新銀座法律事務所 法律相談事例集データベース
No.1507、2014/04/21 00:00
【民事、神戸地裁平成17年8月9日 】

インターネットオークション取引におけるプロバイダーの責任

質問:私は、大手のインターネットプロバイダが運営する、インターネットオークションのサイトを利用して、デジタルカメラを落札しました。出品者の指示通りに料金を振り込んだのですが、いつまでたっても商品が送られてきません。おかしいと思っているうちに、出品者のIDは削除され、連絡が取れなくなってしまいました。
今から考えれば、この出品者は最初から、詐欺をするつもりで出品していたようにしか思えません。このような出品者を放置していたオークションサイトを運営している会社に責任を取ってもらいたいのですが、可能でしょうか。



回答:
1 大手インターネットプロバイダが運営するインターネットオークションでは、一定の要件のもと損失を運営者が補償する制度が設けられていますから、まずその補償制度により弁償を受けられないか確認する必要があります。

2 そのような補償制度がない場合、あるいはあっても保証を受ける要件を欠く場合、運営者の法的な責任を追及することはできないと言ってよいでしょう。同様の裁判例もあります。

3 インターネットオークションは、個人間の売買を仲介(売買の場所を提供)するものであり、利用規約でも運営者の責任は限定的に規定されています。また、個人間の取引ですので、業者対個人の図式にはあてはまらず、消費者保護の理念も当てはまりにくいものになっています。私的自治、自己責任の原則にしたがい、慎重に利用する必要があるでしょう。

4 関連当事務所事例集1443番1376番1219番1215番882番813番参照。  


解説:
1 (インターネットオークション)
インターネットオークションは、インターネットのホームページ上において、出品者が商品を出品し、その内容を写真や文章で説明します。商品が欲しいと思った人は、インターネットを経由してこの商品を「入札」することができ、最終的に出品者の希望の金額や、終了時刻までに最も高い金額を付けた者が「落札者」となり、商品を購入することができます。

2 (取引の法的構成)
法的には、出品者はインターネットを通じて、停止条件(最高額の入札)つきの売買契約締結の意思表示をし(出品)、入札者(落札者)は、自身の希望額(入札額)での購入を停止条件として承諾の意思表示(入札)をしていると考えることができます。

 売買契約の当事者は出品者と入札者で、オークションの管理者は売買契約とは関係がなく、単に売買の場所を提供していることになります。買主は売主に対して代金を支払うわけですから、品物を受け取れないことによる代金返還の請求先は買主であり、オークションの管理者には売買契約を理由に、代金の返還請求はできないという法律構成になります。

3 (インターネット取引の特色)
このようなインターネットオークションにおいては、次のような特徴があります。すなわち、

@商品を実際に見ずに契約することが多い。
A業者ではない個人間の売買が多い。
B代金を先払いすることが多い。

このような特長により、代金を支払ったが商品を受け取ることができなかった、というトラブルが多発しているようです。

4(問題点)
 しかし、ユーザーとしては、大手のインターネットプロバイダが運営している、ということを信用して取引を行う人もいるようです。商品を受け取ることができなった場合、サイトを運営しているプロバイダに対して責任を追及できないものでしょうか。これまで説明しように、管理者の責任を追及するためには売買契約とは別の法律構成が必要になります。

5 (  神戸地裁平成17年8月9日判決における問題点の指摘)
オークションサイトは、売買契約の当事者ではありません、売買契約は、あくまで出品者が売主、落札者が買主です。そこで、プロバイダの責任は、売買契約から発生する責任ではなく、サイト運営における注意義務に求めることになります(不法行為責任 運営者の不注意により損害が発生したことによる損害賠償請求)。しかし、当然ながら、サイト側も自分たちができる限り責任を負わないように様々な利用規約を定めています。神戸地裁平成17年8月9日判決を見てみましょう。この裁判では、サイトに対する責任追及の根拠として、以下のような問題点を指摘しました。

@プロバイダには、不正な出品者を防止する義務がある。
Aプロバイダの責任を制限するような利用規約は公序良俗に反し無効である
B特定商取引法、消費者契約法違反
C商法23条類推適用(名板貸しの判例)
原告が実に様々な角度から責任を認めさせようとしたことが見て取れますが、結論からいうと、原告の請求は棄却されています。

