わいせつ事件と医師免許取消
行政処分|医道審議会|「医師及び歯科医師に対する行政処分の考え方について」
目次
質問:
地方で医院を経営する医師(38歳・内科医)です。
半年ほど前、診察室内において、患者の女性に対し、診察と称して着衣を脱がせて胸をなで回すなどしたとする準強制わいせつの容疑で逮捕、勾留、起訴され、懲役2年、執行猶予4年の有罪判決を受けました。
弁護人を通じて、被害者との示談を試みたものの、示談成立に至らなかったのが心残りではありましたが、執行猶予付きの判決となったため、控訴はせずに判決は確定しました。
最近になって、県の福祉保健局というところから、本件が医師法に基づく行政処分の対象となり得るとして、事案報告書の提出を求める内容の通知書が届きました。調べてみたところ、行政処分によって医師資格を剥奪されるかもしれない状況にあることを初めて知り、大変動揺しています。
何とか医師資格を剥奪されずに済む方法はないでしょうか。
回答:
1.準強制わいせつの有罪判決を受けたということですが、「診療の機会に医師、歯科医師としての立場を利用した猥せつ行為」の事案ということで、医師免許取消となる危険性が極めて高いと言えます。医師資格をはく奪されないためには、今からでも被害者と示談する必要があります。
あなたは準強制わいせつ罪により懲役2年、執行猶予4年の有罪判決が確定していますので、医師法7条2項・4項、4条3号の規定により、厚生労働大臣による医師資格の制限を内容とする行政処分(戒告、3年以下の医業停止、免許の取消しの3種類が規定されています。)の対象となります。
2. 厚生労働大臣による行政処分の決定にあたっての考慮要素については、医道審議会医道分科会より平成14年12月13日付で「医師及び歯科医師に対する行政処分の考え方について」(平成24年3月4日改正)と題するガイドラインが定められています。これによると、準強制わいせつを含むわいせつ行為のケースについて、「国民の健康な生活を確保する任務を負う医師、歯科医師は、倫理上も相応なものが求められるものであり、猥せつ行為は、医師、歯科医師としての社会的信用を失墜させる行為であり、また、人権を軽んじ他人の身体を軽視した行為である。」と指摘されており、「行政処分の程度は、基本的には司法処分の量刑などを参考に決定するが、特に、診療の機会に医師、歯科医師としての立場を利用した猥せつ行為などは、国民の信頼を裏切る悪質な行為であり、重い処分とする。」とされています。
3. 過去の行政処分例を見ると、強制わいせつの事案類型においては、医業停止3年(医師法上定められている医業停止期間の上限)または医師免許取消とされているケースが殆どです。特に、診療の機会に医師としての立場を利用してわいせつ行為が行われたケースでは、医師免許取消とされる例が非常に多くなっています。
4. もっとも、全てのケースで一律に医師免許取消とされているわけではありません。被害者と示談が成立したことによって、診療の機会にわいせつ行為が行われた事案でありながら、医師免許取消が回避されたケースも存在します。診療とは無関係に行われた強制わいせつの事案でも、被害者と示談が成立したところ、処分相場を下回る医業停止2年の処分となったケースもあり、示談が成立した場合、「諸般の事情」(下記の最判昭和63年7月1日参照)として処分対象者に有利に斟酌する、という考慮が働いている可能性が高いものと考えられます。
5. あなたの場合、診察室内において、患者の女性に対し、診察と称して着衣を脱がせて胸をなで回すなどしたということなので、準強制わいせつの事案の中でも医師免許取消となる危険性が極めて高い「診療の機会に医師、歯科医師としての立場を利用した猥せつ行為」のケースに該当します。したがって、医師免許取消の事態を回避するためには、最低限、被害者との示談成立が必須となってくるでしょう。電話連絡のみならず、手紙、訪問等考え得るあらゆる手段を用いて示談成立に向けて全力を尽くす必要があります。その他、僻地医療に貢献する方法(僻地の医院を開業するか、勤務する。)により医師としての資格に対する国民の信用、信頼を回復し免許維持に働く場合も考えられます。
