」欄の下には、その戸籍の構成員ごとに「戸籍に記載されている者」「身分事項」が記載されます。筆頭者から記載されます。「戸籍に記載されている者」には、戸籍構成員の「氏名」「生年月日」、婚姻中であれば「配偶者区分」が記載されます。他にも、「父」「母」(養子縁組をしている人は、「養父」「養母」)、「続柄」が記載されます。「身分事項」には、「出生」「婚姻」「離婚」「養子縁組」「認知」「死亡」などの身分関係の記録が記載されます。入籍・除籍の原因が生じた日付や、「従前戸籍」「入籍戸籍」「新戸籍」欄へ、入籍前・除籍後の本籍と筆頭者が記録されます。

6.戸籍を収集する上でのポイント
 (1)取得した戸籍が「連続している」ことです。相続手続きにおいては、被相続人の出生から死亡までの「連続した」戸籍が必要となります。途中で一つでも抜けた戸籍があると手続きに使えませんので、「連続している」かどうかを絶えず確認します。この確認は、「戸籍事項」欄の戸籍が作られた原因と日付、戸籍が閉じられた原因と日付で行うことができます。
 (2)収集の目標となっている構成員の戸籍が「連続している」ことも必要となります。ご相談のケースでは、伯母さんのお姉さんと、お父さんが結婚していることは明らかですから、必ずあなたから見て、お祖父さんお祖母さんの戸籍の途中から抜けているはずです。重複のない部分は、伯母さんのお姉さん、お父さんを目標にして、戸籍を追いかけます。具体的には、「身分事項」欄の、当該戸籍に入ったの原因・日付、当該戸籍から抜けた原因・日付で確認を行います。見知らぬ相続人がいるか否かの確認も、ここで行います。具体的には、「養子縁組」「認知」などの記載です。ただ、「身分事項」だとか、「婚姻」だとか、タイトルのように記載されているのは平成様式だけです。おそらく、抜けたのが確認できるのは、昭和様式以前のはずです。昭和様式以前の戸籍では、そのようなタイトルのような形での記載はされておらず、文章の形で記載されています。手書きで、解読するのが少し難しいかもしれません。どうしても解読が困難であれば、取り寄せた役場へ直接問い合わせるのが早いでしょう。
 (3)新しいものから順に遡って取得して行って下さい。順番も関係なしに、取得できるものから取得していくと、途中で抜ける戸籍が出て来易くなります。
 (4)関係ない記載は見ないことです。どういうことかというと、(3)とも関連しますが、ご相談のケースでは、例えば、被相続人の伯母さんの戸籍を取得する、と決めたら、まずはその伯母さんだけに集中して収集を行うべきだということです。そうすると、途中で抜けてしまう戸籍が出て来る危険をかなり減らせると思います。収集の仕方を熟知しており、慣れていれば、途中から同時並行で、別の人の収集も進めることも可能ですが、戸籍の収集などそう何度も行うものでもありません。順番にゆっくり集めるのが安全だと思います。ただし、上述もしましたが、何ヶ月以内の戸籍が必要だと言われる場合がありますので、必要期間を言われた場合は、最低でもその期間内に収集を終える必要があります。手続きのことを考えれば、その期間よりも、少し余裕を持たせる必要があるでしょう。

7.戸籍を請求できる人について
 (1)戸籍を請求できる人は、戸籍法により限定されています。原則として、戸籍に記載されている本人または配偶者、父母・祖父母・子・孫などの直系血族の方が、戸籍の証明書の交付請求をできこととされています(戸籍法10条1項)。これら以外の人の場合は、@自己の権利・義務の行使に必要な場合、A国・地方公共団体への提出に必要な場合、Bその他正当な理由のある場合に、各々の理由を明らかにして、請求することができることとされています(戸籍法10条の2・1項)。したがって、請求者が、兄弟姉妹、伯父(叔父)伯母(叔母)、甥姪のように傍系血族の場合は、上記@からBのいずれかを明らかにする必要があります。今回のご相談のケースなど、まさにその場合にあたり、Bに該当することになると思われます。例えば、「伯母○○死亡による預金解約につき△△銀行へ提出の必要があるため」と書くことになるでしょう。
