新銀座法律事務所 法律相談事例集データベース 質問:2か月前,14歳の息子が傷害事件を起こし,私(父)と息子が警察に呼び出されました。その時は逮捕されず,家に帰してくれましたが,先日,今度は裁判所に呼び出され,その日のうちに鑑別所に収容されてしまいました。息子は1年前から素行が乱れ,中学校にも行かず,毎日夜遊びをして良くない友達と付き合うようになっていました。私や妻は息子を注意するのですが,全然言うことを聞いてくれない状態でした。警察で生活態度を指導されましたが,守ることができずに2か月経ってしまい,突然の鑑別所行きとなってしまったのです。これからどうなるのですか。私たち親は何をすればいいのですか。 解説: 2.(家庭裁判所への送致前) 3.(家庭裁判所における調査) 4.(少年鑑別所とは何か) 5.(審判手続) 6.(保護処分の種類) 7.(少年事件と弁護士) 《条文参照》 少年法 児童福祉法 少年院法 少年審判規則
No.1039、2010/7/14 14:41
【少年事件・鑑別所送致・保護処分・刑事事件との違い・保護者の責任】
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回答:
1.今後,約3〜4週間の間に,鑑別所での息子さんの様子を観察したり,学校生活の記録を取り寄せたり,ご両親に家庭裁判所の調査官が面接して話を聞くなどして,調査が行われます。この調査によって,息子さんをどのような処分に付するのが適切かを判断するための資料が収集されます。それに基づいて,家庭裁判所で審判が開かれるので,そこにご両親も必ず出席しなければ行けません(憲法、法令上教育監護権を持つ責任者として出席を求められます。少年審判規則25条2項)。審判では裁判官が息子さんに直接話を聞き,親の話も聞いたうえで,処分を決定します。処分の主眼は,息子さんをどうすれば立ち直らせることができるかというところにあります。本件の場合,児童自立支援施設への送致という処分になる可能性があります。一見気の毒なように思えても,それが息子さんの立ち直りに必要なプロセスであると理解し,親として今後の息子さんの努力を支えてあげることこそが重要です。
2.学校に対する連絡ですが、2週間で帰宅を許される場合もありますので安易に知らせるのも問題です。私立中学の場合退学の問題になります。公立校の場合、実務上警察署が、事件発生により連絡しているようですが、本来捜査の必要性もないのに連絡するのは公務員の守秘義務上問題があります。警察署としては、両親が自ら学校に連絡するように要請する場合もありますが安易に応じることは出来ません。刑事事件を起こした少年の性格の矯正、環境の調整は全て家庭裁判所の権限に委託されており(少年法1条)、一般中学にその権限、機関、施設、担当職員、専門家は存在しませんから、通知は結果的に生徒の今後の教育等について偏見を与える可能性もあり(内申書への影響も考えられます)、私立中学で有れば退学等の処分を行うという意味しか考えられません。事例集777番参照。
3.法律相談事例集キーワード検索777番、716番、714番、649番、461番、403番、291番、244番、161番参照。
1.(少年審判手続の概要、刑事事件手続きとの違い)
20歳未満の少年が罪を犯すと,少年事件(少年保護事件)と呼ばれ,成人の刑事事件(刑罰による生命、自由、財産の強制剥奪を目的とする手続き。)とは様々な点で異なった手続の対象となります。刑法41条では14歳未満の者は処罰されないとされていますから、14歳未満の者については刑事事件として扱われることはないのですが、14歳以上20歳未満の者については刑事事件となる場合もありますが、まずは少年事件として、精神的、肉体的に未成熟な少年の保護、そして健全な育成という面から特別の措置を講ずる必要があることから少年法という法律が適用されることになっているのです。