6. ただし、示談の成否は、実際には代理人として活動する弁護士の経験と手腕に大きく左右される面があり、特に本件では医師免許取消の回避の可否という人生の重大局面に大きく影響するため、代理人として弁護士を選任するにあたっては、示談交渉の経験が豊富であり、困難な示談を成立させてきた実績を有する等の適任者を慎重に選ぶ必要があるでしょう。
7. その他、医道審議会での意見聴取期日に向けて準備すべき事項について、解説の中で述べていますので、併せてご参照ください。
8.医道審議会に関する関連事例集参照。
解説:
1.準強制わいせつ罪について
あなたが有罪判決を受けた準強制わいせつ罪とは、「人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした」場合に成立する犯罪です(刑法178条1項、176条)。あなたの場合、患者であった被害女性が診察のために必要な措置と誤信するなどして抗拒不能の状態にあったことに乗じて、胸をなで回すなどのわいせつな行為をした点が準強制わいせつに当たると判断されているものと考えられます。
わいせつ事犯における量刑判断の際の考慮要素としては、
一般的に、
①犯行態様の悪質性
②被害弁償の有無
③被害者の処罰感情等
が大きなところとして挙げられます。犯行態様が悪質で被害弁償がなされておらず、被害者の処罰感情も厳しい場合、たとえ初犯であっても実刑判決となるケースもある一方、犯行態様が比較的軽微であり、十分な被害弁償がなされ、示談成立等により被害者の宥恕(刑事処罰を求めない程度に許すこと)が得られているような場合であれば、執行猶予付きの判決を得られることが多いといえます。あなたの場合、被害者との示談が未了の状態で判決を迎えたようですが、犯行態様が他の強制わいせつ事犯と比較して悪質性が高いとまではいえないこと、あなたの反省の状況等が有利に斟酌された結果、執行猶予付きの判決となっているものと考えられます。
2.行政処分の判断枠組み
あなたは準強制わいせつ罪により懲役2年、執行猶予4年の有罪判決が確定していますので、医師法7条2項、4条3号の規定により、厚生労働大臣による行政処分の対象となります。
行政処分の種類としては、戒告、3年以下の医業停止、免許の取消しの3種類が規定されており、このうち如何なる処分が選択されるかは、当該刑事罰の対象となった行為の種類、性質、違法性の程度、動機、目的、影響のほか、当該医師の性格、処分歴、反省の程度等、諸般の事情を考慮し、医道審議会の意見を聴く前提のもとで、厚生労働大臣の合理的な裁量によって決定されることになります(最判昭和63年7月1日)。
そして、厚生労働大臣による行政処分の決定にあたっての考慮要素については、医道審議会医道分科会より平成14年12月13日付で「医師及び歯科医師に対する行政処分の考え方について」(平成24年3月4日改正)と題するガイドラインが定められています。これによると、「処分内容の決定にあたっては、司法における刑事処分の量刑や刑の執行が猶予されたか否かといった判決内容を参考にすることを基本とし、その上で、医師、歯科医師に求められる倫理に反する行為と判断される場合は、これを考慮して厳しく判断する」ことを基本的な考え方とする旨明記されています。
さらに、同ガイドラインの中では、特にわいせつ行為のケースについて、「国民の健康な生活を確保する任務を負う医師、歯科医師は、倫理上も相応なものが求められるものであり、猥せつ行為は、医師、歯科医師としての社会的信用を失墜させる行為であり、また、人権を軽んじ他人の身体を軽視した行為である。」と指摘した上で、「行政処分の程度は、基本的には司法処分の量刑などを参考に決定するが、特に、診療の機会に医師、歯科医師としての立場を利用した猥せつ行為などは、国民の信頼を裏切る悪質な行為であり、重い処分とする。」としています。