 (2)さらに、請求の対象となっている人との関係が分かる書類も要求されます。ご相談のケースでは、相続関係が分かる書類ということになります。具体的には、被相続人の死亡が分かる戸籍や、直系血族が存在しないことを証明できる戸籍などになると思いますが、詳しくは請求先の役場へ問い合わせて下さい。

8.実際の戸籍の交付請求の仕方についてご説明します。請求先の役場がご自宅などから近い場合は、直接窓口へ足を運ぶという方法もよいでしょうが、かなりの遠方だったり、そのような時間がなかなか取れないという方も少なくないと思います。そのような場合、郵送にて請求することも可能です(戸籍法10条3項)。ここでは、郵送請求の仕方をご説明します。
 (1)必要なものは、@戸籍の交付申請書、A戸籍の交付手数料、B返信用封筒(切手貼付け済み、または同封)C請求者の本人確認書類です。D自分が戸籍記載の直系血族にあたらない人の戸籍を取得する場合は、@からCに加え、その人との関係が分かる書類も必要となります。これは、先ほど7で見たとおりです。

@交付申請書は、ほとんどの役場のホームページでダウンロードが可能だと思います。請求先の役場がダウンロードできるようにしていない場合でも、他の役場のものを参考に、必要事項を別の用紙に記載して請求しても構いません。
A交付手数料は、全国一律に定められています。戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)・戸籍抄本(戸籍個人(一部)事項証明書)は、1通450円、除籍謄本・改製原戸籍謄本は、1通750円の交付手数料が必要となります。支払いは、ゆうちょ銀行・郵便局発行の定額小為替で行うことができます。現金での取り扱いを行っている役場もあるようですが、分からない場合は、定額小為替にて支払っておけば、間違いはないでしょう。定額小為替は、50円、100円、150円、200円、250円、300円、350円、400円、450円、500円、750円、1000円の12種類があります。額面の金額にかかわらず、1枚100円の手数料がかかります。以前は、450円や750円といった額面のものがありませんでしたので、何種類かの額面のものを複数組み合わせることが必要でしたが、450円や750円といった額面の定額小為替の登場により、その点の考慮をする必要はなくなりました。
B請求した戸籍の送付を受ける返信用封筒の同封が必要です。もちろん切手の貼付けが必要です。定形の封筒の場合は、25グラムまで80円、50グラムまで90円、100グラムまで140円、150グラムまで200円となっています。定形外の封筒を同封する場合は、50グラムまで120円、100グラムまで140円、150グラムまで200円です。同封する封筒は、定形のものでも、定形外の大きい封筒でも、どちらでも問題ありません。定形の封筒を同封する場合は、最低料金の80円を貼付け、追加料金分を貼り付けずに同封する形がよいでしょう。請求先の役場にどれくらいの戸籍があるのかは取り寄せてみないと分かりませんので、100グラムか200グラムまでの重量に対応できるようにしておけば、まず問題ないと思います。100グラムまで対応させるのであれば、10円と50円各1枚ずつ、200グラムまでであれば10円と50円を各2枚ずつ同封します。また、早く送って欲しい場合は、その旨のメモを入れたり、速達での返送とするとよいと思います。速達での返送を希望する場合は、最低料金の80円に270円分を加えた、350円分を事前に貼付け、郵便番号欄の上に、赤字で速達と書いておきます。そして、返送先の住所についてですが、どこでもよいという訳ではありません。本人確認書類記載の住所と同じ住所にしか送付を依頼することはできませんので、注意して下さい(戸籍法施行規則11条の2・5号イ本文)。
C請求者の本人確認書類としては、運転免許証やパスポート等身分証明書の写しを同封します(戸籍法10条の3・1項、戸籍法施行規則11条の2・1号)。これらがない場合、健康保険証と年金手帳など他のものを複数組み合わせるなどして本人確認を行い(戸籍法施行規則11条の2・2号)、これも用意できないときは、各市町村長が適当と認める方法によることになります。詳しくは請求先の役場に確認をして下さい。

9.最後に
