私立高校生の退学処分を回避する方法

民事|私立高校生の退学処分と学校長の裁量権|学校長の裁量権の逸脱・濫用を判断する基準|生徒間の喧嘩を理由に自主退学を促された事案|大阪地方裁判所平成20年9月25日判決

目次

  1. 質問
  2. 回答
  3. 解説
  4. 関連事例集
  5. 参照条文
  6. 無料法律相談

質問

私には18歳になる高校3年生の娘がいます。娘は私立女子高に通っています。

先日、学校から私に呼出があり、娘を自主退学とするようにとの勧告を受けました。娘は学校内で同級生と口論となり、興奮した娘がその同級生の髪の毛をつかんでしまったことが自主退学勧告の理由とのことです。娘が同級生の髪の毛をつかんだ直後に他の同級生から2人は引き離されたため、娘が同級生を殴ることまでには至らなかったようです。

娘はこの高校で卒業をしたいと話しています。娘の自主退学を避けるために私はどのように対応していけばよいのでしょうか。

回答

1 学校は、退学処分を前提に自主退学勧告をしていますから、自主退学をしないままで放置していると退学処分となることが予測されます。

2 そこで、退学処分とならないよう、学校側に働きかける必要があります。具体的には、退学処分とすることが不当であることを指摘して行くことになります。退学処分の有効性が問題となった裁判例(大阪地方裁判所平成20年9月25日判決)では、有効性の判断に当たっては、次の要素を考慮する必要があるとしています。

①当該行為の軽重
②本人の性格及び平素の行状
③当該行為の他の生徒に与える影響
④懲戒処分の本人及び他の生徒に及ぼす訓戒的効果
⑤当該行為を不問に付した場合の一般的影響

従って、これら①から⑤について学校側に有利な事実なり状況を説明することが必要かつ有効となります。説明にあたっては、内容を書面化し、また証拠となる資料等を添付して学校側に提出する必要があります。

3 その他関連する事例集はこちらをご覧ください。

解説

第1 ご息女の行為について

まず最初に、娘さんが被害生徒にした行為について考えてみます。

娘さんが被害生徒の髪の毛をつかんだ行為は、不法な有形力の行使として暴行罪(刑法第208条)にあたります。

学校内での喧嘩というこで、警察に被害届までは出されていないようですが、仮に被害届が出ていなくても、示談ということで円満に解決しておく必要があります。示談にあたっては、被害生徒は未成年者なので被害生徒の親権者である両親を交えて交渉をする必要があります。警察に被害届を出されることを避け、被害生徒の被害感情を抑えるためです。

被害生徒が娘さんの暴行のために病院で診断や治療を受けた場合にはその費用を償う必要もあるでしょう。診断書で傷害が立証されると、傷害罪(刑法204条)の成立可能性も出てきてしまいます。被害生徒および親権者親御さんとの示談が大切です。被害生徒と両親との間で示談が成立すれば、学校長の懲戒についての判断にも良い影響を与えることになります。

第2 刑事処分と学校内の処分

暴行罪が成人の刑事事件であれば、暴行の程度が軽く、被害者との示談が成立していると、検察官から不起訴処分となることが多いでしょう(刑事訴訟法第248条。起訴便宜主義)。

これに対して、学校の場合、生徒に対する停学や退学などの懲戒処分は学校の内部規律を維持し教育目的を達成するための自律作用であることから、学校長が生徒に懲戒処分をするかどうか、どのような懲戒処分をするかは、単に暴行行為の軽重だけではなく、本人の平素の行動、授業態度、懲戒による他の生徒に与える影響などいろいろな事情を総合して判断されます。

第3 学校内の退学処分について

娘さんの自主退学勧告や退学処分を避けるためには、まず、どのような事情があれば学校から退学処分を受けてしまうのか、判決(大阪地方裁判所平成20年9月25日判決)がどのような基準で退学処分の是非について判断しているか以下に解説をします。

同判例の事案は、私立女子高に在籍していた原告が被害生徒に対し暴行行為をしたため、卒業まで3ヶ月を残した時期に学校長から退学処分を受け、退学後に同校と同校の校長に対し、転校に要した費用、慰謝料、弁護士費用を求めて損害賠償の訴えを起こしたというものです。