6 (判例の分析)
 判例は、運営者について、「本件オークションを運営することによって、参加者の商品売買の機会等を提供する場を設定しているものに過ぎず、利用者は、各自の責任と負担に置いてオークションに参加することが前提となっていると認められるのであり、本件オークションを利用しようとする者としては、このようなリスクを負担したくなければ、本件オークションに参加しなければすむのであるから、それにもかかわらず、これに参加した者は、その自由意思で上記リスクを負担したというべきである。」と判断しています。また、オークションサイトのガイドライン(利用規約)には、サイトの責任を限定する内容が盛り込まれていましたが、これについても、「本件ガイドラインは、本件利用規約の一部を構成することにより、本件利用規約に同意して本件オークションに参加する者を法的に拘束するものと認められ、そうすると、被告は、原告に対し、本件取引について、訴外乙山の信用度を調査したり、訴外乙山のIDを削除するなどの義務を負うものとは認められないし、本件取引による原告の損害が、被告の故意又は重過失によるものとも認められない。」と判断しています。さらには、消費者契約法(業務提供誘引販売、内職詐欺などの規制のための規定)違反や、名板貸しの類推適用についても全て否定しています。インターネットオークションで被害にあっても、プロバイダへの責任追及は困難であるといえるでしょう。

7(私見) 
 ただし、私見によれば、この判例で注意するべきなのは、最大手であるサイト運営会社の緻密な規約の設定、また、同サイトがオークションでの詐欺被害の防止に十分に取り組み、利用者に注意を促している、という実績があるからこそ、運営者の責任を否定しているのであると考えます。現に、同裁判でも、オークション補償規定というものの適用について争点になっています。これは、オークションで被害にあった落札者について、一定の要件で救済する措置をサイトが用意しているということであり、その適用の可否に加え、サイトが詐欺被害の防止に十分な注意義務を尽くしていることが判断要素になりうるのです。すなわち、インターネットにおけるオークションで何らかの被害にあったときに、利用規約で責任が軽減されていること、これに同意していること(同意しなければ利用できない)、この二点だけで常にサイト運営者の責任は問えない、ということまでこの判例から読み取ることはできません。これに加えて、サイトの運営者が、詐欺被害、トラブル防止に十分注意した運営体制を用意しているか否かが判断の要素になりうるでしょう。

8(最後に)
 質問についても、@利用規約のチェックAサイト運営者側のその他の被害防止措置のあり方を検討し、責任追及の可能性を検討することになりますが、「大手のサイト」であれば、十分な措置が取られている可能性が高く、サイト運営者への責任追及は難しいといわざるを得ないでしょう。インターネットオークションは便利ですが、自己責任が要求される場でもあります。十分に注意して利用しましょう。