すなわち、強制わいせつのように、わいせつ事犯の中でも量刑相場が重いケースにおいては、司法処分の量刑(判決での宣告刑)などが参考にされる結果、行政処分においても重く処断されることが多く、中でも診療の機会に医師としての立場を利用したような、医師に対する社会的信頼を失墜させる程度が大きな悪質なケースにおいては、特に重く処断される、ということになります。
行政処分の決定にあたっては、法の下の平等(憲法14条1項)や憲法13条より導かれる比例原則(達成されるべき目的とそのために取られる手段としての権利・利益の制約との間に合理的な比例関係を要求する原則)が妥当するため、あなたに対する行政処分の決定にあたっても、過去の同種事案の処分相場に沿った判断がなされるものと予想されます。そのため、あなたに対する行政処分として想定される内容を把握する上で、同種事案における行政処分例は大いに参考になります。
<参考資料>
「医師及び歯科医師に対する行政処分の考え方について』医道審議会医道分科会
3.強制わいせつ事案における処分例
では、強制わいせつのケースにおいて、実際にどのような行政処分がなされているのでしょうか。参考となる処分例をいくつか紹介したいと思います。
(1)平成19年9月27日の医道審議会の処分例
罪名:強制わいせつ
事案:ホームに停車中の電車内において、被害女性(当時16歳)に対し、そのスカート右後方部をたくし上げ、そのパンティの中に左手を差し入れて手指で臀部をもてあそぶなどした。
量刑:懲役2年6月、執行猶予4年
処分:医業停止3年
(2)平成23年9月29日の医道審議会の処分例
罪名:強制わいせつ
事案:バス停でバスを待っていた被害女性に対し、背後から抱きついた上、右手を同女のブラジャーの中に差し入れ左胸付近をまさぐるなどした。
量刑:懲役2年、執行猶予4年
処分:医業停止3年
(3)平成18年3月1日の医道審議会の処分例
罪名:準強制わいせつ
事案:被処分者の開設する診療所において、インフルエンザの治療のために来院した被害女性に対し、同女が医師である当人を信頼しているのを利用して、治療を装いながら同女にわいせつ行為をしようと思い立ち、同女に「うつ伏せになるように。」などと言って、診察台の上にうつ伏せにさせた上、同女が必要な治療を施されると信じ、抗拒不能の状態に陥っているのに乗じ、やにわに同女のパンティー及びジャージを引き下ろし、さらに、手指を同女の膣内に挿入するなどした。
量刑:懲役2年(実刑)
処分:医師免許取消
(4)平成22年2月24日の医道審議会の処分例
罪名:強制わいせつ
事案:患者である被害女性(当時25歳)の治療に当たった際、同人に対して強いてわいせつな行為をしようと企て、勤務先歯科医院の診察室において、被害女性の治療を終え、同女の首にかけていた前掛けを取り外す際、その前掛け及び着衣越しに、いきなりその両乳房を両手でつかんで1回もむなどした。
量刑:懲役2年、執行猶予4年
処分:歯科医師免許取消
(5)平成24年3月4日の医道審議会の処分例
罪名:準強制わいせつ
事案:被処分者が開設・管理する医院内において、部下の事務員であった被害女性(当時21歳)が健康診断のために必要な処置と誤信するなどして抗拒不能な状態にあることに乗じ、その着衣を脱がさせるなどして上半身を裸にさせて、仰向けに寝かせるなどし、その乳房等に聴診器を当て、手指を押し当てて触るなどした。
量刑:懲役2年6月、執行猶予4年
処分:医師免許取消
(6)平成23年2月23日の医道審議会の処分例
罪名:準強制わいせつ
事案:被処分者が勤務する病院の診察室内において、被害女性(当時20歳)を診察するにあたり、同女を床面に固定された耳鼻科用診療椅子に座らせた上、診療中「顔は上げたままで。」などと申し向けてその顔を上向きにさせるとともに、その耳鼻咽喉頭部に医療器具を挿入するなどし、同女が動くことのできない抗拒不能の状態にあることに乗じ、同女の膝部に、露出した陰部を数回にわたって押し付けるなどした。
