法の支配と民事訴訟実務入門【各論3、保全処分手続、仮差押、仮処分を自分でやる。】
民事|民事保全法|仮処分|仮差押
目次
質問:
仮差押という手続きについて教えてください。
知人にお金を貸しているのですが、返してくれません。知人は、持ち家ですが自宅を売却して引っ越してしまうという情報がありました。売買代金を持ってどこかへ行ってしまった場合、お金を返してもらえなくなってしまうのでしょうか。離婚するときの財産分与の請求をする場合についても教えて下さい。
回答:
1. 貴方のような場合、法的手続きの一般原則により訴訟を提起し、強制執行をするまで待っていては、権利の実現ができません。このような場合、法の支配の理念である適正な法社会秩序を維持するため緊急特別な処置として債務者の財産を短期間、簡易な手続きにて差し押さえ等強制処分するすることが認められています。これを保全手続きと言い、民事保全法が用意されています。
2. まず民事保全手続きを行い、その後一般原則に従い貸金請求訴訟、強制執行手続きを行ってください。以下簡単にご説明いたします。
3. 仮差押に関する関連事例集参照。
解説:
1 保全処分・・仮差押、仮処分について
貸金返還請求訴訟を提起してから判決が出るまでの間、債務者が財産を処分したり隠してしまう危険がある場合の緊急処置として、民事保全法という法律で保全処分が定められています。
保全処分には、仮差押と仮処分が規定されています。仮差押は、金銭の支払いを目的とする債権(貸金債権や売買代金先権など。なお、保全処分により保護される債権を「被保全債権」といいます。)に基き強制執行ができるように(民事保全法20条)、特定の物や動産(民事保全法21条)を仮に差し押さえる手続きです。仮処分は被保全債権の種類について制限はありませんし、どのような処分を求めることができるのかについても特に制限はありません(民事保全法24条)。法律では「係争物に関する仮処分」(係争物を第三者に譲渡するような権利の行使を禁止したり、係争物の形状を変更するような物理的な行為を禁止する処分が考えられます)、仮の地位を定める仮処分(会社から解雇された場合に解雇無効を主張して従業員たる地位を仮に定めることを求めたり、株主の権利行使する際に株主としての地位を仮に定める処分が考えられます)が特に規定されています。仮にというのは裁判が確定するまで仮の権利を認めるという意味です。
そもそも民事訴訟、強制執行の原則からいえば公の判断である裁判所の判決が確定して(又は第一審の仮執行宣言)初めて請求の相手方の財産を差し押さえ、種々の処分を禁止できるはずです。しかし、我が国の民事裁判では三審制を採用しているので、訴訟終結までかなりの期間が必要であり、相手方が敗訴・強制執行を予想した場合、財産を隠匿・処分する恐れがあります。また、労働者の働く権利など、事案によっては、判決確定まで強制執行できないとすると、請求者の権利救済の実効性が失われてしまう場合もあります。これでは法の支配の理念により自力救済を禁止し司法権を裁判所に独占的に認めた意味は失われ、適正な法秩序は維持できませんし、国民の裁判所に対する信頼も失われてしまいます。保全処分は、その性質上本来の裁判(本案訴訟と言います)が始まってもいないのに短期間(仮差し押さえであれば通常1週間以内)に、それらしい証拠(単なる疎明資料)で相手方の意見も聞かずに(仮の地位を定める仮処分は別です)、強制的に相手方の財産等を処分するものですから、万が一請求権が無いような場合、相手方としての不利益は甚大なものになりかねません。保全命令を出す場合は、債権者に保証金を供託させるなどの措置が必要となってきます。民事保全法は、このような当事者双方の相反する利益を考慮して規定されています。民事保全法の適用、解釈は以上の趣旨から行われています。
2 どのように申し立てるか。