 (1)前述のとおり、戸籍は新しいものから遡って取得していきます。まずは被相続人の伯母さんの死亡時のものから取得して行きましょう。しかし、伯母さんの本籍も筆頭者も誰も分からない場合は困ります。いただいている情報からすれば、伯母さんは結婚されていなかったとのことですから、おそらく、お祖父さんお祖母さんの戸籍と同じ戸籍に記載があるのではないでしょうか。住民票の除票を取得して本籍を確かめるという方法も考えられます。
 (2)そして、どの役場に、どんな種類の戸籍が、いくつあるかは分かりません。したがって、除籍、改製原戸籍など、請求する戸籍の種類を限定せず、「○○(追っている人物の名前)の記載のあるものを全てお願いします」と書いたメモ紙でよいので、これを入れておくのが非常に効果的です。また、相続関係の証明のため戸籍を収集していることも併せて書いておきましょう。
 (3)現在の戸籍以外は、1通750円ですから、750円の定額小為替を入れます。現在の戸籍のある役場宛ての請求のときは、その金額に450円の小為替を加えておきます。750円×4通分の3000円分の定額小為替があればだいたい足りるのではないでしょうか。もちろん不足する場合もありますが、その場合はその旨の連絡がありますから、指示に従って追加で不足分を送れば問題ありません。それが嫌であれば、もう少し多めに送るなどすれば良いでしょう。ただし、定額小為替の購入には、1枚100円の手数料がかかるのは前述したとおりですが、収集を進めていくと、これが結構な金額となって来たりしますので、余らない様にする工夫は必要だと思います。
 (4)ここまで、戸籍の取得の仕方を述べてきましたが、難しいと感じている方もいるかもしれません。取得する事情によっては、その件も併せて法律事務所へお願いしたほうが良い場合もあると思います。一度、お近くの法律事務所等へご相談なさってみるのも良いでしょう。

<参照条文>

民法
(婚姻の届出)
第七百三十九条 婚姻は、戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)の定めるところにより届け出ることによって、その効力を生ずる。
2 前項の届出は、当事者双方及び成年の証人二人以上が署名した書面で、又はこれらの者から口頭で、しなければならない。
(婚姻の規定の準用)
第七百九十九条 第七百三十八条及び第七百三十九条の規定は、縁組について準用する。(嫡出子の身分の取得)
第八百九条 養子は、縁組の日から、養親の嫡出子の身分を取得する。
(子及びその代襲者等の相続権)
第八百八十七条 被相続人の子は、相続人となる。
2 被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は第八百九十一条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。ただし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない。
3 前項の規定は、代襲者が、相続の開始以前に死亡し、又は第八百九十一条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その代襲相続権を失った場合について準用する。
(直系尊属及び兄弟姉妹の相続権)
第八百八十九条 次に掲げる者は、第八百八十七条の規定により相続人となるべき者がない場合には、次に掲げる順序の順位に従って相続人となる。
 一 被相続人の直系尊属。ただし、親等の異なる者の間では、その近い者を先にする。 二 被相続人の兄弟姉妹
2 第八百八十七条第二項の規定は、前項第二号の場合について準用する。
(配偶者の相続権)
第八百九十条 被相続人の配偶者は、常に相続人となる。この場合において、第八百八十七条又は前条の規定により相続人となるべき者があるときは、その者と同順位とする。
(法定相続分)
第九百条 同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。
 一 子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各二分の一とする。
 二 配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、三分の二とし、直系尊属の相続分は、三分の一とする。