量刑:懲役2年、執行猶予3年
処分:医業停止3年
(7)平成24年3月4日の医道審議会の処分例
罪名:準強制わいせつ
事案:被処分者が経営する医院2階トイレ内において、泥酔したて抗拒不能の状態にある同歯科医院アルバイト従業員の着衣の中に右手を差し入れて、乳房をなで回すなどした。
量刑:懲役2年、執行猶予4年
処分:歯科医業停止2年
4.行政処分例の検討、予想される行政処分
上に示した処分例(1)及び(2)は、いずれも強制わいせつ事犯として一般的な、いわゆる痴漢のケースです。いずれも、刑事裁判では執行猶予付きの懲役刑となっており、行政処分は3年の医業停止となっています。医師法上、医業停止期間の上限は3年とされていることから(医師法7条2項2号)、強制わいせつの事案類型においては、行政手続上も非常に重い処分が予定されているといえるでしょう。
次に、処分例(3)、(4)及び(5)として挙げたのは、いずれも医師(歯科医師)免許取消となったケースです。このうち処分例(3)の場合は刑事裁判で懲役2年の実刑判決を受けています。しかし、処分例(4)及び(5)においては懲役2年執行猶予4年、並びに懲役2年6月、執行猶予4年の執行猶予付きの判決となっていますが、行政処分としては医師(歯科医師)免許取消とされています。これらの処分対象事実として共通しているのは、診療の機会に患者に対してわいせつ行為を行っているという点です。医道審議会医道分科会の平成14年12月13日付ガイドライン「医師及び歯科医師に対する行政処分の考え方について」でも明示されているとおり、診療の機会における医師としての立場を利用してのわいせつ行為は、医師に対する国民の信頼を大きく裏切るものであり、医師に求められる倫理に反する程度が著しく大きいことから、特に厳重な処分がなされていることが分かります。
その上で、処分例(6)を見ると、診療の機会に、医師としての立場を利用して、患者に対してわいせつ行為を行っている事案で刑事裁判では懲役2年、執行猶予3年の有罪判決であるにもかかわらず、行政処分は医師免許取消ではなく、3年の医業停止にとどまっています。では、処分例(3)乃至(5)と処分例(6)とで、何故結果を異にしているのでしょうか。1つの考え得る理由として、示談の成否という要素を挙げることができます。実は、処分例(6)は、被害者との間で示談が成立しているケースでした。診療の機会に行われたわいせつ行為が厳しく処分される理由が、医師に対する国民の信頼を裏切る程度が大きいという点にあることは前述のとおりですが、国民の1人として当該医師に対する信頼を最も直接的に害されているのは、事件の当事者である当該被害者に他なりません。とすれば、示談の成立により、当該被害者自身が加害者である医師に対して厳しい処分まで求めない旨の意思を表示しているような場合、行政処分の決定にあたり「諸般の事情」として処分対象者に有利に斟酌する、という考慮が働いている可能性が高いものと考えられます。
同様に、被害者と示談が成立しているケースとして処分例(7)を見てみると、刑事裁判での量刑は通常の強制わいせつの事案と同程度(懲役2年、執行猶予4年)であるにもかかわらず、行政処分は歯科医業停止2年とされており、強制わいせつ事案における一般的な処分相場である医業停止3年とされている処分例(1)及び(2)とは有意な差異が認められます。
あなたの場合、診察室内において、患者の女性に対し、診察と称して着衣を脱がせて胸をなで回すなどしたということなので、準強制わいせつの事案の中でも、特に重く処分される「診療の機会に医師、歯科医師としての立場を利用した猥せつ行為」のケースに該当します。上記各処分例をはじめとする先例に照らし、被害者との示談が成立していない現状においては、必要な対応を何らせずにいた場合、医師免許取消の処分を受ける可能性が極めて高い状況と言わざるを得ないでしょう。
5.具体的対応
