余罪が複数ある場合の勾留に対する準抗告
刑事|夫が逮捕|事件単位説|原決定後の事実を判断対象にできるか|山口地方裁判所下関支部(準抗告審)昭和38年5月20日決定|東京地裁昭和47年4月9日決定(西山記者事件)
目次
質問:
夫が窃盗容疑で逮捕され,10日間の勾留決定が裁判所から出てしまいました。接見に行った際に,夫は会社の取引先に訪問する際に,何度も備品を盗んでいたということで勾留されているということでした。罪は認めているようです。逮捕されてすぐに,当番弁護士の先生が弁護人に就いたようなのですが「他にも同じような犯行をしており余罪が多数見込まれると検察に言われたので,勾留はやむを得ないと思う。」と言われました。夫は,会社の社長であり勾留が続いてしまうと,会社の事業がストップしてしまい,夫のみでなく私や従業員の生活に大きな影響が出てしまいます。何とか,夫が早く出て来れるようにしたいのですが,どのようにしたらよいでしょうか。
回答:
1 本件では,逮捕に引き続き,10日間の勾留が認められてしまいましたので,地方裁判所に勾留に対する準抗告を申し立てて,ご主人の釈放を目指す必要があります。
2 検察官は余罪捜査の必要性を主張し,勾留を認めるべきと主張してくることが往々にしてあります。余罪捜査,取調べ自体が必ずしも否定されるわけではありません。
しかし,勾留はあくまで対象となっている被疑事実について判断されるものであり,専ら余罪捜査のために本件の勾留を用いることは,許されません。その点を裁判所に説得的に主張し,在宅捜査でも問題なく捜査を進めることができることを主張する必要があります。
3 そして,勾留に対する準抗告においては,勾留の理由がないこと,勾留の必要性がないことを,準抗告申立書,及び裁判官との面接において説得的に主張していく必要があります。具体的には,被害取引先に対する謝罪,示談交渉の準備が具体的に進んでいること,適切な身元引受人がいること,最終的な処分として軽微なものが見込まれることなどを主張し,(余罪を含めて)罪証隠滅や逃亡のおそれがないことを裁判所に説得する必要があります。さらに,勾留の必要性に関する重要な事実として,ご主人の勾留が継続することによって被る具体的な不利益(事業のストップ,家族への影響)も弁護人を通じて主張してもらうべきです。
勾留に対する準抗告について豊富な経験を有し,速やかな弁護活動をしてくれる弁護士への依頼を強くお勧めします。
4 勾留と準抗告に対する他の事例集としては,1466番,1430番,1396番を参照してください。勾留に関する関連事例集参照。
解説:
第1 勾留と準抗告制度について
1 あなたの夫が置かれている地位
(1)今後の処罰について
現在,あなたの夫は取引先の備品を盗んだということで,窃盗罪(刑法235条)によって刑事処罰の対象となります。窃盗罪の処罰は,50万円以下の罰金及び10年以下の懲役刑のいずれかとなりますが,いわゆる店舗での万引きと比較すると,第三者が立ち入ることを想定していない場所での窃盗は,情状は悪く,罰金刑ではなく正式裁判による懲役刑が選択されることも多いといえます。そういった意味で,犯行を認めているのであれば被害者と示談をするなどして,可能な限り刑事処罰を軽いものにするよう努力すべきです。
(2)勾留による身体拘束について
さらに,今回逮捕されてしまったとのことですが,証拠隠滅のおそれや逃亡のおそれが高いということで,引き続き10日間の勾留を検察官が請求し,裁判所により勾留決定がなされています(刑事訴訟法60条,207条)。
勾留は10日間警察等の留置場に身体拘束をすることを認めるものですが,最大で10日間の延長が認められますので,逮捕も合わせると23日間の身体拘束がなされることとなります。しかも,今回の件は通常の万引きとは異なり,略式手続による罰金刑ではなく懲役刑求刑のために正式裁判として起訴される可能性も十分あり得ます。正式起訴がされた場合には,そのまま被告人勾留として身柄拘束が続き,保釈されない限り最大で数カ月程度の身体拘束が続くことになってしまい,大きな不利益を被ることになります。