参考判例
神戸地裁平成17年8月9日

事案の概要
本件は、被告が運営するインターネットオークションを利用して、デジタルカメラを落札して代金を支払ったが、当該デジタルカメラの交付を受けていない原告が、上記オークションを運営する被告に対し、被告は、出品者の信用調査を怠り、又は不適切な出品を防止すべき義務に反したと主張して不法行為に基づく損害賠償を求め、また被告が定める損害補償規定に基づく補償を求めた事案である。
一 前提となる事実(争いがないか、証拠により容易に認定できる事実)
(1)被告は、インターネットオークションである「○○○オークション」(以下「本件オークション」という。)を運営し、利用者に商品売買の機会を提供しているところ、原告は、本件オークションを利用し、訴外乙山松夫(以下「訴外乙山」という。)が本件オークションに出品したコニカミノルタα―7デジタルボデー(以下「本件商品」という。)を落札し、平成一六年一二月二七日に落札金額九万三〇〇〇円と送料八〇〇円の合計九万三八〇〇円を訴外乙山の口座に振り込んだ(以下、「本件取引」という。)
(2)原告は、その後訴外乙山と連絡が取れず、本件商品を受領していない。
(3)被告は、本件オークションを運営するに当たり、「○○○オークション補償」という補償規定(以下「本件補償規定」という。)を定め、代金を出品者に対して支払ったが、商品を受け取ることができなかった落札者又は商品を落札者に対して送付したが代金を受け取ることができなかった出品者に対し、被告が一年に一回限り、五〇万円を上限として補償金を支払うことを利用者に約している。
二 争点
(1)被告が、本件取引の成立を未然に防止すべき義務に反し、原告に対する不法行為責任を負うか。
(2)本件取引が、本件補償規定に該当し、原告が補償金請求できるか。
三 当事者の主張
(1)争点(1)について
(原告)
 被告は、本件オークションを運営するに当たり、利用者からID取得及び参加のための費用を徴収し、また出品者から出品料を徴収するとともに、落札された場合には出品者から代金額の三パーセントの金額を徴収している。このように、被告は有償で本件オークションを運営しているから、利用者が本件オークションを利用して商品を出品しようとする場合には、同人の信用度の調査をすべきであった。特に訴外乙山の出品は、金額が大きい上に、落札者から入金させた後、四週間後に出荷するという特殊な出品をしていたから、被告は、このような出品者の信用度を事前に調査すべきであった。また、訴外乙山は急激に出品数量を増加させていたから、このような出品者の信用度を調査し、不正な取引とそれによる損害の発生を未然に防止するために、一旦訴外乙山のIDを一旦停止するなどの措置を取るべきであった。しかるに、被告は、このような措置を取らずに、訴外乙山の出品を放置したため、原告に前記前提となる事実(1)のとおり、九万三八〇〇円の損害を生じさせた。
 したがって、被告には、民法七〇九条に基づいて、原告に生じた損害を賠償すべき義務がある。
 被告主張の「○○○サービス利用規約」(以下「本件利用規約」という。)において、被告の責任を限定し又は被告の免責を規定する部分は、大企業たる被告が、有利な立場を利用して、一方的に原告ら一般の利用者に負担を強いるもので、公序良俗又は権利濫用に該当し、無効である。また、同じく被告主張の「○○○オークションガイドライン」(以下「本件ガイドライン」という。)は、法的拘束力はない。
 また、被告は、特定商取引に関する法律五一条所定の「業務提供誘引販売取引」を業として行う者であるから、同法の規制によって、訴外乙山のIDを削除する等の義務を負うべきところ、これを怠った。
 さらに、被告は、商法二三条の類推適用による責任を負う。
(被告)
 本件オークションはそもそも商品売買の機会等を提供する場でしかなく、利用者は各自の責任と負担に置いてオークションに参加することが前提である。そして、このことは、利用者が本件オークションを利用するに当たり、必ず同意する本件利用規約及び本件ガイドラインにおいて、被告が、利用者間の実際の取引には一切関与せず、被告の重過失又は故意に起因する場合を除き、出品、入札、完了した若しくは完了していない取引又は出品された若しくは実際に売られた商品に関するいかなる利用者間のクレーム・請求・損害賠償等から免責される旨、本件オークションにおいて、被告はどのような利用者が参加しているかを選別し、調査及び管理しないことを前提とする旨明らかにしている。
 加えて、本件オークションの利用状況に照らせば、被告においてすべての利用者の信用力を調査することは到底不可能である。
 したがって、被告には出品者の信用を調査したり、IDを削除するなどして、損害の発生を未然に防止すべき義務はない。
 なお、被告は、特定商取引に関する法律所定の「業務提供誘引販売取引」を業として行う者には該当しないし、商法二三条類推適用の主張も争う。
(2)争点(2)について
(原告)
 本件取引は、本件補償規定に該当するケースであり、原告は、平成一六年度に一度も本件補償規定による補償を受けていない。したがって、被告は、本件補償規定によって、商品を受け取ることができなかった原告に対し、補償金を支払う義務がある。
 被告は、本件取引が本件補償規定の適用除外事例である旨主張するが、被告は、補償対象であるか否かを十分に利用者に告知していないし、本件商品の出品に際しても、補償対象外であることを明示しておらず、原告は、本件補償規定の適用があるものと理解していた。このように、被告は、本件取引が本件補償規定の対象外であることを明らかにせず、かつ有償で本件オークションを運営して利益を上げているのであって、これを補償原資にすべきであるから、本件取引には本件補償規定を適用すべきである。
(被告)
 被告は、本件補償規定に定める方法による補償金請求を行っておらず、補償金請求はできない。また、この点を措くとしても、本件補償規定には、補償金の請求ができない場合として、落札後に商品を調達する出品の場合を明示しているところ、本件取引はこれに該当するから、原告は、本件取引について、本件補償規定に基づく請求はできない。なお、本件取引が落札後に商品を調達する出品の場合であること及びこの場合に補償金請求ができないことは、本件補償規定等により一義的に明確であり、原告としても容易に理解できることであり、原告の主張は失当である。
第三 争点についての判断
一 争点(1)について
(1)《証拠略》によれば、被告は、本件オークションを運営するに当たり、本件オークションに参加しようとする者に対し、インターネットのホームページにおいて、本件利用規約及び本件ガイドラインに同意するよう求め、同意しなければ、本件オークションに参加するために必要なID登録ができないようになっており、またその後本件オークションに参加する場合にも、これらに同意しなければ参加できないようになっていること,本件利用規約には、本件ガイドラインが本件利用規約の一部を構成している旨の規定があること、本件ガイドラインには、被告が、個々の商品や情報を選別・調査・管理せず、どのような利用者が参加しているかも選別・調査・管理しないことや、被告が、利用者間に成立した売買について、解除・解約等に一切関与せず、利用者が全て責任を負い、被告は入札者又は出品者としての責任、権利及び権限を一切有さないこと、被告の重過失又は故意に起因する場合を除き、出品、入札、完了した若しくは完了していない取引又は出品された若しくは実際に売られた商品に関するいかなるクレーム・請求・損害賠償等から免責される旨定めており、原告もこれに同意したこと、本件利用規約及び本件ガイドラインは、ホームページ上で一回ボタンをクリックするだけで閲覧できること等の事実が認められる。