両者の大きな違いを挙げていきますと,まず,@成人の場合,検察官の判断で軽微な事件を裁判所に起訴しないで終了させる起訴猶予が認められますが,少年事件では起訴猶予がなく,必ず裁判所が手続に関与します(全件送致主義、少年法41条本文、同42条本文。)。成人の刑事事件では、少年事件と異なり自由、財産権を強制剥奪するので弊害も大きく起訴裁量主義(刑訴48条)が採用されています。Aその裁判所は成人の場合の地方裁判所や簡易裁判所ではなく,家庭裁判所になります。少年事件は子供の福祉に関係が深いため,家庭に関する事件を扱い,専門的なスタッフも用意されている家庭裁判所に担当させる方が適切だからです。B裁判所では,刑事裁判ではなく,「少年審判」という手続を行います。刑事裁判は誰でも傍聴できるのに対して,少年審判は原則として非公開とされます。刑罰ではないので憲法37条1項公開の原則は採用されません。C少年審判の目的は,少年に刑罰を科すことではなく,「保護処分」を決定することです。「保護処分」は悪いことをした少年に対する制裁ではなく,問題を抱える少年を指導教育し,健全な社会生活を送れるように育成するための処分です。Dそのため,成人の刑事裁判では犯罪事実の内容が重点を占めるのに対して,少年審判では少年の性格・問題点や,家庭環境(憲法上第一義的に少年に対する教育権利を有する両親との関係は特に重要です。),学校環境(解釈上学校は両親の教育権に基づき委託された関係になります。)などの諸事情(「要保護性」といいます。)が,非行事実そのものと同等かそれ以上に重要なものとして調査されます。成人の刑事事件は犯罪者を処罰することが目的ですが、少年事件は、少年の保護育成を目的としていることから以上のような違いを設けているのです。
上記の審判手続は,家庭裁判所が少年事件を受理してから開始します。家庭裁判所への送致前(捜査段階)は,実は少年であっても成人とあまり変わらない取扱いを受け,逮捕・勾留されることもありえます。勾留は,少年の場合,やむを得ない事由がある場合でなければ認められないとされていますが(少年法43条3項,48条1項),認められてしまえば原則として10日ないし20日間の身柄拘束がなされます。例えば、共犯者がいる場合、否認している場合等証拠隠滅の理由による事が多いようです(刑訴60条)。この場合,勾留満期日までに家庭裁判所に事件と身柄が送致されます(同法41条,42条)。勿論、勾留請求の危険が有れば付添人(弁護人)は、直ちに接見し勾留理由を確認し、回避の手続き、説明、協議を少年と行うことになります。例えば、証拠があるのに否認している場合には是正する必要があります。本件では,逮捕・勾留がなされず,在宅のまま捜査を終え,家庭裁判所へ送致されたことになります。
家庭裁判所に送致された少年については,最終的には審判を開いて少年の処分を決めるのですが、その前に審判のための家庭裁判所による調査がなされます(同法8条1項)。この調査は非行事実についての「法的調査」と要保護性に関する「社会調査」に分けられますが,非行事実については警察・検察の捜査によって既に資料が収集されているので,家庭裁判所段階で重点が置かれるのは,後者の社会調査の方です。社会調査は,事件ごとに,担当裁判官が家庭裁判所調査官に命令することで,開始されます。家庭裁判所調査官とは,家庭裁判所に配置される専門的な公務員で,心理学,社会学等の知識を有し,養成訓練を経た,いわば家庭問題調査のプロです(裁判所法61条の2)。この調査官が,少年及び保護者と何度も面接し,学校(必要がある場合に限られるので、安易に学校への連絡は差し引かえるように付添人は要請します。成績表等は付添人が自ら収集して提出することで学校への連絡を回避しなければなりません。)その他の関係者からも事情を聴いて,少年の問題点を把握するための資料収集を行います。家庭裁判所調査官は,調査結果を「少年調査票」にまとめ,処分に関する調査官の意見を添えて裁判官に報告します。調査官の意見は裁判官の判断に影響が大きいため、付添人は調査官との交渉を積極的に行わなければなりません。
本件で息子さんが少年鑑別所に収容されたのは,送致直後,家庭裁判所の判断で「観護措置」が決定されたということを意味します。家庭裁判所は、送致された少年について調査を行わなければならないのですが、調査官に調査を命じるほかに観護措置をとることができます(同法17条)。 「観護措置」とは,少年審判に備えた調査のために,少年を観察し,保護するための措置です。法律上は@家庭裁判所調査官による観護とA少年鑑別所への送致という2種類の観護措置が定められていますが(同法17条1項),実務上はほとんどAのみが行われています。 鑑別所送致の目的には,審判のために少年の身柄を保全することも含みますが,単なる逃亡や罪証隠滅の防止措置ではなく,この点で勾留とは性質が異なります。少年の問題点は,家庭環境や交友関係の中に潜在していることも多いため,通常の生活環境から隔離して少年の性質を観察することが有用な場合があり,このような目的での鑑別所送致が広く行われています。