裁判所による勾留決定が一度なされてしまうと,容易に釈放が認められず,釈放を認めるための手段としては,後述の準抗告を地方裁判所に申し立ててそれが認容される必要があります。
2 勾留に対する準抗告申立て
裁判所が勾留決定をした場合には,管轄する地方裁判所に対して,準抗告を申し立てることができます(刑事訴訟法429条)。準抗告を申し立てることによって,最初の裁判所が決定した勾留決定に対し勾留の理由,勾留の必要性がないことを主張し,それが認められれば,元の勾留決定は取り消され,あなたのご主人は無事釈放されることとなります。
準抗告審は,3人の裁判官による合議体で判断されますので,慎重な判断が期待できますが,後述のとおり勾留の理由,勾留の必要性を充たさないことを説得的に主張する必要がありますので,準抗告に対する経験が豊富な弁護人を選任する必要があるでしょう。
第2 勾留において余罪を考慮すべきか,検察官の主張への対策
1 勾留と余罪の関係
あなたのご主人は他にも同じような窃盗行為をしているので,勾留はやむを得ないと言われているとのことですので,勾留と余罪の関係について述べます。結論から言うと,勾留の判断はあくまで勾留の前提となっている被疑事実についてのみ専ら判断すべきであり,同種の余罪の捜査の必要性が高いからといって,勾留を直ちに認めることは許されないというべきです。
2 勾留の対象となる被疑事実
まず,勾留が認められるためには,被疑者であるあなたのご主人が「罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由」があることが必要とされています(刑事訴訟法60条1項,61条、64条1項、207条1項)。ここにいう「罪」は,一つの犯罪事実を指します(今回で言えば,取引先での一つの窃盗行為を指し,余罪は指しません)。これを事件単位の原則といい,勾留はある人を単位として行われるものではなく,一つの被疑事実ごとに1回行われるべきものなのです。すなわち、事件単位の原則とは逮捕、勾留の要件効果は被疑事実ごとに判断するもので被疑者ごとに判断する人単位原則と対比されます。具体的には、余罪を判断の対象にできるか、二重勾留が認められるかという問題になります。二重勾留は認めることになりますが、被疑者の人身の自由を保障しその制限を最小限にする事件単位説が妥当です。
したがって,勾留の要件の判断は,原則として余罪を抜きにした,今回問題となっている被疑事実のみを対象として行われることになります。
3 余罪に関する検察官の主張
しかしながら,勾留について裁判官に準抗告を申し立てる場合,検察官からは余罪が多数あり捜査の必要性が高く,勾留を継続すべきだという主張が往々にして行われます。勾留されている被疑事実の他に,別の余罪が疑われる場合,その余罪について取調べをすること自体は否定されていません。
同種の余罪があることは,勾留の対象となっている被疑事実について同種犯行を繰り返していたということで,重要な情状事実として処罰価値に影響を与えることもあります。
上記のような余罪捜査の必要性といった理由から,検察官は勾留を継続すべきだという意見を述べてくるのです。
4 専ら余罪捜査のために勾留を続けることへの違法性の主張
(1)しかしながら,専ら余罪捜査のために勾留を続けることは,法律上許されるべきではないでしょう。上記の事件単位の原則からすれば,あくまで勾留の理由,必要性といった要件の判断は,今回勾留されている取引先の窃盗の件について行われる必要があるからです。
余罪捜査の必要性を過度に考慮して勾留の要件を判断することは,勾留の事件単位の原則からして,本来の勾留の目的(当該犯罪について,罪証隠滅,逃亡のおそれを防止する)を逸脱するものであり,勾留決定は違法と評価せざるを得ないこととなります。