(2)以上の事実によれば、本件ガイドラインは、本件利用規約の一部を構成することにより、本件利用規約に同意して本件オークションに参加する者を法的に拘束するものと認められ、そうすると、被告は、原告に対し、本件取引について、訴外乙山の信用度を調査したり、訴外乙山のIDを削除するなどの義務を負うものとは認められないし、本件取引による原告の損害が、被告の故意又は重過失によるものとも認められない。 
(3)ところで、原告は、本件利用規約のうち、被告の責任を限定する部分は、公序良俗違反又は権利濫用により無効である旨主張するが、上記認定の事実によれば、被告は、本件オークションを運営することによって、参加者の商品売買の機会等を提供する場を設定しているものに過ぎず、利用者は、各自の責任と負担に置いてオークションに参加することが前提となっていると認められるのであり、本件オークションを利用しようとする者としては、このようなリスクを負担したくなければ、本件オークションに参加しなければすむのであるから、それにもかかわらず、これに参加した者は、その自由意思で上記リスクを負担したというべきである。原告は、借地借家法における借家人保護の理念は、本件における原告ら利用者にも妥当する旨主張するけれども、以上のとおり、本件オークションは、出品者と落札者との自由意思による売買契約を中核とするものであり、被告はその機会を提供するに過ぎず、かつ、利用者に対して本件オークションを利用した売買契約に伴うリスクについて、格別の注意を促しているのであるから、本件利用規約をもって、被告が有利な立場を利用して、一方的に責任を限定したものとはいえず、本件利用規約のうち被告の責任を限定した部分が、公序良俗に反し又は権利濫用で無効であるとの原告の主張は採用できない。
(4)原告は、被告が本件オークションを有償で運営しているから、出品者の信用を調査すべきである旨主張するが、被告は、「プレミアム会員費」の名目で月額二九四円、出品料として出品商品一点について一〇・五円、落札された場合に出品者から「落札システム利用料」の名目で落札金額の三パーセントを徴収しているに過ぎず、本件オークションの利用状況に照らすと、この程度の料金徴収で、すべての利用者の信用状況を調査することは不可能であることは明白である。原告のこの点の主張は、独自のものに過ぎず採用できない。
(5)また、原告は、訴外乙山が「○○○かんたん決済」(出品者と落札者間におけるクレジットカード等を用いた決済を可能にするもの)を利用できなかったので、利用できない旨表示していなかったことが被告の義務違反である旨主張するが、原告は「○○○かんたん決済」を利用せずに代金を振り込んでいるし、仮に「○○○かんたん決済」を利用していたとしても、本件商品を受け取れたとは認められないから、原告のこの点の主張は、被告の義務違反の根拠事実ともいい難く、採用できない。
(6)なお、原告は、被告に注意義務が存する根拠として、被告が特定商品取引に関する法律五一条所定の「業務提供誘引販売取引」を業として行う者である旨主張するが、被告が、本件オークションを運営することが上記取引に該当するとは到底いえないから、原告のこの点に関する主張は失当である。
(7)また、原告は、被告の責任根拠として、商法二三条の類推適用を主張するが、原告が摘示する判例(最高裁第一小法廷平成七年一一月三〇日判決・民集四九巻九号二九七九頁)は、本件とは全く事案を異にし、他に本件取引の相手方が、訴外乙山であるか被告であるかを原告に識別困難とさせるような状態を被告が作出したと認めるに足りる証拠はない(むしろ、本件取引の相手方が訴外乙山であることは、前記前提となる事実(1)掲記の証拠により、明白であるといえる。)。したがって、原告のこの主張も失当であって、採用できない。
二 争点(2)について
《証拠略》によれば、本件補償規定には、補償金が支払われない場合として、落札後に商品を調達する出品の場合を明示していること、その理由は、このような態様の取引は、詐欺などのトラブルに遭う危険性が高いからであること、訴外乙山は、本件商品を出品するに当たり、商品説明の「ご注意・お願い」の欄に「入金確認後、発注します」と明示していたこと等の事実が認められる。そうすると、本件取引は、本件補償規定による補償金が支払われない場合に該当するから、原告には、本件補償規定に基づく請求権はないというべきである。なお、この点、原告は、本件取引が補償金の支払われない場合に該当するか否かが不明である旨主張するけれども、前掲証拠によれば、本件取引が補償金の支払われない場合に該当することは、極めて明確であるというべきであって、原告の主張は採用できない。

