被疑者・被告人の身体拘束の概要及び身体拘束からの解放に関する弁護人の活動
刑事|勾留の判断基準|罪証隠滅のおそれとは|犯罪を認めていても勾留されるか|最高裁昭和37年7月3日判決
目次
質問:
先日,同居している会社員の息子が逮捕されてしまい,今は警察署に留置されていると警察から連絡がありました。息子は現在,どのような状態に置かれていて,これからどのような手続が待っているのでしょうか。また,息子を家に帰してもらいたいのですが,弁護士に依頼をすると,息子の解放のためにどのような活動をしてくれるのでしょうか。罪は大体認めているようです。
回答:
1.息子さんは,現在,逮捕又は勾留という身体拘束を受けていることになります。刑訴60条1項2号,勾留の理由,特に「罪証隠滅のおそれ」の解釈は実務上広く解釈されていますので,弁護人と協議し迅速で周到な準備が必要です。
2.今後は,一定期間の身体拘束が続き,起訴(裁判にかけられる)又は不起訴(裁判にかけられない)が決定されることになります。
3.弁護士に依頼すると,以下の解説にあるような様々な身体拘束からの解放活動を行うこととなります。
4.逮捕勾留に関する関連事例集参照。
解説:
1.被疑者の身体拘束の概要
(1)息子さんは,現在,犯罪を行ったという疑いがあることを理由として,逮捕又は勾留されている状態にあると考えられます。まず,息子さんがどのような状況にあるかを把握していただくために,逮捕及び勾留の手続を簡単に説明します。
(2)まず,司法警察職員(司法警察員及び司法巡査のことをいいますが,一般的にいわれる警察官のことなので,以下「警察官」といいます。)等は,ある者に罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があるとき,裁判官の発する逮捕状により被疑者として逮捕することができます(刑事訴訟法(以下「刑訴法」といいます。)199条1項本文)。そのほか,逮捕状によらない現行犯逮捕や重大犯罪について逮捕後に逮捕状を求める緊急逮捕という逮捕もありますが(刑訴法210条,213条),その後の手続の流れは原則として通常逮捕と同様です(刑訴法211条,216条)。検察官も被疑者を逮捕することができますが,経済犯罪等の専門性が高い犯罪以外は,通常,警察官が逮捕を行います。
(3)被疑者が警察官に逮捕されると,司法警察員(司法巡査は含まれませんが,これも以下では単純に「警察官」といいます。)は,48時間以内に被疑者を検察官に送る必要があります(刑訴法203条1項)。そして,検察官は,被疑者を留置する必要がないと判断するときには直ちに釈放し,留置が必要と判断するときには,警察から被疑者を受け取ったときから24時間以内に裁判官に被疑者の勾留を請求しなければならないとされています(刑訴法205条1項)。なお,逮捕全体の時間制限は,被疑者が身体拘束をされたときから72時間以内となっています(刑訴法205条2項)。たとえば,警察官が検察官に被疑者を送るときの移動時間は,上記48時間と24時間にはカウントされませんが,この72時間以内という時間制限にはカウントされることになります。
(4)検察官により勾留が請求され,裁判官が勾留の決定をすると,被疑者は,勾留請求された日から10日間の勾留をされることになり,この勾留期間が満了となる前に,検察官は,被疑者を起訴するか釈放するかを決定しなければなりません(刑訴法208条1項)。場合によってはさらに最大10日間の勾留の延長がされることもあります(刑訴法208条2項)。