 三 配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、四分の三とし、兄弟姉妹の相続分は、四分の一とする。
 四 子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の二分の一とし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。
(代襲相続人の相続分)
第九百一条 第八百八十七条第二項又は第三項の規定により相続人となる直系卑属の相続分は、その直系尊属が受けるべきであったものと同じとする。ただし、 直系卑属が数人あるときは、その各自の直系尊属が受けるべきであった部分について、前条の規定に従ってその相続分を定める。
2 前項の規定は、第八百八十九条第二項の規定により兄弟姉妹の子が相続人となる場合について準用する。

戸籍法
第六条 戸籍は、市町村の区域内に本籍を定める一の夫婦及びこれと氏を同じくする子ごとに、これを編製する。ただし、日本人でない者(以下「外国人」とい う。)と婚姻をした者又は配偶者がない者について新たに戸籍を編製するときは、その者及びこれと氏を同じくする子ごとに、これを編製する。
第九条 戸籍は、その筆頭に記載した者の氏名及び本籍でこれを表示する。その者が戸籍から除かれた後も、同様である。
第十条 戸籍に記載されている者(その戸籍から除かれた者(その者に係る全部の記載が市町村長の過誤によつてされたものであつて、当該記載が第二十四条第二項の規定によつて訂正された場合におけるその者を除く。)を含む。)又はその配偶者、直系尊属若しくは直系卑属は、その戸籍の謄本若しくは抄本又は戸籍に記載した事項に関する証明書(以下「戸籍謄本等」という。)の交付の請求をすることができる。
2 市町村長は、前項の請求が不当な目的によることが明らかなときは、これを拒むことができる。
3 第一項の請求をしようとする者は、郵便その他の法務省令で定める方法により、戸籍謄本等の送付を求めることができる。
第十条の二 前条第一項に規定する者以外の者は、次の各号に掲げる場合に限り、戸籍謄本等の交付の請求をすることができる。この場合において、当該請求をする者は、それぞれ当該各号に定める事項を明らかにしてこれをしなければならない。
 一 自己の権利を行使し、又は自己の義務を履行するために戸籍の記載事項を確認する必要がある場合 権利又は義務の発生原因及び内容並びに当該権利を行使し、又は当該義務を履行するために戸籍の記載事項の確認を必要とする理由
 二 国又は地方公共団体の機関に提出する必要がある場合 戸籍謄本等を提出すべき国又は地方公共団体の機関及び当該機関への提出を必要とする理由
 三 前二号に掲げる場合のほか、戸籍の記載事項を利用する正当な理由がある場合 戸籍の記載事項の利用の目的及び方法並びにその利用を必要とする事由
2 前項の規定にかかわらず、国又は地方公共団体の機関は、法令の定める事務を遂行するために必要がある場合には、戸籍謄本等の交付の請求をすることがで きる。この場合において、当該請求の任に当たる権限を有する職員は、その官職、当該事務の種類及び根拠となる法令の条項並びに戸籍の記載事項の利用の目的 を明らかにしてこれをしなければならない。
3 第一項の規定にかかわらず、弁護士(弁護士法人を含む。次項において同じ。)、司法書士(司法書士法人を含む。次項において同じ。)、土地家屋調査士 (土地家屋調査士法人を含む。次項において同じ。)、税理士(税理士法人を含む。次項において同じ。)、社会保険労務士(社会保険労務士法人を含む。次項 において同じ。)、弁理士(特許業務法人を含む。次項において同じ。)、海事代理士又は行政書士(行政書士法人を含む。)は、受任している事件又は事務に 関する業務を遂行するために必要がある場合には、戸籍謄本等の交付の請求をすることができる。この場合において、当該請求をする者は、その有する資格、当 該業務の種類、当該事件又は事務の依頼者の氏名又は名称及び当該依頼者についての第一項各号に定める事項を明らかにしてこれをしなければならない。