とはいえ,鑑別所への収容が少年の身体の自由を奪うものであることは事実ですから,安易に運用されることには問題があります。法律上,鑑別所への収容期間は原則2週間とし,特に継続の必要のある場合に2週間の延長ができるがそれも原則として1回のみ,という制限が設けられているほか(同法17条3項,4項),観護措置決定に対する異議申立(同法17条の2)等の事後的な不服申立手段もあります。観護措置決定前に付添人が家庭裁判所に対して意見を述べ,観護措置決定自体を阻止できる場合もあります。学校に事件の通知、連絡を回避する場合は、事前に意見書を家裁に提出し、認められた場合は理由と、証拠を用意し異議の申し出が必要です(少年法17条の2)。又、特別な事情がない限り少年を親の愛情に保護された家庭環境から長期に渡り隔離することは精神的に未成熟な少年をさらに不安定にするからです。付添人は、調査官の面接等に協力する両親の保証書を提出する事が必要です。 観護措置として少年が鑑別所に送致された場合,鑑別所で少年の行動観察と心身の鑑別を行った結果は「鑑別結果通知書」にまとめられて,家庭裁判所調査官の調査結果と一体の記録(社会記録)となります。
観護措置がとられるケースの場合,ほぼ同時に審判開始決定(同法21条)がなされ,審判期日が指定されます。審判期日は,通常,鑑別所送致から3〜4週間後の日に指定されることが多いようです。審判期日には,少年と保護者が必ず呼び出されます(少年審判規則25条2項)。この呼び出しに対して,保護者が応じなくても罰則等はありませんが,少年から見れば,自分の事件を保護者がどう受け止め,どのように関わるかということは非常に重要で,今後の更生意欲にも大きな影響を与えます。少年の問題に一緒に取り組むというつもりで,是非出席してください。そもそも、少年の教育監護権は、言うまでもなく第一義的に両親にありますので(憲法26条、民法820条)少年事件の責任は両親にも有ると言っても過言ではありません。その責任は、審判手続きでも裁判官により必ず究明、明らかにされることになります。なぜなら、少年は元々、精神的、肉体的に未成熟であり、判断能力が成人と異なり不充分なのです。形式的に刑事責任能力があっても、少年の環境を整え、これを保護し健全な成長を見守る法的責任が両親に有り、むしろ罪を犯した少年は第二の被害者ともいえるのです。その社会、国家の財産である少年を正当な理由なく放置した両親の考え方、環境をまず是正し整えなくして少年の将来はあり得ないからです(少年法1条、25条の2)。少年を非行、犯罪の誘惑から守るのは、警察でも、家庭裁判所でもなく少年を生んだ両親ご自身です。
従って、両親お呼び出しは少年事件においては必要不可欠なのですし、両親の出席無くして審判は事実上開始されません。審判では,まず裁判官が送致事実を少年に読み聞かせ,間違いがないかどうか等の意見を聴きます。そのうえで,少年に裁判官が直接質問をし,どうして非行に至ってしまったのか,結果の重大性をどの程度認識しているか,判断過程のどこにどのような問題があったのか,生活改善の意欲があるか等を,掘り下げていきます。また,保護者が出席していれば,保護者にも質問がされます。そして,付添人や調査官の意見も聞いた上で,その日のうちに判断を下すという流れが典型的です。
審判の結果,決定される保護処分には,次の3種類があります。@保護観察(同法24条1項1号) 少年を元の生活環境に戻すが,近くの保護観察官・保護司の監督の下に置かせ,定期的な面接報告を義務付けるなどの方法を通じて,社会内での更生を手助けする措置です。A児童自立支援施設・児童養護施設送致(同法24条1項2号),児童自立支援施設と児童養護施設は,それぞれ児童福祉施設の一種で(児童福祉法7条1項),前者は不良行為をなす児童の生活指導等を目的とし,後者は被虐待児童等の保護を目的とするものです。これらに入所すると,親元から離れることにはなりますが,少年院と違って強制的な身体の自由の拘束としての性質を有しません。