民事保全の申し立ては裁判所に書面ですることが必要です(民事保全法1条、規則1条)。管轄裁判所については民事保全法12条で原則として、本案の管轄裁判所とされています。本案というのは被保全権利についての裁判のことです。本案の管轄は、総論で説明したように紛争を適正、公平、迅速に解決する趣旨から定められていますので、本案の訴訟における権利を前提に、仮に判断する保全手続きも適正、迅速な解決という面から同じ管轄にしています。
申立について必要な書面について不動産仮差押命令の申立書の書式を参考に説明します。
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不動産仮差押命令申立書
平成 年 月 日
00地方裁判所保全係 御中
債権者00 00
当事者の表示 別紙当事者目録記載のとおり
請求債権の表示 別紙請求債権目録記載のとおり
申立の趣旨
債権者の債務者に対する上記請求債権の執行を保全するため、別紙物件目録記載の不動産は、仮に差し押さえる。
との裁判を求める。
申立の理由
第1 被保全権利
1
2
第2 保全の必要性
1 債権者は債務者に対し上記請求訴訟を申立すべく準備中であるが、・・・・。
2
3 従って、現時点で本件不動産に対し仮差押をしておかなければ、後日、本案訴訟に勝訴したとしてもその執行が不能または著しく困難になる虞れがあるので、本申立に及ぶ次第である。
疎明方法
1 甲第1号証 (契約書)
2 甲第2号証 ( )
3 甲第3号証 ( )
4 甲第4号証 (報告書)
添付書類
甲号証写し 各1通
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書式2(離婚事件の財産分与請求権に基く自宅土地建物の仮差押の場合)
第1 被保全権利
1 債権者は専業主婦であり、夫である債務者は会社員である。
2 昭和○年○月○日に結婚、現在結婚20年で、債権者は高校生長男と中学生長女を養育している(甲1、甲3)。
3 債権者と債務者の夫婦は、結婚5年目(昭和○年○月○日)に債務者単独名義で別紙物件目録記載の自宅土地建物(以下本件自宅土地建物)を購入し、15年間夫婦協力しローン返済に努めてきた。ローン残額は本件自宅土地建物の時価相当額を下回っており、本件自宅土地建物には、財産的価値が認められる(甲2)。本件自宅土地建物は、婚姻期間中に形成された夫婦共有財産である。
4 従って、債権者は、債務者に対して、婚姻期間中の養育費及び生活費として、毎月○円の婚姻費用を請求する権利を有している。また、万一離婚する際は、本件自宅土地建物に関して、債権者に債務者に対する財産分与請求権がある。
第2 保全の必要性
1 債務者は数年前からキャバレーの女性○○と交際し飲食代やプレゼント費がかさみ生活費が滞る事態となった。一年前から外泊が増え、半年前からは自宅に帰らず女性の家で居住している(甲4)。そして家計に生活費を入れなくなり、債権者に対して離婚を要求するようになった(甲5)。
2 債権者から債務者に対して、子供の養育進学のため婚姻費用が必要であると連絡しているが、債務者からは、養育費が欲しければ家を立ち退けという回答であった。債権者は養育費が必要なので、立ち退きに応じることを検討しており、現在、立ち退き期限の日程を調整している段階となっている。他方、夫である債務者は空き家となった自宅に入居せず、本件自宅土地建物を売却して女性との交遊費を捻出しようとしている(甲6)。
3 このままでは夫婦共同財産である自宅について申立人の潜在的持ち分が侵害される畏れがある。また、長男及び長女の養育及び進学に必要な婚姻費用も支払われておらず、子供の勉学に具体的な悪影響が生じかねない状態となっている。
4 従って、現時点で本件自宅土地建物に対し仮差押をしておかなければ、後日、本案訴訟に勝訴したとしてもその執行が不能または著しく困難になる虞れがあるので、本申立に及ぶ次第である。
疎明方法
1 甲第1号証 (戸籍謄本)
2 甲第2号証 (住宅ローン明細書)
3 甲第3号証 (家計簿)
4 甲第4号証 (興信所の調査報告書)
5 甲第5号証 (債務者からのメール)