上記のとおり、医師免許取消の回避を目指すためには、最低限、被害者との示談を成立させることが必須となってきます。あなたの場合、刑事手続において、弁護人を通じての示談を試みはしたものの成立に至らなかったとのことですが、示談成立に至らなかった原因がどのような点にあるのか検討するため、従前の示談交渉の経過等をまず把握する必要があります。
仮に被害者の被害感情が強く、謝罪と被害弁償を受け入れてもらえるような状態でなかったとしても、諦めてはいけません。加害者の厳重処罰を希望する被害者が示談に応じない場合、示談の成立が加害者に対する刑の量定の上で加害者に有利に働くことに抵抗感を持っていることが多く、刑事裁判が有罪判決によって終了し、判決が確定したということは、被害者にとっても心理的に1つの大きな節目となっていることが多いように思います。示談交渉を継続するために一審の判決に対して控訴したケースや、医道審対応のため判決確定後であっても示談を行う必要があるケース等において、刑事裁判での判決言渡しを機に、それまで頑なに示談を拒み続けていた被害者の姿勢に変化が生じ、示談成立への思わぬ突破口が開けるということは、度々経験するところです。電話連絡のみならず、手紙、訪問等考え得るあらゆる手段を用いて示談成立に向けて全力を尽くす必要があります。
ただし、示談の成否は、実際には代理人として活動する弁護士の経験と手腕に大きく左右される面があり、特に本件では医師免許取消の回避の可否という人生の重大局面に大きく影響するため、代理人として弁護士を選任するにあたっては、示談交渉の経験が豊富であり、困難な示談を成立させてきた実績を有する等の適任者を慎重に選ぶ必要があるでしょう。
示談交渉と並行して、医道審議会への対応のための準備も進めなければなりません。あなたの場合、医師免許の取消しも想定される事案類型であることから、医道審議会においては、戒告や医業停止処分を想定した「弁明の聴取」ではなく、「意見の聴取」と呼ばれる手続きを経た上で処分が決定されることになります(医師法7条5項)。この意見聴取の際には、処分対象者から有利な証拠資料を提出することが認められているため(医師法7条6項、行政手続法20条2項)、示談関係書類にとどまらない、あらゆる有利な資料を準備し、提出する必要があります。
有利な証拠資料の例としては、まず、刑事記録を精査した上で、行政処分の決定にあたり有利に斟酌され得る事情をまとめて処分の軽減を主張する内容の法的意見書が考えられます。医道審議会においては、刑事手続とは異なり、処分対象者の医師としての適格性の見地も重要な考慮要素となりますので、かかる見地から刑事記録の再検討を行う必要があります。また、あなたの人柄や普段の働きぶりを良く知る医師等の協力を得て、処分の軽減を求める医道審議会宛ての嘆願書を作成してもらう等の活動も有効です。さらに、あなた自身の反省を示す証拠資料として、反省文の作成や、贖罪の一環としてボランティア活動等を行っているような事情があればその活動報告書を作成する等の準備が考えられます。さらに、僻地医療に貢献する方法(僻地の医院を開業するか、勤務する。)により医師としての資格に対する国民の信用、信頼を回復し免許維持(取消回避)に働く場合も考えられます。
意見聴取期日当日も、事実関係の認否、現在の心境、医師としての今後の心構えや行動等、意見聴取の際定型的に聞かれる事項がありますので、あなたの反省の態度が十分に伝わるよう、経験のある専門家の指導を十分受けて臨む必要があります。また、意見の聴取の際には代理人として弁護士の出席も認められているので(行政手続法16条1項・2項)、あなたに対する質疑応答を法的な側面から補充し、医師免許取消を回避すべき旨の法的な意見を述べてもらうようにすると良いでしょう。
上記のような対応は、弁護士の協力なくしては実際上不可能であると思われますし、何より現状、あなたは自分自身の人生を大きく左右し得る重大な局面に置かれているといえます。実際に処分が下されてから後悔することのないよう、速やかに経験のある専門家に相談の上、万全の態勢で対応されることをお勧めいたします。
以上