参考条文

(支配人の競業の禁止)
第二十三条  支配人は、商人の許可を受けなければ、次に掲げる行為をしてはならない。
一  自ら営業を行うこと。
二  自己又は第三者のためにその商人の営業の部類に属する取引をすること。
三  他の商人又は会社若しくは外国会社の使用人となること。
四  会社の取締役、執行役又は業務を執行する社員となること。
2  支配人が前項の規定に違反して同項第二号に掲げる行為をしたときは、当該行為によって支配人又は第三者が得た利益の額は、商人に生じた損害の額と推定する。
特定商取引法
 第五章 業務提供誘引販売取引
(定義)
第五十一条  この章並びに第五十八条の九、第六十六条第一項及び第六十七条第一項において「業務提供誘引販売業」とは、物品の販売(そのあつせんを含む。)又は有償で行う役務の提供(そのあつせんを含む。)の事業であつて、その販売の目的物たる物品(以下この章及び第五十八条の九第一項第一号イにおいて「商品」という。)又はその提供される役務を利用する業務(その商品の販売若しくはそのあつせん又はその役務の提供若しくはそのあつせんを行う者が自ら提供を行い、又はあつせんを行うものに限る。)に従事することにより得られる利益(以下この章及び第五十八条の九第一項第三号において「業務提供利益」という。)を収受し得ることをもつて相手方を誘引し、その者と特定負担(その商品の購入若しくはその役務の対価の支払又は取引料の提供をいう。以下この章及び第五十八条の九第一項第三号において同じ。)を伴うその商品の販売若しくはそのあつせん又はその役務の提供若しくはそのあつせんに係る取引(その取引条件の変更を含む。以下「業務提供誘引販売取引」という。)をするものをいう。
2  この章において「取引料」とは、取引料、登録料、保証金その他いかなる名義をもつてするかを問わず、取引をするに際し、又は取引条件を変更するに際し提供される金品をいう。
(業務提供誘引販売取引における氏名等の明示)
第五十一条の二  業務提供誘引販売業を行う者は、その業務提供誘引販売業に係る業務提供誘引販売取引をしようとするときは、その勧誘に先立つて、その相手方に対し、業務提供誘引販売業を行う者の氏名又は名称、特定負担を伴う取引についての契約の締結について勧誘をする目的である旨及び当該勧誘に係る商品又は役務の種類を明らかにしなければならない。
(禁止行為)
第五十二条  業務提供誘引販売業を行う者は、その業務提供誘引販売業に係る業務提供誘引販売取引についての契約(その業務提供誘引販売業に関して提供され、又はあつせんされる業務を事業所その他これに類似する施設(以下「事業所等」という。)によらないで行う個人との契約に限る。以下この条において同じ。)の締結について勧誘をするに際し、又はその業務提供誘引販売業に係る業務提供誘引販売取引についての契約の解除を妨げるため、次の事項につき、故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為をしてはならない。
一 商品(施設を利用し及び役務の提供を受ける権利を除く。)の種類及びその性能若しくは品質又は施設を利用し若しくは役務の提供を受ける権利若しくは役務の種類及びこれらの内容その他これらに類するものとして主務省令で定める事項
二 当該業務提供誘引販売取引に伴う特定負担に関する事項
三 当該契約の解除に関する事項(第五十八条第一項から第三項までの規定に関する事項を含む。)
四 その業務提供誘引販売業に係る業務提供利益に関する事項
五 前各号に掲げるもののほか、その業務提供誘引販売業に関する事項であつて、業務提供誘引販売取引の相手方の判断に影響を及ぼすこととなる重要なもの
2  業務提供誘引販売業を行う者は、その業務提供誘引販売業に係る業務提供誘引販売取引についての契約を締結させ、又はその業務提供誘引販売業に係る業務提供誘引販売取引についての契約の解除を妨げるため、人を威迫して困惑させてはならない。
3  業務提供誘引販売業を行う者は、特定負担を伴う取引についての契約の締結について勧誘をするためのものであることを告げずに営業所、代理店その他の主務省令で定める場所以外の場所において呼び止めて同行させることその他政令で定める方法により誘引した者に対し、公衆の出入りする場所以外の場所において、当該業務提供誘引販売業に係る業務提供誘引販売取引についての契約の締結について勧誘をしてはならない。
(合理的な根拠を示す資料の提出)
第五十二条の二  主務大臣は、前条第一項第一号又は第四号に掲げる事項につき不実のことを告げる行為をしたか否かを判断するため必要があると認めるときは、当該業務提供誘引販売業を行う者に対し、期間を定めて、当該告げた事項の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができる。この場合において、当該業務提供誘引販売業を行う者が当該資料を提出しないときは、第五十六条第一項及び第五十七条第一項の規定の適用については、当該業務提供誘引販売業を行う者は、前条第一項第一号又は第四号に掲げる事項につき不実のことを告げる行為をしたものとみなす。
(業務提供誘引販売取引についての広告)