(5)このように,警察官により逮捕されると,大雑把にいえば,逮捕の期間が3日以内,勾留の10日間に加え,最大10日間の勾留延長があり得るため,被疑者の身体拘束は合計で23日間に及ぶ可能性があります。そのため,息子さんの身体拘束も,逮捕されてすぐの段階にあれば,約20日間身体拘束が続く可能性があります。この勾留期間が満了したときに,通常は,起訴されるか,不起訴になるかが決定されます。ほとんどのケースでは,勾留期限までに起訴されるか不起訴処分になるか決まりますが,例外的に,「処分保留のまま釈放」という処理がなされる場合があります。この場合,身柄は解放されるのですが,検察官が起訴するかどうかの判断は未了であり,在宅の状態で,取り調べをうけ,検察官の起訴するかどうかの判断を待つことになります。この状態で,被害者との示談を成立させて示談書を検察官に提出すれば,不起訴処分を得ることができる場合もあります。
(6)また,被疑者の勾留を受けた者が,その勾留の基礎になっていた被疑事実と同一の事実で起訴された場合には,起訴と同時に被疑者の勾留が,自動的に被告人(起訴されると,「被疑者」は「被告人」という呼び方に変わります。)の勾留に切り替わってしまいます(刑訴法208条1項,60条2項参照)。被告人の勾留の期間は,公訴提起があった日から2か月であり,これが満了しても特に継続の必要がある場合には,具体的にその理由を付した決定で1か月ごとに更新することができるとされていますので(刑訴法60条2項本文),起訴された後には長期間の身体拘束がされる可能性が十分にあります。そのため,できるだけ起訴前に身体拘束からの解放を努力することや,起訴後に身体拘束からの解放の制度として認められている保釈を早期に行うためにも,起訴前から身体拘束解放の準備を進めておくことが肝要です。
2.身体解放に向けた弁護人の活動
(1)総論
被疑者の権利を擁護する弁護人には,法律上様々な権利が与えられているほか,被疑者に代わって,被疑者の弁護に関わる多くの事実上の活動を行うことが可能です。被疑者が弁護士を弁護人として選任すると,弁護人は,主に,次のような活動をすることになります。
(2)現在の状況の確認
まず,弁護士としては,警察署等の捜査担当の者(留置係に電話を繋いでもらうと概要は把握できます。)に電話をかけるなどして,息子さんが逮捕段階にあるのか,勾留段階にあるのかといった確認を行います。さらに,弁護人には接見交通権が認められており(刑訴法39条1項),警察官等に話を聞かれることなく被疑者と面会できるため,詳細に事情を聴くことで事態をより正確に把握することができます。
逮捕の時点では弁護人(弁護人になろうとする者)以外は,面会する権利はありません(刑訴法80条は勾留されている被告人は弁護人以外の者と法令の範囲内で接見できるとしているので逮捕の段階では弁護人以外とは接見(面会)の権利はないと考えられています。)ので,警察に面会を求めても拒否されることが多いでしょう(警察の取り計らいで面会できた例も例外的にあるようです。)。その場合,面会するには弁護士に依頼するしかありません。また,勾留後は被疑者の段階でも弁護人以外の者も面会できますが,法令の範囲内ということで,時間が制限され,また警察官が立ち会っていることになるので自由に話ができない場合があるでしょう(通常30分以内とされているようです。面会の人が多いと門前払いになるので,事前に警察署,留置係に電話して確認してから行きましょう。)。警察官に聞かれたくない話があるなら,弁護士に依頼する必要があります。
(3)検察官及び裁判官との交渉
逮捕されてしまった被疑者に関しては,多くの場合,検察官により勾留請求がされてしまいます。そこで,まず,勾留の要件である逃亡のおそれ及び罪証の隠滅のおそれがないこと(刑訴法60条1項2号,同項3号)や犯罪の嫌疑が低いこと,そのほか被疑者固有の事情により勾留の相当性(必要性)がないことなどを訴え,検察官に勾留請求自体を行わないよう要求することがあります。また,勾留請求がされてしまっても,勾留の決定を行うのは裁判官ですから(刑訴法207条1項),勾留の決定がされないように面会を求めて裁判官に働きかけることも考えられます。