裁判所は高校の学校長がした原告に対する退学処分は学校長の裁量権を逸脱する違法なものと判断し、原告から高校、学校長に対する損害賠償請求の一部を認めました。

1 当事者

X(原告):私立女子高に在籍していた生徒。同校の校長より退学処分を受ける。退学後に同校と同校の校長に対し、転校に要した費用、慰謝料、弁護士費用を求めて損害賠償の訴えを起こす。

Y1高校(被告):学校法人

Y2校長(被告):Y1高校の学校長

2 事案の概要

原告が退学処分なった経過は次のとおりです。
① 高校での休憩時間に原告は被害生徒と口論となり、被害生徒の頭髪をつかんだ。
② 原告はさらに被害生徒を蹴ろうとしたが、他の生徒に制止されたため実現はしなかった。
③ 被害生徒は机に頭をぶつけたと教師に発言しているが、裁判所は机にぶつけた事実は認められないと判断している。
④ 原告は被害生徒に対し、自身のブログに「殴っていない」「髪の毛を掴んだだけ」「被害妄想するな」等被害生徒を中傷するような書き込みをした。
⑤ 被告Y1高校の学校長被告Y2は関係者会議を開き、その結果、原告の退学処分を決定し、原告及びその両親に退学処分の通知をした。

原告は本件暴行事件の他に被告Y1高校に入学以来、次の事情がありました。
・学校の指導に反してピアスを装着し、指導を受けたことがある。
・携帯電話の持ち込みは学校で禁止されていたが、携帯電話を持ち込んだことがある。
・学校指定のソックスを着用せずに登校したことがあり、教師の指導から一旦逃げ出しその後に指導を受けた。
・学校の成績が芳しくない。

原告は被告学校Y1・被告Y2校長に対し転校に要した費用、慰謝料、弁護士費用を求めて不法行為(民法709条・715条)による損害賠償請求の訴えを起こしました。

3 判決の概要

裁判所は次の理由で、被告Y1高校の学校長被告Y2がした原告に対する退学処分は学校長の裁量権を逸脱する違法なものと判断し、原告から被告Y1・Y2に対する損害賠償請求の一部を認めました。判決の概要を以下に掲載します。

(1)判決は、主要な争点として、本件暴力行為について懲戒処分として退学処分としたことが、懲戒権者である学校長の裁量権の逸脱あるいは濫用になるか、としています。

そこで、以上の認定事実をもとに、本件暴力行為につき懲戒処分として本件退学処分を選択したことが、懲戒権者である学校長の裁量権の逸脱あるいは濫用といえるかを検討する。

(2)判決は、高校の生徒に対する懲戒処分の根拠を、教育施設としての高等学校の内部規律の維持、教育目的達成のための自律的作用としています。そして、懲戒権者である学校長が生徒に懲戒処分を発動するにあたり、

「その行為が懲戒に値するものであるかどうか」、「懲戒処分のうちいずれの処分を選ぶべきか」を決するについて、次の要素を考慮する必要があるとしています。

① 当該行為の軽重
② 本人の性格及び平素の行状
③ 当該行為の他の生徒に与える影響
④ 懲戒処分の本人及び他の生徒に及ぼす訓戒的効果
⑤ 当該行為を不問に付した場合の一般的影響

これらの要素を総合的に考慮して、その決定が全く事実上の根拠に基づかないと認められる場合であるか、又は社会通念上著しく妥当を欠く場合を除き、学校内の事情に通じ、直接教育指導にあたっている学校長の合理的裁量によるものとしています。

高等学校の生徒に対する懲戒処分は、教育の施設としての高等学校の内部規律を維持し、教育目的を達成するために認められる自律作用であり、懲戒権者である学校長が生徒の行為に対して懲戒処分を発動するに当たっては、その行為が懲戒に値するものであるかどうかを、また、懲戒処分のうちいずれの処分を選ぶべきかを決するについては、当該行為の軽重のほか、本人の性格及び平素の行状、当該行為の他の生徒に与える影響、懲戒処分の本人及び他の生徒に及ぼす訓戒的効果、当該行為を不問に付した場合の一般的影響等諸般の要素を考慮する必要があり、これらの点の判断は、その決定が全く事実上の根拠に基づかないと認められる場合であるか、又は社会通念上著しく妥当を欠く場合を除き、学内の事情に通暁し、直接教育の衝に当たる学校長の合理的裁量に任されていると解すべきである。