6 甲第6号証 (不動産業者チラシ)
7 甲第7号証 (陳述書)
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①まず、申立書面は本文と目録(当事者目録、請求債権目録、と差し押さえるべき対象を記載した目録で、不動産の場合は不動産目録になります)で構成されます。
当事者目録には、当事者(申立人を債権者、相手方を債務者と言います)の住所、氏名を記載します。請求債権目録には被保全権利を記載します。貸金であれば「債権者が債務者に対し平成00年00月 日(契約成立年月日)に返還することを約束して貸し付けた金000円の返還請求権」と記載します。以上の目録は、保全執行の時も必要になるので複数(各7枚程度。控えも含みます)コピーしてください。
②本文に記載すべきことは大きく分けて、①申し立ての趣旨、②申し立ての理由、の二つです。申し立ての趣旨にはどのような処分を求めるかを記載します(民事保全規則19条)。申し立ての理由には2点あり、1点は被保全権利の成立について、2点目は保全の必要性について(保全しないと強制執行ができない、あるいは著しく困難を生じるおそれがあること、民事保全20条)です。仮の強制処分なのでなるべく具体的に記載します。
③このようにして保全処分申立書を作成しますが、さらに申し立ての理由について記載したことの資料が必要ですので、その資料(疎明資料)のコピーを添付します(民事保全法13条)。貸金請求であれば、借用書(金銭消費貸借契約書)、お金を渡した資料(銀行の送金票)、現金を用意した資料(預金通帳)が一般的でしょう。他に、これらの資料に基づきお金を貸した経緯を裁判所宛の報告書(申立人作成)を作成して資料として提出します。疎明資料、報告書は、後述する保証金の額に影響するので担当裁判官が納得するように準備する必要があります。
④なお、収入印紙(仮差押、仮処分とも2000円)と切手(不動産仮差押の場合基本2390円。債務者、登記所が増すごとに追加があります)が必要です。
3 申立書を出すとどうなるか
①申立書を提出すると、裁判所の担当書記官が、形式的なチェックをし、その後、裁判官が申立人と面会します(急ぐのであればその日のうちに面会できます)。面会の目的は、疎明資料の原本の確認と、担保(保証金)が必要か、その金額をいくらにするかを相談することにあります。担保というのは仮に本案訴訟で被保全権利がないと判断された場合相手方の損害を補償するためのもので(民事保全法4条)、仮差押の場合は必ず請求する金額の10%から20%の金額が担保として必要なります。保証金の額は本案訴訟での勝訴する可能性により判断されます。労働事件で仮の地位を定める仮処分のような場合は労働者の働く権利、生活権が対象であり財産権の処分と異なり相手方債務者に大きな損害が生じる可能性が少ないので保証金が不要とされているようです。この保証金が債務者側(被告)の利益保護の役割を果たしますので重要です。
②裁判所が保全処分命令を出すことを認めてくれれば、その足で担保を立てることもできます。担保については、通常は現金を法務局に供託する方法(以前は預金の利息の関係で銀行等との支払保証委託契約の方法もとられていました。民事保全規則2条)がとられます。空欄の民事保全用供託書が保全裁判所に(法務局にもあります)用意されていますから必要事項を書き込んでください。それから法務局の供託の窓口で申し出て書類を確認して法務局内にある日銀の窓口で現金を納めてから裁判所に引き返して供託書を提出します。法務局が支局、出張所(全国に8法務局と32地方法務局がありその他は支局、主張所になります)であれば原則日銀の窓口がありませんので近くの日銀の窓口がある銀行に行って現金を納め裁判所に提出して終了です。急ぐのであれば現金を用意して供託し裁判所に行けば一日で手続きは完了します。