もっとも,このような交渉は事実上のもので,弁護人の主張する事情がその判断において多少考慮される可能性はありますが,勾留請求や勾留決定の結論が変わることはほとんどないのが現状だという意見もあります。しかし,このような見解は,弁護士の絶対数が少なく,起訴前弁護が充実していなかった時の見解で,弁護人が時間との制約を受けながらもあらゆる主張,証拠をそろえ弁護活動を行うことにより検察官,裁判官の意識も変化しつつあると考えられています。事件により必要な書類も担当弁護人と急ぎ協議しなければなりません。被疑者の無罪推定の原則から,勾留は本来例外的処置で,在宅捜査が原則だからです。すなわち,何もしなければ勾留請求があれば原則勾留が決定されますから,弁護人から勾留の理由や必要が無いことを検察官に資料や書面で説明し検察官に対して説得する必要があります。また,勾留請求後も被疑者の事情を訴えていくことで,勾留延長や起訴するかどうかの決定に影響を与えることは十分に考えられますし,勾留を決定する裁判官にも判断を慎重にさせる効果はあります。
(4)(刑訴60条,1項2号,罪証隠滅のおそれとは)
貴方の息子さんは,自宅もあり会社員ですから職業もしっかりしているようです(住所不定の理由は存在しない。)。このような場合,主に「罪証隠滅」(補充的に逃走の危険)を理由に勾留請求,決定がなされることが多いと思います。罪を大体認めているということですが,罪証隠滅を理由に勾留される場合もあるので「罪証隠滅のおそれ」の判断基準について説明します。
①罪証隠滅の対象となる事実は,何かという点に争いがありますが,2号の「罪証」とは基本的構成要件に関する事実のほかに,どの範囲までを含むのかを制度趣旨に従い解釈する必要があります。種々の学説がありますが,結論を言えば,抽象的ですがその犯罪の性質上,罪責,刑事責任に直接的に影響を及ぼす事実は,犯行の態様であっても含まれるものと解釈せざるを得ないと思います。なぜなら,60条の目的は,公正な刑事裁判手続きの保障,適正な刑罰執行の確保ですから,犯行の態様でもその内容により罪責,刑責に対する影響が大きく,証拠隠滅防止のため人身の自由を制限せざるを得ないからです。例えば,殺人罪の動機,共犯事件の共謀,役割,薬物の入手経路,常習性等はその一例です。
②罪証隠滅の態様ですが,この点も制度趣旨から 証拠に不当な影響を及ぼす一切の手段が考えられます。既存の証拠だけでなく,虚偽の証拠を作り出すような場合も含まれますから,その範囲は理論的,具体的に推測されるものと広く解釈されています。犯罪者は,罪を逃れるため,いかなる方法も考える危険性があるという裁判所の認識です。
③主観的に,罪証隠滅の意図が推定される事情も考慮されます。被疑者の全部または一部の否認,黙秘等があります。例えば,酒によって記憶にないというのは,犯行を行っていないという趣旨を含むので一部否認と受け取られてしまうでしょう。逮捕時の逃走行為,否認等です。
④罪証隠滅発生の可能性がある状況の判断。例えば,共犯者の存在は,口裏合わせの危険から罪証隠滅の恐れと認定されるものと思われます。
以上の様な判断をされないと思われる証拠を提出して裁判官を説得することが必要です。その決め手は,例えば自白とみなされる被疑者の謝罪文,誓約書,謝罪金準備の証明書等です。弁護人との詳細な協議が不可欠でしょう。
(5)(勾留決定に対する準抗告及び勾留取消請求)
勾留決定がされるのは,次に挙げる勾留の要件が充たされている場合に限られます。その要件とは,①被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があること(刑訴法60条1項柱書),②被疑者に住所不定(同項1号),罪証隠滅のおそれ(同項2号)又は逃亡のおそれ(同項3号)という事情があること,③諸般の事情を考慮して勾留の必要性があることが揃っていることです。
弁護人としては,上記勾留の要件が充たされていないのに勾留決定がされてしまった場合,勾留決定に対して準抗告というものを行い,勾留決定の取消しを求めることが考えられます(刑訴法429条1項2号)。また,勾留の決定がされても,その後,上記勾留の要件がなくなったときは,弁護人は,勾留取消しの請求を行い,被疑者を身体拘束から解放する活動を行うことが考えられます。この請求についても弁護人の権利として認められています(刑訴法87条1項)。ただ,勾留決定に対する準抗告については,一旦勾留決定がされているのにはそれなりの理由があるため,準抗告でこの決定が覆る可能性は,現実には高くありません。