4 第一項及び前項の規定にかかわらず、弁護士、司法書士、土地家屋調査士、税理士、社会保険労務士又は弁理士は、受任している事件について次に掲げる業 務を遂行するために必要がある場合には、戸籍謄本等の交付の請求をすることができる。この場合において、当該請求をする者は、その有する資格、当該事件の 種類、その業務として代理し又は代理しようとする手続及び戸籍の記載事項の利用の目的を明らかにしてこれをしなければならない。
 一 弁護士にあつては、裁判手続又は裁判外における民事上若しくは行政上の紛争処理の手続についての代理業務(弁護士法人については弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第三十条の六第一項各号に規定する代理業務を除く。)
 二 司法書士にあつては、司法書士法(昭和二十五年法律第百九十七号)第三条第一項第三号及び第六号から第八号までに規定する代理業務(同項第七号及び第八号に規定する相談業務並びに司法書士法人については同項第六号に規定する代理業務を除く。)
 三 土地家屋調査士にあつては、土地家屋調査士法(昭和二十五年法律第二百二十八号)第三条第一項第二号に規定する審査請求の手続についての代理業務並びに同項第四号及び第七号に規定する代理業務
 四 税理士にあつては、税理士法(昭和二十六年法律第二百三十七号)第二条第一項第一号に規定する不服申立て及びこれに関する主張又は陳述についての代理業務
 五 社会保険労務士にあつては、社会保険労務士法(昭和四十三年法律第八十九号)第二条第一項第一号の三に規定する審査請求、異議申立て及び再審査請求 並びにこれらに係る行政機関等の調査又は処分に関し当該行政機関等に対してする主張又は陳述についての代理業務並びに同項第一号の四から第一号の六までに 規定する代理業務(同条第三項第一号に規定する相談業務を除く。)
 六 弁理士にあつては、弁理士法(平成十二年法律第四十九号)第四条第一項に規定する特許庁における手続(不服申立てに限る。)、異議申立て及び裁定に 関する経済産業大臣に対する手続(裁定の取消しに限る。)についての代理業務、同条第二項第一号に規定する税関長又は財務大臣に対する手続(不服申立てに 限る。)についての代理業務、同項第二号に規定する代理業務、同法第六条に規定する訴訟の手続についての代理業務並びに同法第六条の二第一項に規定する特 定侵害訴訟の手続についての代理業務(特許業務法人については同法第六条に規定する訴訟の手続についての代理業務及び同法第六条の二第一項に規定する特定 侵害訴訟の手続についての代理業務を除く。)
5 第一項及び第三項の規定にかかわらず、弁護士は、刑事に関する事件における弁護人としての業務、少年の保護事件若しくは心神喪失等の状態で重大な他害 行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(平成十五年法律第百十号)第三条に規定する処遇事件における付添人としての業務、逃亡犯罪人引渡審査請求事 件における補佐人としての業務、人身保護法(昭和二十三年法律第百九十九号)第十四条第二項の規定により裁判所が選任した代理人としての業務、人事訴訟法 (平成十五年法律第百九号)第十三条第二項及び第三項の規定により裁判長が選任した訴訟代理人としての業務又は民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第三十 五条第一項に規定する特別代理人としての業務を遂行するために必要がある場合には、戸籍謄本等の交付の請求をすることができる。この場合において、当該請 求をする者は、弁護士の資格、これらの業務の別及び戸籍の記載事項の利用の目的を明らかにしてこれをしなければならない。
6 前条第三項の規定は、前各項の請求をしようとする者について準用する。
第十条の三 第十条第一項又は前条第一項から第五項までの請求をする場合において、現に請求の任に当たつている者は、市町村長に対し、運転免許証を提示す る方法その他の法務省令で定める方法により、当該請求の任に当たつている者を特定するために必要な氏名その他の法務省令で定める事項を明らかにしなければならない。