第五十三条  業務提供誘引販売業を行う者は、その業務提供誘引販売業に係る業務提供誘引販売取引について広告をするときは、主務省令で定めるところにより、当該広告に、その業務提供誘引販売業に関する次の事項を表示しなければならない。
一 商品又は役務の種類
二 当該業務提供誘引販売取引に伴う特定負担に関する事項
三 その業務提供誘引販売業に関して提供し、又はあつせんする業務について広告をするときは、その業務の提供条件
四 前三号に掲げるもののほか、主務省令で定める事項
(誇大広告等の禁止)
第五十四条  業務提供誘引販売業を行う者は、その業務提供誘引販売業に係る業務提供誘引販売取引について広告をするときは、当該業務提供誘引販売取引に伴う特定負担、当該業務提供誘引販売業に係る業務提供利益その他の主務省令で定める事項について、著しく事実に相違する表示をし、又は実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示をしてはならない。
(合理的な根拠を示す資料の提出)
第五十四条の二  主務大臣は、前条に規定する表示に該当するか否かを判断するため必要があると認めるときは、当該表示をした業務提供誘引販売業を行う者に対し、期間を定めて、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができる。この場合において、当該業務提供誘引販売業を行う者が当該資料を提出しないときは、第五十六条第一項及び第五十七条第一項の規定の適用については、当該表示は、前条に規定する表示に該当するものとみなす。
(承諾をしていない者に対する電子メール広告の提供の禁止等)
第五十四条の三  業務提供誘引販売業を行う者は、次に掲げる場合を除き、その業務提供誘引販売業に係る業務提供誘引販売取引について、その相手方となる者の承諾を得ないで電子メール広告をしてはならない。
一  相手方となる者の請求に基づき、その業務提供誘引販売業に係る業務提供誘引販売取引に係る電子メール広告(以下この章において「業務提供誘引販売取引電子メール広告」という。)をするとき。
二  前号に掲げるもののほか、通常業務提供誘引販売取引電子メール広告の提供を受ける者の利益を損なうおそれがないと認められる場合として主務省令で定める場合において、業務提供誘引販売取引電子メール広告をするとき。
2  前項に規定する承諾を得、又は同項第一号に規定する請求を受けた業務提供誘引販売業を行う者は、当該業務提供誘引販売取引電子メール広告の相手方から業務提供誘引販売取引電子メール広告の提供を受けない旨の意思の表示を受けたときは、当該相手方に対し、業務提供誘引販売取引電子メール広告をしてはならない。ただし、当該表示を受けた後に再び業務提供誘引販売取引電子メール広告をすることにつき当該相手方から請求を受け、又は当該相手方の承諾を得た場合には、この限りでない。
3  業務提供誘引販売業を行う者は、業務提供誘引販売取引電子メール広告をするときは、第一項第二号に掲げる場合を除き、当該業務提供誘引販売取引電子メール広告をすることにつきその相手方の承諾を得、又はその相手方から請求を受けたことの記録として主務省令で定めるものを作成し、主務省令で定めるところによりこれを保存しなければならない。
4  業務提供誘引販売業を行う者は、業務提供誘引販売取引電子メール広告をするときは、第一項第二号に掲げる場合を除き、当該業務提供誘引販売取引電子メール広告に、第五十三条各号に掲げる事項のほか、主務省令で定めるところにより、その相手方が業務提供誘引販売取引電子メール広告の提供を受けない旨の意思を表示するために必要な事項として主務省令で定めるものを表示しなければならない。
5  前二項の規定は、業務提供誘引販売業を行う者が他の者に次に掲げる業務のすべてにつき一括して委託しているときは、その委託に係る業務提供誘引販売取引電子メール広告については、適用しない。
一  業務提供誘引販売取引電子メール広告をすることにつきその相手方の承諾を得、又はその相手方から請求を受ける業務
二  第三項に規定する記録を作成し、及び保存する業務
三  前項に規定する業務提供誘引販売取引電子メール広告の提供を受けない旨の意思を表示するために必要な事項を表示する業務
第五十四条の四  業務提供誘引販売業を行う者から前条第五項各号に掲げる業務のすべてにつき一括して委託を受けた者(以下この章並びに第六十六条第四項及び第六項において「業務提供誘引販売取引電子メール広告受託事業者」という。)は、次に掲げる場合を除き、当該業務を委託した業務提供誘引販売業を行う者(以下この条において「業務提供誘引販売取引電子メール広告委託者」という。)が行うその業務提供誘引販売業に係る業務提供誘引販売取引について、その相手方となる者の承諾を得ないで業務提供誘引販売取引電子メール広告をしてはならない。
一  相手方となる者の請求に基づき、業務提供誘引販売取引電子メール広告委託者に係る業務提供誘引販売取引電子メール広告をするとき。
二  前号に掲げるもののほか、通常業務提供誘引販売取引電子メール広告委託者に係る業務提供誘引販売取引電子メール広告の提供を受ける者の利益を損なうおそれがないと認められる場合として主務省令で定める場合において、業務提供誘引販売取引電子メール広告委託者に係る業務提供誘引販売取引電子メール広告をするとき。