③法務局は午前8時30分から午後5時15分までですから(銀行は午後3時閉店ですから地方銀行における日銀窓口での支払いは午後3時までにしなければなりませんので注意してください)地方の裁判所に出張して保全手続きを1日で行う場合は時間的余裕を見て事前に連絡し午前中に申立てを行う方がいいと思います。
4 保全命令が出るとどうなるか
法務局で受け取った供託書等を再度裁判所に行って提出すると保全命令がでるので、次に保全の執行に移ります。判決による強制執行と同じように保全命令を出すかどうかの判断とその執行は適正手続きのため理論的には別の機関が行うことを原則にしています。しかも14日以内に執行しないとできなくなります(民事保全43条2項)。2週間も執行を放置することは保全の緊急性があるかどうか疑問ですし、期限を設けないと簡易な手続きで債務者の財産をいつでも処分できることになり債務者の財産権保障の利益を保護できないからです。
どのように執行されるかは保全命令の内容によって異なります。仮差押命令については差し押さえるものによって次のような執行となります。
1 不動産 保全裁判所が仮差押の登記を法務局に嘱託しますので(単なる登記手続であり保全裁判所が執行も行います)執行について貴方が特別することはありません(民事保全法47条)。保全執行としてはここまでで、実際の差押、競売、配当手続は、本裁判の判決を得て別に不動産差押の申し立てをする必要があります。
2 預金、給料、売掛金などの債権 差押債権の債務者を第三債務者といい、それに対して仮差押をしたので支払いを停止するよう保全裁判所が保全命令を執行してくれます(民事保全50条。第三債務者に対する命令正本送達、通知だけなので保全裁判所が執行も行います)。配当を受けるために本案訴訟の確定が必要な点は、不動産の仮差押と同じです。
3 動産 動産の場合は、貴方が原則に従い当該裁判所の執行官に仮差押の執行の申し立てを別個に行い、担当する執行官が債務者の元へ出向き仮差押の手続きをします(民事保全法49条)。有体物への具体的処分は必ず別個に執行の申し立てが必要ですから注意してください。例えば家屋の占有移転禁止の仮処分などです。
5 保全命令の執行完了後の手続きについて
保全命令はあくまで強制執行の効力を保全するための手続きですから、保全処分だけでは解決しません。もちろん相手が保全処分を認めて任意に履行する場合もありますが、そうでない場合は、本案訴訟をして判決を得て、それに基づいて再度強制執行の手続(仮差に対して本差と言います)が必要となります。
なお、担保保証金は簡単には返してくれません。まず、相手方債務者(被告)の利益保護のためにあるので、原則として勝訴判決が確定するまで取り戻すことはできません(和解等より債務者の同意があれば勿論返還されます)。勝訴判決が確定すれば担保取消の申し立てを裁判所にして担保取消決定を得て、それを法務局に持っていって担保を取り戻すことになります(担保取消。民事保全法4条2項、民事訴訟法79条1項)。債務者側の同意、裁判上の和解により担保取戻も(民事保全法4条2項、民事訴訟法79条2項)全て書面審査で行い、提出すべき書類が沢山ありますから必要書類を裁判所、法務局で確認してください。万が一本案訴訟で敗訴するとこの保証金が保全処分により相手方に発生した損害の担保(債務者の優先権)となります(民事保全4条2項、民訴77条)。手続き的には相手方債務者が損害賠償の訴訟を提起して相当因果関係の損害が立証され判決が出た場合には、損害分は戻ってきません。例えば、当該不動産が売買の目的物になっており仮差押えが原因で履行ができずに損害が発生したような場合です。相手方債務者は当該判決と裁判所で供託番号、金額を確認特定して法務局から供託金を受け取ることができます(供託規則24条。供託物取り戻し請求権の差押命令、転付命令でも可能です)。従って、保全処分を安易に行うことはできません。敗訴の場合でも損害が発生しなければ担保取消が可能です(民事保全法4条2項、民事訴訟法79条3項)。
6 担保取り戻しの必要書類が一般の人には分かりにくくややこしいので列挙しておきます(供託規則25条以下)。