(2)したがって,裁判所に対しては,上記の法原則にのっとり,「専ら余罪捜査のために本件の勾留を用いることは相当でない」ということを改めて主張する必要があるでしょう。具体的に主張すべき事柄については,後述します。
主張に際しては,下記の事情を盛り込んだ,適切な準抗告申立書を作成する必要があります。さらに,準抗告申立ての際には,裁判官との面接も行うことを併せ希望し,弁護人に,裁判官に説得的に別件捜査のための勾留が違法であることを主張してもらう必要があるでしょう。
(3)もっとも,余罪について捜査が進んでしまい,余罪について刑事事件として立件できる程度の証拠が収集された場合には,余罪そのものについて逮捕・勾留の要件を充たすものとして改めて余罪を被疑事実とする再逮捕・再勾留をすることが可能となってしまいます。
準抗告の際には,後述のように勾留の理由(特に罪証隠滅の可能性,逃亡のおそれがないこと),及び,勾留の必要性に関する事情を説得的に主張し,仮に余罪があるとしても,在宅捜査等によって十分本件を終局解決できることを主張立証する必要があるでしょう。したがって,準抗告の申立てについては,経験豊富な弁護士に対し,可能な限り早期に依頼することを強くお勧めします。
第3 勾留決定に対する準抗告のための具体的弁護活動
次に,勾留に対する準抗告申立てのために必要な準備,具体的な弁護活動について検討していきます。以下,勾留の理由,勾留の必要性という要件それぞれについて検討していきます。
1 勾留の理由(刑事訴訟法60条)について
勾留が認められるためには,刑事訴訟法に定める以下の3つの理由のいずれかが存在することが必要となりますので,いずれの理由もないことを積極的に主張し,裁判官に元の勾留決定が違法であることを準抗告において主張する必要があります。
(1)定まった住居があること(1号)
こちらは,決まった住所があり,継続して住んでいる住居があれば,大きく問題になることはありません。
(2)罪証隠滅の可能性がないこと(2号)
ここでは,勾留の対象となっている被疑事実についての,証拠(罪証)に対する不当な働きかけがなされないことを主張する必要があります。具体的には,罪証隠滅を行う客観的な可能性がないこと,また,罪証隠滅の主観的可能性がないこと,といった2つの視点から論じられます。
ア 罪証隠滅の客観的可能性とは,被害品等の証拠についておよそ働きかけを行うことが客観的に不可能であることを意味しますので,そのような事情を丹念に主張していく必要があります。
具体的には,被害物品が既に捜査機関に収集されており,客観的な証拠収集としては十分に保全されていることを主張立証する必要があります。捜査機関の捜査の内容についてはご主人から詳細に聞いておく必要があります。また,関係者の証言も重要な証拠となりますので,釈放されたとしても関係者に不当な働きかけをしないことを主張する必要があります。具体的には関係者の供述が既に供述調書化されており,証拠隠滅を行うことが物理的に不可能であることなどの事情です。
イ 次に,罪証隠滅の主観的可能性とは,被疑者自身が証拠を隠滅するような不当な働きかけをする意思がないことを意味します。こちらの事情については,検察からは積極的に明らかにしてくれることは少ないので,弁護人を通じて積極的に主張する必要があるでしょう。
具体的には,今回被害にあった取引先について,二度と接近しないという不接近誓約書を作成していることや,検察官の取調べなどに対し一貫して素直に応じていることなどの事情が挙げられます。
また,被害者である取引先について,謝罪の意思を示した謝罪文を作成することも,被害者への不当な働きかけを行わない意思を示すためのきわめて重要な事実となります。
さらに,被害者に対し弁護人を通じて被害の金銭的な弁償を含めた示談交渉の準備が具体的に出来ていることは,罪証隠滅の意思がないことを示す事情として,極めて有利な事情となります。
具体的にどのような事情が必要であるかは,事実関係によって異なるので,弁護士に相談の必要があります。