入所中にとくに必要がある場合には,家庭裁判所の許可を得て,一時的に自由を制限するような「強制的措置」がとられる場合があります(児童福祉法27条の3,少年法6条の7第2項,18条2項)。B少年院送致(同法24条1項3号) 少年を強制的に収容して,矯正教育を受けさせる施設です。罰として身体の自由を拘束するわけではなく,あくまでも社会生活への適応をめざす教育的措置として利用される点で,成人のための刑務所とは理念的に異なります。これらの保護処分のうちどれが選択されるかは,非行事実の性質,程度と要保護性を勘案して判断されます。初犯であり,非行事実自体が軽微であっても,生活環境の問題が深刻で非行の根が深く,社会内更生は不可能と判断されれば,保護観察に留まらない可能性も十分ありえます。本件では不登校などの問題ある生活態度が長期間定着してしまっており,両親が努力しても指導力が十分ではない状況と思われます。お子さんの年齢が14歳であり,一般に児童自立支援施設に入所する児童の年齢は12歳〜15歳が最も多いという運用も考慮すると,本件の審判の結果,児童自立支援施設送致が選択される可能性は比較的高いと思われます。
なお,保護処分の決定を留保して,しばらく調査官に観察させる「試験観察」(少年法25条)や,保護処分に付する必要がないと認める場合の「不処分」(同法23条2項),逆に,成人と同様の刑事事件として扱うのが適切と判断した場合の「検察官送致」(同法20条)等の処分がなされる場合もあります。特に試験観察は重要で、重い保護処分(例えば少年院送致)が科せられるようで有れば、数ヶ月の試験観察を主張して、公的ボランティア等を行い(役所等公的施設に行くと用意されていますので前もって申込みをして調査官に提出。)その間に少年の反省、更生の態度を明らかにして処分を回避する必要があります。
前述のように少年事件において,成人の場合の弁護人に相当する弁護士の役割が,「付添人」です(少年法10条)。付添人は,手続の各段階で行き過ぎた公権力の行使がなされないように少年の利益を保護しつつ(適正手続保障),少年と接触を重ねて心を開かせ,内省と更生意欲を促し,保護者との橋渡しをして関係修正や環境再調整の手助けとなります。後者の面では,家庭裁判所と対立する立場ではなく,協力者としてともに少年の社会復帰を目指すものです。付添人は,被害者がいる非行では,被害弁償の交渉等も,付添人が入ることで進めやすくなる場合があります。また,付添人は家庭裁判所調査官の調査結果(社会記録)を閲覧することもでき,幅広く諸事情を踏まえた独自の意見を形成し,調査官・裁判官と面接して意見を伝え,審判期日に意見書を提出して裁判官の判断に資するといった活動が可能です。
(この法律の目的)
第一条 この法律は、少年の健全な育成を期し、非行のある少年に対して性格の矯正及び環境の調整に関する保護処分を行うとともに、少年の刑事事件について特別の措置を講ずることを目的とする。
第6条の7第2項 都道府県知事又は児童相談所長は,児童福祉法の適用がある少年について,たまたま,その行動の自由を制限し,又はその自由を奪うような強制的措置を必要とするときは,同法第33条及び第47条の規定により認められる場合を除き,これを家庭裁判所に送致しなければならない。
第8条1項 家庭裁判所は,第6条第1項の通告又は前条第1項の報告により,審判に付すべき少年があると思料するときは,事件について調査しなければならない。検察官,司法警察員,警察官,都道府県知事又は児童相談所長から家庭裁判所の審判に付すべき少年事件の送致を受けたときも,同様とする。
2項家庭裁判所は,家庭裁判所調査官に命じて,少年,保護者又は参考人の取調その他の必要な調査を行わせることができる。
第17条1項 家庭裁判所は,審判を行うため必要があるときは,決定をもって,次に掲げる観護の措置をとることができる。
1 家庭裁判所調査官の観護に付すること。
2 少年鑑別所に送致すること。
3項第1項第2号の措置においては,少年鑑別所に収容する期間は,2週間を超えることができない。ただし,特に継続の必要があるときは,決定をもって,これを更新することができる。
(異議の申立て)
第十七条の二 少年、その法定代理人又は付添人は、前条第一項第二号又は第三項ただし書の決定に対して、保護事件の係属する家庭裁判所に異議の申立てをすることができる。ただし、付添人は、選任者である保護者の明示した意思に反して、異議の申立てをすることができない。