2  前条第二項から第四項までの規定は、業務提供誘引販売取引電子メール広告受託事業者による業務提供誘引販売取引電子メール広告委託者に係る業務提供誘引販売取引電子メール広告について準用する。この場合において、同条第三項及び第四項中「第一項第二号」とあるのは、「次条第一項第二号」と読み替えるものとする。
(業務提供誘引販売取引における書面の交付)
第五十五条  業務提供誘引販売業を行う者は、その業務提供誘引販売取引に伴う特定負担をしようとする者(その業務提供誘引販売業に関して提供され、又はあつせんされる業務を事業所等によらないで行う個人に限る。)とその特定負担についての契約を締結しようとするときは、その契約を締結するまでに、主務省令で定めるところにより、その業務提供誘引販売業の概要について記載した書面をその者に交付しなければならない。
2  業務提供誘引販売業を行う者は、その業務提供誘引販売業に係る業務提供誘引販売取引についての契約(以下この章において「業務提供誘引販売契約」という。)を締結した場合において、その業務提供誘引販売契約の相手方がその業務提供誘引販売業に関して提供され、又はあつせんされる業務を事業所等によらないで行う個人であるときは、遅滞なく、主務省令で定めるところにより、次の事項についてその業務提供誘引販売契約の内容を明らかにする書面をその者に交付しなければならない。
一 商品(施設を利用し及び役務の提供を受ける権利を除く。)の種類及びその性能若しくは品質又は施設を利用し若しくは役務の提供を受ける権利若しくは役務の種類及びこれらの内容に関する事項
二 商品若しくは提供される役務を利用する業務の提供又はあつせんについての条件に関する事項
三 当該業務提供誘引販売取引に伴う特定負担に関する事項
四 当該業務提供誘引販売契約の解除に関する事項(第五十八条第一項から第三項までの規定に関する事項を含む。)
五 前各号に掲げるもののほか、主務省令で定める事項
(指示)
第五十六条  主務大臣は、業務提供誘引販売業を行う者が第五十一条の二、第五十二条、第五十三条、第五十四条、第五十四条の三(第五項を除く。)若しくは前条の規定に違反し、又は次に掲げる行為をした場合において、業務提供誘引販売取引の公正及び業務提供誘引販売取引の相手方の利益が害されるおそれがあると認めるときは、その業務提供誘引販売業を行う者に対し、必要な措置をとるべきことを指示することができる。
一 その業務提供誘引販売業に係る業務提供誘引販売契約に基づく債務又はその解除によつて生ずる債務の全部又は一部の履行を拒否し、又は不当に遅延させること。
二 その業務提供誘引販売業に係る業務提供誘引販売取引につき利益を生ずることが確実であると誤解させるべき断定的判断を提供してその業務提供誘引販売業に係る業務提供誘引販売契約(その業務提供誘引販売業に関して提供され、又はあつせんされる業務を事業所等によらないで行う個人との契約に限る。次号において同じ。)の締結について勧誘をすること。
三 その業務提供誘引販売業に係る業務提供誘引販売契約を締結しない旨の意思を表示している者に対し、当該業務提供誘引販売契約の締結について迷惑を覚えさせるような仕方で勧誘をすること。
四 前三号に掲げるもののほか、その業務提供誘引販売業に係る業務提供誘引販売契約に関する行為であつて、業務提供誘引販売取引の公正及び業務提供誘引販売取引の相手方の利益を害するおそれがあるものとして主務省令で定めるもの。
2  主務大臣は、業務提供誘引販売取引電子メール広告受託事業者が第五十四条の四第一項又は同条第二項において準用する第五十四条の三第二項から第四項までの規定に違反した場合において、業務提供誘引販売取引の公正及び業務提供誘引販売取引の相手方の利益が害されるおそれがあると認めるときは、その業務提供誘引販売取引電子メール広告受託事業者に対し、必要な措置をとるべきことを指示することができる。
(業務提供誘引販売取引の停止等)
第五十七条  主務大臣は、業務提供誘引販売業を行う者が第五十一条の二、第五十二条、第五十三条、第五十四条、第五十四条の三(第五項を除く。)若しくは第五十五条の規定に違反し若しくは前条第一項各号に掲げる行為をした場合において業務提供誘引販売取引の公正及び業務提供誘引販売取引の相手方の利益が著しく害されるおそれがあると認めるとき、又は業務提供誘引販売業を行う者が同項の規定による指示に従わないときは、その業務提供誘引販売業を行う者に対し、一年以内の期間を限り、当該業務提供誘引販売業に係る業務提供誘引販売取引の全部又は一部を停止すべきことを命ずることができる。
2  主務大臣は、業務提供誘引販売取引電子メール広告受託事業者が第五十四条の四第一項若しくは同条第二項において準用する第五十四条の三第二項から第四項までの規定に違反した場合において業務提供誘引販売取引の公正及び業務提供誘引販売取引の相手方の利益が著しく害されるおそれがあると認めるとき、又は業務提供誘引販売取引電子メール広告受託事業者が前条第二項の規定による指示に従わないときは、その業務提供誘引販売取引電子メール広告受託事業者に対し、一年以内の期間を限り、業務提供誘引販売取引電子メール広告に関する業務の全部又は一部を停止すべきことを命ずることができる。
3  主務大臣は、第一項の規定による命令をしたときは、その旨を公表しなければならない。