ウ なお,先述の余罪との関係についても検討します。ここにいう「罪証」とは,犯罪事実そのものに加え,同種余罪などの処罰価値を決めるための情状事実というものが含まれますので,同種の余罪という点も,罪証に含まれ得るとも考えられます。
しかしながら,上記のとおり過度に同種余罪の捜査の必要性を考慮することは,勾留の本来の目的からして大きな問題がありますので,弁護人としては,余罪を含めても既に証拠収集がなされており,およそ罪証隠滅のおそれはないことに加え,そもそも余罪を考慮するのは相当でないことを積極的に主張していく必要があるでしょう。本件の犯行について,犯行にかかる物品が保管されていると思われる場所が全て捜索済みであれば,余罪についても証拠隠滅の恐れがないとして,その事情も主張することも有効です。さらに進んで、余罪についても示談の準備、示談預かり金の説明、提案、交渉過程を書面にして提出することも必要です。
(3)逃亡のおそれがないこと(3号)
ここにいう逃亡のおそれとは,被疑者が刑事訴追や執行を免れる目的で裁判所に対して所在不明になることをいいます。
すなわち,ここでは逃亡のおそれがないことを積極的に主張する必要があります。
具体的には,逃亡するおそれがない事情として,生活基盤がしっかりしていることを証拠(事実)に基づいて主張する必要があります。扶養家族がおり,その家族が被疑者本人に経済面で頼り切っているのであれば,逃亡するおそれは低いものとなるでしょう。そういった意味で,被疑者自身の生活状況は極めて重要な事実となります。
また,同居している家族の身柄引受けも極めて重要となります。家族が厳格な生活指導,監督をすることによって裁判所や検察庁へ本人を出頭させることを確約しているのであれば,裁判所としても逃亡のおそれは低いものと認定しやすくなります。家族の誓約内容については,身柄引受書,誓約書という形で裁判所に提出すると効果的です。家族による身元保証に加え,弁護人による身元引受も裁判所を説得する上では有効といえます。
その他,本件の処罰の内容がそこまで重いものが想定されないような事情もあれば追加で主張する必要があります。具体的には,示談交渉が具体的に進んでおり,示談の成立によって不起訴処分などの軽い処分が見込まれれば,重い処罰をおそれて逃亡などしない,という認定になりやすいでしょう。
2 勾留の必要性について
(1)上記の勾留の理由がないことに加え「勾留をする必要性」といった事情も勾留判断の際に重要な事実となります。
勾留の必要性とは,勾留の本来の目的に照らし(罪証隠滅,逃亡の防止),被疑者の身体を拘束しなければならない積極的な必要性,勾留によって被疑者の被る不利益・苦痛・弊害を比較して決せられます。すなわち,勾留によって被る不利益が重大であることを丁寧に述べる必要があり,その内容は具体的に主張する必要があります。
勾留の必要性に関する事情は,検察官が勾留請求をする際,検察官から主張されることはほとんどありません。
そして,勾留の必要性は,上記罪証隠滅のおそれ,逃亡のおそれの高さと,勾留によって受ける不利益の大きさを比較して,後者がより大きいという場合に認められるものです。
すなわち,勾留に対する準抗告が認容されるケースとしては,弁護人が勾留の必要性に関する事情を積極的に主張した結果,最初の勾留決定時において,罪証隠滅のおそれと逃亡のおそれが認められるがさほど高くないこととなり,一方,勾留による重大な不利益が多数認められるので,結果的に勾留の必要性がなかったとして認容される場合が多いのです。
(2)準抗告申立ての際に,勾留による不利益を具体的に主張する必要があり,弁護人から積極的に事情や証拠を収集していく必要があります
ア 上記のとおり,罪証隠滅のおそれや逃亡のおそれが仮にあるとしても,その可能性がさほど大きくないことは,勾留の必要性判断において重要な事実となります。その際に主張すべき事情については,上に述べたとおりです。