2 前項の場合において、現に請求の任に当たつている者が、当該請求をする者(前条第二項の請求にあつては、当該請求の任に当たる権限を有する職員。以下 この項及び次条において「請求者」という。)の代理人であるときその他請求者と異なる者であるときは、当該請求の任に当たつている者は、市町村長に対し、法務省令で定める方法により、請求者の依頼又は法令の規定により当該請求の任に当たるものであることを明らかにする書面を提供しなければならない。
第十条の四 市町村長は、第十条の二第一項から第五項までの請求がされた場合において、これらの規定により請求者が明らかにしなければならない事項が明らかにされていないと認めるときは、当該請求者に対し、必要な説明を求めることができる。
第十二条 一戸籍内の全員をその戸籍から除いたときは、その戸籍は、これを戸籍簿から除いて別につづり、除籍簿として、これを保存する。
2 第九条、第十一条及び前条の規定は、除籍簿及び除かれた戸籍について準用する。
第十二条の二 第十条から第十条の四までの規定は、除かれた戸籍の謄本若しくは抄本又は除かれた戸籍に記載した事項に関する証明書(以下「除籍謄本等」という。)の交付の請求をする場合に準用する。
第十三条 戸籍には、本籍の外、戸籍内の各人について、左の事項を記載しなければならない。
 一 氏名
 二 出生の年月日
 三 戸籍に入つた原因及び年月日
 四 実父母の氏名及び実父母との続柄
 五 養子であるときは、養親の氏名及び養親との続柄
 六 夫婦については、夫又は妻である旨
 七 他の戸籍から入つた者については、その戸籍の表示
 八 その他法務省令で定める事項
第十四条 氏名を記載するには、左の順序による。
 第一 夫婦が、夫の氏を称するときは夫、妻の氏を称するときは妻
 第二 配偶者
 第三 子
2 子の間では、出生の前後による。
3 戸籍を編製した後にその戸籍に入るべき原因が生じた者については、戸籍の末尾にこれを記載する。
第十六条 婚姻の届出があつたときは、夫婦について新戸籍を編製する。但し、夫婦が、夫の氏を称する場合に夫、妻の氏を称する場合に妻が戸籍の筆頭に記載した者であるときは、この限りでない。
2 前項但書の場合には、夫の氏を称する妻は、夫の戸籍に入り、妻の氏を称する夫は、妻の戸籍に入る。
3 日本人と外国人との婚姻の届出があつたときは、その日本人について新戸籍を編製する。ただし、その者が戸籍の筆頭に記載した者であるときは、この限りでない。
第十七条 戸籍の筆頭に記載した者及びその配偶者以外の者がこれと同一の氏を称する子又は養子を有するに至つたときは、その者について新戸籍を編製する。
第十八条 父母の氏を称する子は、父母の戸籍に入る。
2 前項の場合を除く外、父の氏を称する子は、父の戸籍に入り、母の氏を称する子は、母の戸籍に入る。
3 養子は、養親の戸籍に入る。
第十九条 婚姻又は養子縁組によつて氏を改めた者が、離婚、離縁又は婚姻若しくは縁組の取消によつて、婚姻又は縁組前の氏に復するときは、婚姻又は縁組前の戸籍に入る。但し、その戸籍が既に除かれているとき、又はその者が新戸籍編製の申出をしたときは、新戸籍を編製する。
2 前項の規定は、民法第七百五十一条第一項の規定によつて婚姻前の氏に復する場合及び同法第七百九十一条第四項の規定によつて従前の氏に復する場合にこれを準用する。
3 民法第七百六十七条第二項(同法第七百四十九条及び第七百七十一条において準用する場合を含む。)又は同法第八百十六条第二項(同法第八百八条第二項において準用する場合を含む。)の規定によつて離婚若しくは婚姻の取消し又は離縁若しくは縁組の取消しの際に称していた氏を称 する旨の届出があつた場合において、その届出をした者を筆頭に記載した戸籍が編製されていないとき、又はその者を筆頭に記載した戸籍に在る者が他にあると きは、その届出をした者について新戸籍を編製する。
第二十条 前二条の規定によつて他の戸籍に入るべき者に配偶者があるときは、前二条の規定にかかわらず、その夫婦について新戸籍を編製する。
第二十条の二 第百七条第二項又は第三項の規定によつて氏を変更する旨の届出があつた場合において、その届出をした者の戸籍に在る者が他にあるときは、その届出をした者について新戸籍を編製する。