しかし,準抗告が認められないのは,弁護人が裁判官を納得させることができる資料を提出しないことも理由として挙げられており,最善を尽くし全ての資料を提出することが重要です。貴方の事件がどのような内容かわかりませんが,具体的に言うならば,犯罪事実の概要を否認しておらず(事案によっては一部否認でもかまいませんが共犯者がいる場合は難しいでしょう。),罰金が予想される事件,起訴後執行猶予が予想される事件は,証拠隠滅,逃走の危険の疑いを解消する書面を積極的に提出することで身柄解放が可能となるでしょう。経験のある弁護人と詳細な協議が必要です。勾留の前後は時間的制約(72時間)が多く,弁護人が何も手続きをしないうちに時間があっという間に経過してしまうことはよくあることです。勿論裁判官との面接は必要不可欠ですし,身元引受人の家族を同伴することも忘れてはいけません。勾留が例外的処分であることから,裁判官は必ず面接に応じてくれるはずです(裁判官も人間であり家族の懇願は結構効果もあります)。ただ,勾留取消請求については,勾留途中で勾留の要件がなくなることが稀なため,実務上,それほど多く行われているわけではありません。とはいっても,これらの手段を行う必要がある事案であれば,弁護人として,両者とも躊躇なく行います。
(6)勾留延長決定に対する意見及び準抗告
裁判官は,「やむを得ない事由」があると認められるときは,検察官の請求により最大10日間の勾留延長をすることができるとされています(刑訴法208条2項)。この「やむを得ない事由」とは,事件が複雑困難であること(例えば,被疑者・被疑事実や関係者・証拠物が多数あること,供述等の著しい食違いがあること等),あるいは証拠収集の遅延ないし困難(重要参考人の病気,旅行,所在不明,日時を要する鑑定等)等により勾留期間を延長して更に取調べをするのでなければ起訴・不起訴の決定することが困難な場合をいうとされています(最高裁昭和37年7月3日判決)。被疑者の無罪推定の原則からこのように限定して解釈することは当然です。
弁護人としては,勾留の延長が不当になされた場合,そもそも勾留の要件が欠けていることを主張することに加え,関係者の方々から事情を窺った上,上記勾留延長の要件が存在しないことを強く主張していくことで,勾留延長決定に対して準抗告を行い,勾留延長決定の取消し又は期間の縮減(たとえば,10日間の延長のところを5日間に縮めること)を求めることが考えられます(刑訴法429条1項2号)。また,必ず,裁判官と面接し,直接,延長の要件が存在しないことを訴えていくこともあります。
(7)最終処分に対する意見書の提出
勾留期間が満期を迎えると,検察官は,起訴するか不起訴するか,起訴するとしても正式な裁判にするか,あるいは略式の裁判にするかなどの最終処分を決定することになります。弁護人は,犯罪事実そのものに関する有利な情状を主張していくほか,以下で述べるような示談の成立や,示談金の用意,保管,逃走,証拠隠滅をしないという誓約書,身元引受人の存在等の犯罪事実そのもの以外に関する有利な情状を主張し,どのような最終処分が適切であるのかを意見します。意見書には,通常,示談合意書や身元引受書等の資料も添付するため,説得的な意見を述べることができる場合も多く存在します。
(8)示談交渉
被害者が存在する犯罪では,被害者と示談することが,最終処分の選択に大きく関わってきます。示談をすることによって,犯罪の被害結果を回復させ,被害感情を和らげることにつながり,そのことが最終処分を軽いものにしたり,裁判になったときにも量刑を軽くする重要な材料になります。
