新銀座法律事務所 法律相談事例集データベース
No.1697、2016/07/19 16:21 https://www.shinginza.com/idoushin.htm

【行政事件、前科がある医学生の医師免許の取得、対策と手続】

前科のある医学生の医師免許申請


質問:現在,私は医学部6年生で,今後医師免許を取得し医師になりたいと考えております。ただ,私は6年前,当時交際していた女性に暴行を加え,重傷を負わせてしまったことがあり傷害の罪で1年間懲役刑を受けていたことがあります。特にその後,罪は犯していません。一方で,被害者からは今回の医師免許取得に際して示談をするなどはしていません。医学生が医師免許登録をする際,前科があると免許を与えられないなど不利な扱いがなされると聞いたことがあるのですがどうしたらよいでしょうか。弁護士に依頼すると何かしていただけるのでしょうか。



回答:

1 医師として活動するためには医師免許が必要となりますが,医師法上,罰金以上の前科がある者には医師免許を与えないことができるとされています(医師法4条)。どのような前科の場合に医師免許が与えられないのかについては、医師となった後の医道審議会による行政処分が参考になります。医師免許付与に際して医師免許取消相当の事案の場合には医師免許を付与しない,医業停止相当事案の場合には各種の書類を提出させた上で一定の留保期間(医業停止期間に準じます)を経た上で医師免許を付与するのが一般的のようです。もっとも,医業停止相当事案であっても諸般の事情を考慮して医師免許を与えないという判断も十分にあり得ます。どのような前科が医師免許取り消しに該当するかについては解説で説明します。

2 したがって,医師免許申請の際には十分な準備をしておくことが必要です。具体的には,被害者との再度の示談交渉の上,医師免許の取得に対して肯定的な意見をもらっておくことが必要です。また,関係者(上司,恩師,家族)などから嘆願書を取得したり,あなた自身の反省文,贖罪寄付などを行っておく必要があります。また,代理人弁護士を通じて厚生労働省宛の意見書を作成してもらい,一切の留保期間なく医師免許を速やかに付与することを主張してもらうことが必要となるでしょう。医師免許申請の際には,示談交渉や各種書面の作成を含め,一度弁護士に相談されることをお勧めします。

3 その他,医師免許に関する事例集としては1630番1540番1538番1500番1489番1485番1411番1343番1325番1303番1288番1245番1241番1144番1085番1102番1079番1042番1034番869番735番653番551番313番266番246番211番48番 参照。


解説:

第1 医師免許の内容,現在置かれている法的地位について

 1 医師免許制度

 あなたは医学生ということですので,今後医師として活動するためには,医師法上,医師免許の付与を受けることが必要とされています。

 医師は,「医療及び保健指導を掌ることによつて公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保」することを目的としており(医師法1条),高度の職責を負っているところです。

 そこで,法は医師としての活動を行うために,医師資格を許可制とし,医師免許を要求しています。医師免許は,医師国家試験に合格した者の中から,個別の申請者の申請により,医籍に登録することによってこれを行います(医師法2条,6条)。医籍とは,医師免許証所有者の氏名・戸籍などを登録する厚生労働省の帳簿のことをいいます。

 2 前科がある場合の医師免許付与について

   医師免許は,医師国家試験に合格した医学生の申請があれば,医師免許の付与を許可するのが原則となっています。

   しかし,これには医師法4条に例外が定められており,以下の4点の場合には医師免許を与えないことができるとされています。

一  心身の障害により医師の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
二  麻薬、大麻又はあへんの中毒者
三  罰金以上の刑に処せられた者
四  前号に該当する者を除くほか、医事に関し犯罪又は不正の行為のあつた者

   あなたの場合,傷害罪で懲役刑1年の刑に処せられたということですので,2号の「罰金以上の刑に処せられた者」に該当することになります。罪名を問わず何らかの犯罪で罰金刑ないし懲役刑を受けた場合には,免許拒否事由に該当することになるのです。

医師免許の具体的な申請手続については,厚生労働省のホームページを参照して下さい。

<参考HP> 厚生労働省
http://shinsei.e-gov.go.jp/search/servlet/Procedure?CLASSNAME=GTAMSTDETAIL&id=4950000000730
  