2 第百七条第四項において準用する同条第一項の規定によつて氏を変更する旨の届出があつたときは、届出事件の本人について新戸籍を編製する。
第二十条の三 第六十八条の二の規定によつて縁組の届出があつたときは、まず養子について新戸籍を編製する。ただし、養子が養親の戸籍に在るときは、この限りではない。
2 第十四条第三項の規定は、前項ただし書の場合に準用する。
第二十条の四 性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律(平成十五年法律第百十一号)第三条第一項の規定による性別の取扱いの変更の審判があつた場合において、当該性別の取扱いの変更の審判を受けた者の戸籍に記載されている者(その戸籍から除かれた者を含む。)が他にあるときは、当該性別の取扱いの変更の審判を受けた者について新戸籍を編製する。
第二十一条 成年に達した者は、分籍をすることができる。但し、戸籍の筆頭に記載した者及びその配偶者は、この限りでない。
2 分籍の届出があつたときは、新戸籍を編製する。
第二十二条 父又は母の戸籍に入る者を除く外、戸籍に記載がない者についてあらたに戸籍の記載をすべきときは、新戸籍を編製する。
第二十三条 第十六条乃至第二十一条の規定によつて、新戸籍を編製され、又は他の戸籍に入る者は、従前の戸薄から除籍される。死亡し、失踪の宣告を受け、又は国籍を失つた者も、同様である。

戸籍法施行規則
第十一条 戸籍法第十条第三項(同法第十条の二第六項、第十二条の二及び第四十八条第三項において準用する場合を含む。)の法務省令で定める方法は、次の各号に掲げる方法とする。
 一 郵便
 二 民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第六項に規定する一般信書便事業者又は同条第九項に規定する特定信書便事業者による同条第二項に規定する信書便
第十一条の二 戸籍法第十条の三第一項の法務省令で定める方法は、次の各号に掲げる方法とする。
 一 戸籍法第十条第一項、第十条の二第一項又は第二項の請求をする場合には、道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第九十二条第一項に規定する運転免許証、出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第二条第五号に規定する旅券、別表第一に掲げる国若しくは地方公共団体の機関が発行した免許証、許可証若しくは資格証明書等、外国人登録法(昭和二十七年法律第百二十五号)第五条に規定する外国人登録証明書、住民基本台帳法(昭和四十二年法律第八十一号)第三十条の四十四第一項に規定する住民基本台帳カードのうち住民基本台帳法施行規則(平成十一年自治省令第三十五号)別記様式第二の様式に掲げるもの又は国若しくは地方公共団体の機関が発行した身分証明書で写真をはり付けたもののうち、いずれか一以上の書類を提示する方法
 二 戸籍法第十条第一項又は第十条の二第一項の請求をする場合において、前号に掲げる書類を提示することができないときは、イに掲げる書類のいずれか一以上の書類及びロに掲げる書類のいずれか一以上の書類を提示する方法(ロに掲げる書類を提示することができない場合にあつては、イに掲げる書類のいずれか二以上の書類を提示する方法)
  イ 国民健康保険、健康保険、船員保険若しくは介護保険の被保険者証、共済組合員証、国民年金手帳、国民年金、厚生年金保険若しくは船員保険に係る年金証書、共済年金若しくは恩給の証書、住民基本台帳法第三十条の四十四第一項 に規定する住民基本台帳カードのうち住民基本台帳法施行規則 別記様式第一の様式に掲げるもの、戸籍謄本等の交付を請求する書面に押印した印鑑に係る印鑑登録証明書又はその他市町村長がこれらに準ずるものとして適当と認める書類
  ロ 学生証、法人が発行した身分証明書(国若しくは地方公共団体の機関が発行したものを除く。)若しくは国若しくは地方公共団体の機関が発行した資格証明書(第一号に掲げる書類を除く。)で、写真をはり付けたもの又はその他市町村長がこれらに準ずるものとして適当と認める書類