特に,それほど重くない罪で前科がない者に関しては,起訴される前に示談をすることで,最終処分で不起訴となる可能性が十分にあるため,起訴される前に示談をすることが極めて重要になります。不起訴となれば,その犯罪は前科となりませんが,起訴されると略式裁判による罰金でも前科となってしまうので,不起訴とすることは非常に大切なことだと考えられます。このことは,身体拘束されていない被疑者に関しても同じことがいえます。
示談交渉は,弁護人以外の者でも行うことは不可能ではありませんが,弁護人がついていないと現実に行うことは困難です。通常,被害者の連絡先は捜査機関等に教えてもらうことになり,捜査機関は被害者の了解を取って連絡先を教えることになりますが,被疑者本人やその関係者だと,被害者が連絡先の開示に了解することはほとんどありませんし,報復のおそれなどから,そもそも被害者の意思に拘らず,捜査機関が被害者の連絡先を教えないこともあります。示談交渉をお考えであれば,弁護士に依頼する必要性が高いですし,また,弁護士に依頼したならば,示談交渉を試みるようにしてもらうことが大切です(もっとも,被害者のいる犯罪に関して依頼された弁護士のほとんどは,依頼者に示談する気持ちがあれば,依頼者の求めがなくとも示談を試みると思われます。)。
(9)保釈請求
被疑者が起訴され,被告人となった場合,被告人の身柄解放の手段として,保釈という制度が用意されています。弁護人は,保釈の申立てを行う権利を有するため(刑訴法88条1項),保釈申立てを行い,被告人の身体拘束の解放に努めます。
保釈は,法定の除外事由がない限り,裁判所が保釈を許可しなければならないとされており,これを権利保釈又は必要的保釈といいます。被告人の無罪推定の大原則から証拠収集等基本的捜査が終了した以上釈放されなければならないのですが,公正な裁判の確保,被告人出廷の確保,刑罰執行の実効性の要請から解釈上以下の要件が導かれます。法定の除外事由とは,詳しくは以下の参考条文を見ていただきたいのですが,おおよそ,①重い刑罰が科せられる特定の犯罪を行ったとき,②被告人が以前に一定の重い罪につき有罪の宣告を受けていたとき,③常習的に一定の罪を犯したものであるとき,④証拠を隠滅すると疑われる相当の理由があるとき,⑤目撃証人や被害者にお礼参りなどをするような危険があるとき,⑥氏名や住所が不明なとき(刑訴法89条1号ないし6号)となっています。これらの事由がない場合には,裁判所は保釈を許さなければならないとされていますが,現実には,これらの事由が一切ないと判断されることは困難です(特に④罪証隠滅のおそれがあると判断されてしまうことが多いです。)。
ただ,権利保釈が認められない場合であっても,裁判所が保釈許可を適当と認めるときに行われることもあり,これを裁量保釈又は職権保釈といいます。この裁量保釈は,被告人の経歴や性格,社会的地位,家庭状況,職場環境等を総合的に判断することになります。
保釈が認められるためには,その他に,事実上,身元引受人が存在する必要があり(刑訴法93条3項参照),保釈金を用意する必要があります(刑訴法93条1項参照)。保釈金の相場は,一般的には,100万円から200万円と考えられますので,かなり高額な金銭を一時的に用意する必要があります。ただし,被告人が逃亡をしなければこの金銭は返却されます。保釈金が用意できない人のために,保釈支援協会による保釈金立替システム等もあるようです。
以上のことから,弁護人は,関係者の協力により身元引受人及び保釈金を確保した上で,法定の除外事由がないことを説得的に主張し,刑事記録には書いていない被告人の事情を関係者から十分に聴取して申立書に記載することで,裁判官に保釈の必要性及び相当性を訴えることになります。
(10)まとめ
以上のように,弁護人は,起訴前及び起訴後を通じて,様々な活動をすることとなります。身体拘束からの早期解放をするため,また,身体拘束の期間をなるべく短くするためにも,刑事事件に発展してしまった場合には,起訴前の段階から,知り合いの弁護士に相談することをお勧めいたします。
以上