①債務者の同意の場合。
担保取消決定申立書正本1通。
債務者の担保取消同意書1通。
債務者の抗告権放棄書1通。担保取り消し決定に対する異議申し立て権を放棄し確定させるため必要です。従って決定が出ていないので日付を記載しない。
債務者の印鑑証明書(債務者の意思確認のためです)1通。相手方に訴訟代理人が代わりに同意すれば委任状は必要であるが弁護士なので印鑑証明不要。
供託原因消滅証明申請書2通(この1通に裁判所が奥書し供託原因消滅証明書となる。印紙必要。150円)。供託の内容を詳細に記載します。これは、供託金取り戻しの手続きで担保取消決定書、同確定証明書の代わりとなります。
担保取消確定申請書(この1通に裁判所が奥書し確定証明書となる。印紙必要)2通。供託原因消滅証明申請書があれば不要。支払委託保証の場合は、契約原因消滅証明申請書となります。
債務者の担保取消決定正本の受書がない場合に納付する切手(80円)。事前に、債務者の受書をもらっておけば不要です。担保取消決定は通知が必要(民訴119条)
担保取消を弁護士に委任する場合は担保取消権限を明記した委任状。最初から弁護士に委任していれば不要です。
以上を裁判所に提出します。
裁判所から受け取った担保取消決定書と担保取消確定証明書(又は供託原因消滅証明書。受領の時受書が必要です。)と持っている供託書正本、供託物払戻請求書(法人の場合のみ印鑑証明付き。個人の場合不要。法務局にあります)を法務局に提出すると供託金が戻ります(供託規則25条)。
弁護士に委任する場合は供託金取戻しの委任状が必要です。(供託物を受け取るので債権者の印鑑証明書が必要。最初から弁護士に委任した場合委任状に弁護士が代理人の確認請求があり、代理権限を法務局で確認してもらっていると最初の委任状が印鑑証明書の代わりとなるので取り戻しの時の別の委任状に印鑑証明書は不要です。これは法人の場合で、個人の場合は平成16年頃に取り扱いが変わり印鑑証明書が不要となり(供託原因消滅証明書があれば担保取消決定書、確定証明書も不要)供託時の委任状(取り戻しの権限記載が必要)で取り戻しができます。供託規則26条)
支払保証委託の場合担保取消決定書は銀行であり不要です。
②裁判上の和解の場合。
担保取消決定申立書正本1通。同意書、抗告権放棄は和解調書に記載されており不要。
添付する和解調書写し1通。
担保取消確定申請書2通(又は供託原因消滅証明書2通)。その他同意の場合と同様です。
③勝訴の場合
担保取消決定申立書(裁判所)。申立書に判決謄本、判決確定証明書を添付します。
供託書正本、担保取消決定書、同確定証明書(又は供託原因消滅証明書)を持参し供託物払戻請求書を法務局に提出すると取り戻しができます。
④敗訴の場合。
担保権催告申立書。裁判所は、申立書により催告書を債務者に送達し2週間以内に権利行使しないと担保取消に同意したものとみなされるので、同意した場合と同じ様に担保取消決定申請書を提出して、担保取消決定書、確定証明書(又は供託原因消滅証明書)を裁判所で取得し、その後は勝訴の場合と同じ書類により法務局で手続きします。
⑤保全執行不能等(他に保全決定送達後2週間以内に執行をしない場合)により債務者に保全による損害の発生がないことが最初から明らかであれば取り戻しが可能です(民事執行規則17条1項)。担保取り戻し許可申立書を裁判所に提出して許可を得て、さらに許可証明申請書申請(2通提出)して1通を証明書として用意し、勝訴の場合と同じ書類で供託金を取り戻せます。
7 保全処分のその他の効果。
勝訴が確実であれば保全処分により早期の和解が可能です。債務者とすれば裁判確定まで法定利息(年5%)を支払い強制執行されるより早期の和解が有利ですし、登記簿謄本上、裁判所により認められた仮差押の公示は精神的にも多少の圧力感があるからです。本訴の手間が省けるので仮差し押さえ終了後、一度相手方、債務者に連絡してみましょう。利息等譲歩すれば意外と話はまとまるかも知れません。
以上