 三 戸籍法第十条第一項又は第十条の二第一項の請求をする場合において、前二号の方法によることができないときは、当該請求を受けた市町村長の管理に係る現に請求の任に当たつている者の戸籍の記載事項について当該市町村長の求めに応じて説明する方法その他の市町村長が現に請求の任に当たつている者を特定するために適当と認める方法
 四 戸籍法第十条の二第三項から第五項までの請求をする場合には、第一号に掲げる書類又は弁護士、司法書士、土地家屋調査士、税理士、社会保険労務士、弁理士、海事代理士若しくは行政書士(以下「弁護士等」という。)若しくは弁護士等の事務を補助する者であることを証する書類で写真をはり付けたものを提示し、弁護士等の所属する会が発行した戸籍謄本等の交付を請求する書面(以下「統一請求書」という。)に当該弁護士等の職印が押されたものによつて請求する方法
 五 戸籍法第十条第三項(同法第十条の二第六項において準用する場合を含む。)の規定に基づき戸籍謄本等の送付の請求をする場合には、次に掲げる方法
  イ 戸籍法第十条第一項又は第十条の二第一項の請求をする場合には、第一号若しくは第二号イに掲げる書類のいずれか一以上の写しを送付し、当該書類の写しに記載された現住所を戸籍謄本等を送付すべき場所に指定する方法、戸籍の附票の写し、住民票の写し若しくは外国人登録原票の写しを送付し、これらの写しに記載された現住所を戸籍謄本等を送付すべき場所に指定する方法又は当該請求を受けた市町村長の管理に係る現に請求の任に当たつている者の戸籍の附票、住民票若しくは外国人登録原票に記載された現住所を戸籍謄本等を送付すべき場所に指定する方法。ただし、請求者が法人である場合には、次に掲げる方法によるものとする。
   (1) 法人の代表者又は支配人が現に請求の任に当たつているときは、第一号若しくは第二号イに掲げる書類のいずれか一以上の写しを送付し、法人の代表者若しくは支配人の資格を証する書面に記載された当該法人の本店若しくは支店(現に請求の任に当たつている者が支配人であるときは、支店に限る。)の所在地を戸籍謄本等を送付すべき場所に指定する方法
   (2) 法人の従業員が現に請求の任に当たつているときは、第一号若しくは第二号イに掲げる書類のいずれか一以上の写し及びその所属する法人の営業所若しくは事務所等の所在地を確認することができる書類を送付し、当該所在地を戸籍謄本等を送付すべき場所に指定する方法
  ロ 戸籍法第十条の二第二項の請求をする場合には、当該請求をする国又は地方公共団体の機関の事務所の所在地を戸籍謄本等を送付すべき場所に指定する方法
  ハ 戸籍法第十条の二第三項から第五項までの請求をする場合には、第一号に掲げる書類又は弁護士等であることを証する書類の写し及び統一請求書に弁護士等の職印が押されたものを送付し、当該弁護士等の事務所の所在地を戸籍謄本等を送付すべき場所に指定する方法。ただし、弁護士等の所属する会が会員の氏名及び事務所の所在地を容易に確認することができる方法により公表しているときは、第一号に掲げる書類及び弁護士等であることを証する書類の写しの送付は、要しない。
第十一条の三 戸籍法第十条の三第一項の法務省令で定める事項は、氏名及び住所又は生年月日とする。ただし、次の各号の請求をする場合には、それぞれ当該各号に定める事項とする。
 一 戸籍法第十条の二第二項の請求 氏名及び所属機関、住所又は生年月日
 二 戸籍法第十条の二第三項から第五項までの請求 氏名及び住所、生年月日又は請求者の事務所の所在地
第十一条の四 戸籍法第十条の三第二項の法務省令で定める方法は、委任状、法人の代表者又は支配人の資格を証する書面その他の現に請求の任に当たつている者に戸籍謄本等の交付の請求をする権限が付与されていることを証する書面を提供する方法とする。
第十一条の五 戸籍法第十二条の二において除籍謄本等の交付の請求について準用する同法第十条の三第一項に規定する法務省令で定める方法及び事項については第十一条の二及び第十一条の三の規定を、同法第十二条の二において除籍謄本等の交付の請求について準用する同法第十条の三第二項に規定する法務省令で定める方法については第十一条の四の規定をそれぞれ準用する。

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