2 前項の異議の申立ては、審判に付すべき事由がないことを理由としてすることはできない。
3 第一項の異議の申立てについては、家庭裁判所は、合議体で決定をしなければならない。この場合において、その決定には、原決定に関与した裁判官は、関与することができない。
4 第三十二条の三、第三十三条及び第三十四条の規定は、第一項の異議の申立てがあつた場合について準用する。この場合において、第三十三条第二項中「取り消して、事件を原裁判所に差し戻し、又は他の家庭裁判所に移送しなければならない」とあるのは、「取り消し、必要があるときは、更に裁判をしなければならない」と読み替えるものとする。
(特別抗告)
第十七条の三 第三十五条第一項の規定は、前条第三項の決定について準用する。この場合において、第三十五条第一項中「二週間」とあるのは、「五日」と読み替えるものとする。
2 前条第四項及び第三十二条の二の規定は、前項の規定による抗告があつた場合について準用する。
第18条第2項 第6条の7第2項の規定により,都道府県知事又は児童相談所長から送致を受けた少年については,決定をもって,期限を付して,これに対してとるべき保護の方法その他の措置を指示して,事件を権限を有する都道府県知事又は児童相談所長に送致することができる。
第22条1項 審判は,懇切を旨として,和やかに行うとともに,非行のある少年に対して自己の非行について内省を促すものとしなければならない。
2項 審判は,これを後悔しない。
3項審判の指揮は,裁判長が行う。
第24条1項 家庭裁判所は,前条の場合を除いて,審判を開始した事件につき,決定をもって,次に掲げる保護処分をしなければならない。ただし,決定の時に14歳に満たない少年に係る事件については,特に必要と認める場合に限り,第3号の保護処分をすることができる。
1 保護観察所の保護観察に付すること。
2 児童自立支援施設又は児童養護施設に送致すること。
3 少年院に送致すること。
(家庭裁判所調査官の観察)
第二十五条 家庭裁判所は、第二十四条第一項の保護処分を決定するため必要があると認めるときは、決定をもつて、相当の期間、家庭裁判所調査官の観察に付することができる。
2 家庭裁判所は、前項の観察とあわせて、次に掲げる措置をとることができる。
一 遵守事項を定めてその履行を命ずること。
二 条件を附けて保護者に引き渡すこと。
三 適当な施設、団体又は個人に補導を委託すること。
(保護者に対する措置)
第二十五条の二 家庭裁判所は、必要があると認めるときは、保護者に対し、少年の監護に関する責任を自覚させ、その非行を防止するため、調査又は審判において、自ら訓戒、指導その他の適当な措置をとり、又は家庭裁判所調査官に命じてこれらの措置をとらせることができる。
第27条の3 都道府県知事は,たまたま児童の行動の自由を制限し,又はその自由を奪うような強制的措置を必要とするときは,第33条及び第47条の規定により認められる場合を除き,事件を家庭裁判所に送致しなければならない。
第41条 児童養護施設は,保護者のない自動(乳児を除く。ただし,安定した生活環境の確保その他の理由により特に必要のある場合には,乳児を含む。以下この条において同じ。),虐待されている児童その他環境上養護を要する児童を入所させて,これを養護し,あわせて退所した者に対する相談その他の自立のための援助を行うことを目的とする施設とする。
第44条 児童自立支援施設は,不良行為をなし,又はなすおそれのある児童及び家庭環境その他の環境上の理由により生活指導等を要する児童を入所させ,又は保護者の下から通わせて,個々の児童の状況に応じて必要な指導を行い,その自立を支援し,あわせて退所した者について相談その他の援助を行うことを目的とする施設とする。
第1条少年院は,家庭裁判所から保護処分として送致された者及び少年法第56条第3項の規定により少年院において刑の執行を受ける者(以下「少年院収容受刑者」という。)を収容し,これに矯正教育を授ける施設とする。
(審判期日の指定と呼出)
第二十五条 審判をするには、裁判長が、審判期日を定める。
2 審判期日には、少年及び保護者を呼び出さなければならない。