(3)このように判決は、生徒に対する懲戒処分については学校長の合理的裁量にまかされているとしていますが、学校教育法・同法施行規則による裁量権の限界があることも指摘しています。

すなわち、学校教育法11条は、懲戒処分を行うことができる場合を「教育上必要と認めるとき」と規定し、これを受けた旧施行規則一三条三項(判決当時の規則)が、退学処分についてのみ①性行不良で改善の見込みがないと認められる者、②学力劣等で成業の見込みがないと認められる者、③正当の事由がなくて出席常でない者、④学校の秩序を乱し、その他学生又は生徒としての本分に反した者、と具体的な処分事由を定めて、Y1高校の学則にも同じ趣旨の規定があることを判決は指摘しています。

このことは退学処分が、他の懲戒処分と異なり、学生の身分を剥奪する重大な措置であることから、当該生徒に改善の見込みがなく、これを学外に排除することが教育上やむを得ないと認められる場合に限って退学処分を選択すべきであるとの趣旨において、その処分事由を限定的に列挙したものとしています。そして、生徒に対し、退学処分を行うに当たっては、他の処分に比較して特に慎重な配慮を要するというべきとしています。

もっとも、学校教育法一一条は、懲戒処分を行うことができる場合を「教育上必要と認めるとき」と規定し、これを受けた旧施行規則一三条三項が、退学処分についてのみ①性行不良で改善の見込みがないと認められる者、②学力劣等で成業の見込みがないと認められる者、③正当の事由がなくて出席常でない者、④学校の秩序を乱し、その他学生又は生徒としての本分に反した者、と具体的な処分事由を定めており、Y1高等学校の「生徒心得」はこれらの規定を受けて、同旨を規定している。これは、退学処分が、他の懲戒処分と異なり、学生の身分を剥奪する重大な措置であることにかんがみ、当該生徒に改善の見込みがなく、これを学外に排除することが教育上やむを得ないと認められる場合に限って退学処分を選択すべきであるとの趣旨において、その処分事由を限定的に列挙したものと解される。この趣旨からすれば、生徒に対し、退学処分を行うに当たっては、他の処分に比較して特に慎重な配慮を要するというべきである。

(4)本件について、判例はまず、懲戒権者たる被告Y2において、本件暴力行為を是認することはできないとして、懲戒処分に付したことには十分な理由がある、としています。校則に暴力行為に対しては厳しく指導することが明確にされ、また、本件暴力行為も態様が軽微なものといえず、被害生徒だけではなく周囲の生徒にも影響があったからです。

これを本件についてみるに、前記(1)のとおり、Y1高校の「新入生の手引き」では、暴力行為に対して厳しく指導することが明確にされており、校訓及び教育方針においても暴力行為を許容しない態度が示されていたことが認められる。また、本件退学処分の根拠とされた本件暴力行為は、その態様において、軽微なものとは言い切れない上、Bのみならず、周囲の生徒に対する影響も少なからず生じたことがうかがわれる。これらのことに照らせば、懲戒権者たる被告Y2において、本件暴力行為を是認することはできないとして、懲戒処分に付したことには十分な理由がある。

(5)しかしながら、判例は学校長が退学処分としたことに対しては、特に慎重な配慮をすべきと述べています。退学処分は、他の懲戒処分と異なり、学生の身分を剥奪する重大な措置であることから、他の処分に比較して特に慎重な配慮を要するというべきだからです。当該生徒を退学処分にできる場合は、当該生徒に改善の見込みがなく、これを学外に排除することが教育上やむを得ないと認められる場合に限って退学処分を選択すべきであるとしています。

しかしながら、前記のとおり、退学処分は、他の懲戒処分と異なり、学生の身分を剥奪する重大な措置であることにかんがみ、他の処分に比較して特に慎重な配慮を要するというべきであり、当該生徒に改善の見込みがなく、これを学外に排除することが教育上やむを得ないと認められる場合に限って退学処分を選択すべきであるところ、

(6) 判決は、原告が本件暴力行為を行ったことをもって、直ちに、原告に改善の見込みがなく、学外に排除することが教育上やむを得なかったものとまで評価することは著しく困難であるとしています。判決が認定した事情は次のとおりです。