4  主務大臣は、第二項の規定による命令をしたときは、その旨を公表しなければならない。
(業務提供誘引販売契約の解除)
第五十八条  業務提供誘引販売業を行う者がその業務提供誘引販売業に係る業務提供誘引販売契約を締結した場合におけるその業務提供誘引販売契約の相手方(その業務提供誘引販売業に関して提供され、又はあつせんされる業務を事業所等によらないで行う個人に限る。以下この条から第五十八条の三までにおいて「相手方」という。)は、第五十五条第二項の書面を受領した日から起算して二十日を経過したとき(相手方が、業務提供誘引販売業を行う者が第五十二条第一項の規定に違反してこの項の規定による業務提供誘引販売契約の解除に関する事項につき不実のことを告げる行為をしたことにより当該告げられた内容が事実であるとの誤認をし、又は業務提供誘引販売業を行う者が同条第二項の規定に違反して威迫したことにより困惑し、これらによつて当該期間を経過するまでにこの項の規定による業務提供誘引販売契約の解除を行わなかつた場合には、相手方が、当該業務提供誘引販売業を行う者が主務省令で定めるところによりこの項の規定による当該業務提供誘引販売契約の解除を行うことができる旨を記載して交付した書面を受領した日から起算して二十日を経過したとき)を除き、書面によりその業務提供誘引販売契約の解除を行うことができる。この場合において、その業務提供誘引販売業を行う者は、その業務提供誘引販売契約の解除に伴う損害賠償又は違約金の支払を請求することができない。
2  前項の業務提供誘引販売契約の解除は、その業務提供誘引販売契約の解除を行う旨の書面を発した時に、その効力を生ずる。
3  第一項の業務提供誘引販売契約の解除があつた場合において、その業務提供誘引販売契約に係る商品の引渡しが既にされているときは、その引取りに要する費用は、その業務提供誘引販売業を行う者の負担とする。
4  前三項の規定に反する特約でその相手方に不利なものは、無効とする。
(業務提供誘引販売契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消し)
第五十八条の二  相手方は、業務提供誘引販売業を行う者がその業務提供誘引販売業に係る業務提供誘引販売契約の締結について勧誘をするに際し次の各号に掲げる行為をしたことにより、当該各号に定める誤認をし、それによつて当該業務提供誘引販売契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。
一  第五十二条第一項の規定に違反して不実のことを告げる行為 当該告げられた内容が事実であるとの誤認
二  第五十二条第一項の規定に違反して故意に事実を告げない行為 当該事実が存在しないとの誤認
2  第九条の三第二項から第四項までの規定は、前項の規定による業務提供誘引販売契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消しについて準用する。
(業務提供誘引販売契約の解除等に伴う損害賠償等の額の制限)
第五十八条の三  業務提供誘引販売業を行う者は、その業務提供誘引販売業に係る業務提供誘引販売契約の締結をした場合において、その業務提供誘引販売契約が解除されたときは、損害賠償額の予定又は違約金の定めがあるときにおいても、次の各号に掲げる場合に応じ当該各号に定める額にこれに対する法定利率による遅延損害金の額を加算した金額を超える額の金銭の支払をその相手方に対して請求することができない。
一  当該商品(施設を利用し及び役務の提供を受ける権利を除く。以下この項において同じ。)又は当該権利が返還された場合 当該商品の通常の使用料の額又は当該権利の行使により通常得られる利益に相当する額(当該商品又は当該権利の販売価格に相当する額から当該商品又は当該権利の返還された時における価額を控除した額が通常の使用料の額又は当該権利の行使により通常得られる利益に相当する額を超えるときは、その額)
二  当該商品又は当該権利が返還されない場合 当該商品又は当該権利の販売価格に相当する額
三  当該業務提供誘引販売契約の解除が当該役務の提供の開始後である場合 提供された当該役務の対価に相当する額
四  当該業務提供誘引販売契約の解除が当該商品の引渡し若しくは当該権利の移転又は当該役務の提供の開始前である場合 契約の締結及び履行のために通常要する費用の額
2  業務提供誘引販売業を行う者は、その業務提供誘引販売業に係る業務提供誘引販売契約の締結をした場合において、その業務提供誘引販売契約に係る商品の代金又は役務の対価の全部又は一部の支払の義務が履行されない場合(業務提供誘引販売契約が解除された場合を除く。)には、損害賠償額の予定又は違約金の定めがあるときにおいても、当該商品の販売価格又は当該役務の対価に相当する額から既に支払われた当該商品の代金又は当該役務の対価の額を控除した額にこれに対する法定利率による遅延損害金の額を加算した金額を超える額の金銭の支払を相手方に対して請求することができない。
3  前二項の規定は、業務提供誘引販売取引に係る商品又は役務を割賦販売により販売し又は提供するものについては、適用しない。




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