事案としては悪質ではなく,最終的な処分として軽微なものが想定されること,適切な身元引受人がいること,被害者との示談交渉が具体的に進んでいることは,罪証隠滅や逃亡のおそれを軽減させるものとして,極めて重要な事実となります。
イ さらに,勾留によって受ける社会的な不利益についても,詳細かつ丁寧に主張すべきです。この点は,個々人の置かれた状況によって主張すべき事情が異なってきます。
今回でいえば,扶養家族であるあなたの生活,及びあなたのご主人が経営している会社に与える重大な影響を具体的に述べる必要があります。例えば,会社の経営がストップしてしまい,会社が倒産してしまうこと,従業員が全員路頭に迷ってしまうことなど,不利益は重大であればあるほど勾留の必要性に有利な影響を及ぼします。また,被疑者本人が重大な病気を抱えており,通院の必要性が高いこと,家族が危篤状態で釈放を認める必要性が高いことなどの事情なども,勾留の必要性に大きな影響を及ぼします。これら総合的事情を書面化して裁判官に面接を求め裁判官の疑問点を聞き出してさらにそれを補充する手続きが必要です。東京地裁等関東周辺では一般的に面接も可能になっています。具体的には、誓約書の形式の修正、示談金の追加、身元引受の人数、方式等を積極的、具体的に提案し勾留の要件、必要性がないことを交渉過程で見いだす必要があります。弁護人側提案の熱意を汲んでくれる場合もありますから諦めないことです。
3 結論
以上のとおり,一度勾留決定が出されてしまった場合には,裁判所に対して準抗告を行う必要がありますが,最初の裁判官が出した勾留決定時にはなかった,勾留の理由,勾留の必要性に関する事情を丁寧かつ積極的に主張していく必要があります。
その際には,余罪捜査に関しても注意を払いながら弁護活動を続けてもらう必要があります。余罪についてそもそも過度に考慮することは相当でないということで警鐘を鳴らしつつ,余罪についての嫌疑が強くない場合はその点について具体的に説明し,あるいは嫌疑がったとしても余罪についても既に証拠収集済みであり罪証隠滅や逃亡のおそれなしであることなどをもって,裁判所に積極的に主張していく必要があります。
尚、原決定後の事実、事情を準抗告で主張できるかという問題がありますが、実務上認められることが多いようです。例えば、原決定後の示談の経過、弁護人の身元引受の追加、誓約書提出等です。この問題は、準抗告の裁判を刑事事件控訴審の事後審制のようにとらえるか、民事事件の控訴審続審制のように見るかと関係があります。原決定の適法性を判断するので事後審制と考えざるを得ないと思われます。しかし、裁判所は職権で原決定後の事実、事情も判断資料とすることができるものと考えます。刑事事件で事後審制が取られる理由は、被告人の生命自由を強制的に奪う刑事手続きの特殊性から事実認定を第一審に限り裁判の迅速化を図ったものです。準抗告も被疑者の人身の自由を確保する必要上簡易迅速が要求されています。しかし、公判と異なり勾留決定における検察官の証拠の提出は公判と異なり制限がなく(伝聞証拠禁止等)自由に、また一方的になされており証拠に対する弁護側の異議手続も保証されていません。又、証拠に対する判断も短時間で行われるため原決定において提出されて証拠資料のみを判断対象とすることは被疑者の人身の自由の確保という面から被疑者にとって不利益です。そこで裁判所に公正公平を期するため職権による原決定後の事情も採用できる権限を認めるのが妥当です。刑訴43条3項、刑事訴訟規則33条の解釈も時間的限定がなく矛盾しません。判例として山口地方裁判所下関支部(準抗告審)昭和38年 5月20日決定。少年の暴行被疑事件で証拠隠滅の可能性があるとの理由で検察官が勾留請求却下の決定に対し準抗告した事案。裁判所が釈放された少年を呼び出し決定後の種々の事情(まじめに働き、被害者関係者に連絡を取っていないこと等。)を確認したところ勾留の要件、必要性がないことが判明し準抗告を却下しています。
その他、東京地裁昭和47年4月9日決定(西山記者事件)があります。
以上