  1. 本件暴力行為の態様は一方的かつ執拗なものであったとまでは認められないこと
  2. 原告は、本件暴力行為に及んだその日のうちに、自発的にBに謝罪をして、暴力行為に対する反省の態度を見せていること
  3. 原告は、翌四日に、自身のブログにBを中傷する内容の書き込みを行っていることが認められる。しかし、原告が、Bの頭を机にぶつけたことを疑われていたことからすると、原告がブログにBを中傷する内容の書き込みを行ったことと、本件暴力行為に及んだことに対する反省の態度は必ずしも矛盾するものとはいえないこと
  4. 過去に原告に対する懲戒処分はなく、指導歴もほとんどが第一学年におけるものであり、暴力行為に対する指導歴は存在しないこと
  5. 原告の出席日数及び成績は、Y1高校における教育、指導を継続する上で著しい支障を生ずるものとはいえないこと

本件暴力行為の態様、経緯は、前記(1)認定のとおりであって、被告らの主張するように一方的かつ執拗なものであったとまでは認められないこと、原告は、本件暴力行為に及んだその日のうちに、自発的にBに謝罪をして、暴力行為に対する反省の態度を見せていること(なお、前記(1)によると、原告は、翌四日に、自身のブログにBを中傷する内容の書き込みを行っていることが認められる。しかし、原告が、Bの頭を机にぶつけたことを疑われていたことからすると、原告がブログにBを中傷する内容の書き込みを行ったことと、本件暴力行為に及んだことに対する反省の態度は必ずしも矛盾するものとはいえない。)、過去に原告に対する懲戒処分はなく、指導歴もほとんどが第一学年におけるものであり、暴力行為に対する指導歴は存在しないこと、原告の出席日数及び成績は、Y1高校における教育、指導を継続する上で著しい支障を生ずるものとはいえないことにかんがみれば、前記のY1高校の校訓及び教育方針を十分に考慮しても、原告が本件暴力行為を行ったことをもって、直ちに、原告に改善の見込みがなく、学外に排除することが教育上やむを得なかったものとまで評価することは著しく困難である(なお、本件暴力行為の発生を受けて、Y1高校において、原告に対する十分な教育的指導が行われたとは認められず、原告に対する教育的配慮を尽くしてもなお、改善の可能性を見いだせなかったといった事情も一切認められない。)。

(7)ここで注意をしなければいけないのは、本件はあくまでの生徒間の暴力行為という点です。被告Y1は生徒の暴力行為による過去の退学処分例から本件退学処分は不当に重くないと主張していますが、いずれも教師に対するものでした。仮に教師に対する暴力行為であれば、生徒に対する教育指導ができないという点で退学処分という重い処分もやむを得ないと認められてしまう可能性が高くなります。

なお、被告らは、Y1高校における暴力行為に対する他の懲戒処分例と比べても、本件退学処分は不当に重い処分ではない旨主張するが、被告ら主張の懲戒処分例は、いずれも教師に対するものであって、生徒に対する本件暴力行為とは事案が異なる上、各懲戒処分の決定に際して考慮された事情が明らかでないから、これらをもって本件退学処分が不当に重い処分でないということはできない。

(8)以上より、判決は、被告Y2による本件退学処分は、社会通念上著しく妥当を欠くものといわざるを得ず、懲戒権者としての学校長の裁量権を逸脱した違法なものである、としました。

そうすると、被告Y2による本件退学処分は、社会通念上著しく妥当を欠くものといわざるを得ず、懲戒権者としての学校長の裁量権を逸脱した違法なものである。

以上の次第で、本件退学処分は、その余について判断するまでもなく、違法となる。

第4 終わりに

上記判例は、事案について学校長が加害生徒を懲戒処分にすることは妥当だが、退学処分を選択し学校外に廃除したことは学校長の裁量権を逸脱して違法と判断しています。ご相談者様と娘さんの場合も、単に退学勧告には応じられないと放置するのではなく、学校側に、次の点を整理して具体的に説明する必要があります。

  1. ①当該行為の軽重
    口論から興奮して髪の毛を引っ張ってしまった偶発的な行為であること
  2. ②本人の性格及び平素の行状
    穏やかで友好的な性格、平素から暴力行為等がないこと
  3. ③当該行為の他の生徒に与える影響
    2者間での喧嘩であり、他の同級生に危害は及んでいないこと
  4. ④懲戒処分の本人及び他の生徒に及ぼす訓戒的効果
    高校3年生であり卒業を間近に控えているため、退学という懲戒処分は本人にとって不利益性が大きいこと
  5. ⑤当該行為を不問に付した場合の一般的影響
    暴行は軽微であり具体的な傷害も生じていないことから、学生同士の喧嘩として周囲の理解も得られること

上記に加えて、暴行行為について深く反省していること、娘さん自身に学校内での態度を改善する余地があることを具体的に主張することが必要です。反省文や謝罪文、誓約書などを書いて学校側に提出することが重要になるでしょう。

また、弁護士からの法的意見書を学校に提出することも必要でしょう。学校教育法11条及び同施行規則26条3項の制度趣旨を説明し、前記判例を含めて、過去に退学処分が無効とされた判例を紹介し、当該事案の詳細との比較検討を行い、このまま退学処分を下しても裁判所で無効とされてしまう可能性が高いので退学処分は下すべきではないと詳細に書面で主張する必要があります。

学校の先生方は教育のプロですが、法律の専門家ではありませんので、法律面の注意点を指摘することが必要です。このような書面を提出することにより、学校側も顧問弁護士に書面を見せるなどして法的検討を加えた上で冷静な対応がなされる可能性が高まります。学校側では、現段階では、判例および法令調査検討の結果に基づいて退学勧告をしているとは思えませんので、正式な処分が出てしまう前に、法的な検討を促すような手段が有効と考えることができます。

どういう書類を準備すれば良いのか、どのように学校側と交渉すれば良いのかなど、学校の法律問題に詳しい弁護士に相談し、指導を受けることを検討されてもよいでしょう。

以上

関連事例集

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参照条文

刑法

第208条(暴行) 暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

刑事訴訟法

第248条(起訴便宜主義)犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときは、公訴を提起しないことができる。

学校教育法

第11条 校長及び教員は、教育上必要があると認めるときは、文部科学大臣の定めるところにより、児童、生徒及び学生に懲戒を加えることができる。ただし、体罰を加えることはできない。

学校教育法施行規則

第26条
第1項 校長及び教員が児童等に懲戒を加えるに当つては、児童等の心身の発達に応ずる等教育上必要な配慮をしなければならない。
第2項 懲戒のうち、退学、停学及び訓告の処分は、校長(大学にあつては、学長の委任を受けた学部長を含む。)が行う。
第3項 前項の退学は、公立の小学校、中学校(学校教育法第七十一条 の規定により高等学校における教育と一貫した教育を施すもの(以下「併設型中学校」という。)を除く。)又は特別支援学校に在学する学齢児童又は学齢生徒を除き、次の各号のいずれかに該当する児童等に対して行うことができる。
一号 性行不良で改善の見込がないと認められる者
二号 学力劣等で成業の見込がないと認められる者
三号 正当の理由がなくて出席常でない者
四号 学校の秩序を乱し、その他学生又は生徒としての本分に反した者
第4項 第二項の停学は、学齢児童又は学齢生徒に対しては、行うことができない。
第5項 学長は、学生に対する第二項の退学、停学及び訓告の処分の手続を定めなければならない。

学校教育法施行規則(旧規則)

第13条第1項 校長及び教員が児童等に懲戒を加えるに当つては、児童等の心身の発達に応ずる等教育上必要な配慮をしなければならない。
第2項 懲戒のうち、退学、停学及び訓告の処分は、校長(大学にあつては、学長の委任を受けた学部長を含む。)がこれを行う。
第3項 前項の退学は、公立の小学校、中学校( 学校教育法第51条の10 の規定により高等学校における教育と一貫した教育を施すもの(以下『併設型中学校』という。)を除く。)又は特別支援学校に在学する学齢児童又は学齢生徒を除き、次の各号のいずれかに該当する児童等に対して行うことができる。
(1) 性行不良で改善の見込がないと認められる者
(2) 学力劣等で成業の見込がないと認められる者
(3) 正当の理由がなくて出席常でない者
(4) 学校の秩序を乱し、その他学生又は生徒としての本分に反した者
第4項 第2項の停学は、学齢児童又は学齢生徒に対しては、行うことができない。

民法

(不法行為による損害賠償)
第709条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

(使用者等の責任)
第715条第1項 ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。
第2項 使用者に代わって事業を監督する者も、前項の責任を負う。
第3項 前二項の規定は、使用者又は監督者から被用者に対する求償権の行使を妨げない。

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