   医師免許を受けるためには,医師国家試験合格後,上記の指針に従い,適式の書式を厚生労働省に提出することが必要です。また,前科がある場合にはその判決書を提出することが要求されています。

   この厚生労働省の指針には,「罰金以上の刑に処せられたことがある場合,通常より審査に時間を要します。また,審査の結果,免許を与えないと決定されることがある。」との記載があり,一定の場合には免許を与えない,また,免許付与まである程度の時間がかかるとの立場が明らかになっています。厚生労働省は,必要に応じて独自に前科に対する調査を行うことも可能です。

   医師法4条には「免許を与えないことができる」とするのみで,実際の運用については厚生労働省に委ねられることとなりますが,ここで参考となるのが,医師となった後に刑事事件を起こし罰金以上の刑に処せられた場合の,医道審議会による医師免許への行政処分です。

   医道審議会における行政処分では,戒告,医業停止,医師免許取消がそれぞれ用意されていますが,それに対応する形で医師免許付与決定の判断に影響があるようです。

   具体的には,(1)犯した罪の内容その他の諸般の事情に照らして免許取消相当の事案と判断された場合には医師免許を付与しない,(2)比較的長期の医業停止相当の事案と判断された場合には,反省文,始末書,上申書その他有利な資料を提出した上で,停止期間に相当する期間(数か月から1〜2年程度),医師免許付与の決定を留保することがあるというのが,現在の厚生労働省の立場になっています。

   なお,ここにいう「罰金以上の刑に処せられたことがある場合」というのは,刑の法律上の効果が消滅していないことが条件となっています。例えば,懲役刑で執行猶予期間を満了した場合や(刑法27条),一定の期間が経過し刑の消滅(刑法34条の2  懲役刑の場合は、刑の執行が終わってから罰金以上の刑に処せられずに10年経過する必要があります)。となった場合には,刑の言渡しの効果が消滅しますので,敢えて医師免許申請の際に刑に処せられたことを告げる必要はありません(この点は,上記厚生労働省ホームページにも記載があります)。

3 本件での具体的処遇

   以上を本件についてみていきます。ご相談の傷害罪の場合,医師となった場合の医道審議会における行政処分としては,戒告から1年程度の医業停止処分まで幅広い内容となっています。これを医師免許申請段階で判断すると,停止期間に相当する期間,最大で1〜2年程度医師免許付与の決定が留保される可能性があります。また,諸般の事情を考慮して,事案として悪質である,被害者への補償が十分でない,将来の意思としての適格性に欠けるなどの事情が認められるような場合には,医師免許を付与しないという決定も十分にあり得るところです。

   もっとも,医師法4条は免許を「与えないことができる」と消極的な表現を取っており,必ず医師免許が与えられないということでもありませんし,上記とは異なる判断がなされることもあります。医師免許の際に,適切な反省文,始末書や上申書,さらには下記に述べるような有利な情状資料を提出・主張を行えば留保期間なしか短期間に短縮された上で医師免許の付与を受けることは十分に可能でしょう。

   したがって,医師免許申請の際には十分に準備をしておく必要があります。具体的な準備活動については,第2以下で検討していきます。

第2 医師免許取得のために行うべき具体的な活動

 1 被害者との示談交渉

   具体的な準備活動としては,医師となった後の医道審議会における行政処分の際の判断資料が参考になります。医道審議会に刑事事件の内容を報告する際,事案報告書という書類を提出することとなりますが,その際に「被害者への補償状況」についても報告することとされています。

   ここで被害者への補償というのは,被害者の受けた精神的苦痛その他生じた損害への金銭的な慰謝(損害賠償,被害弁償),被害者への謝罪,被害者との示談成立の有無を報告することになります。示談が成立した場合には,示談合意書を合わせて提出することになるでしょう。

   そして,上記のとおり医師免許取得に際しては概ね医道審議会と同様の判断がなされるわけですから,やはり被害者との示談交渉は重要とされます。したがって,被害者との示談交渉が済んでいないような場合には,医師免許の申請をする前に行っておく必要があります。

   そして,医師免許の付与は行政処分であり,被害者との交渉の結果,被害者が医師免許取得について賛成(特段反対しない)ということであれば,その旨の上申書が極めて有効になります。

   一旦刑事事件の際に示談をした場合であっても,上記の行政処分(医師免許付与)に関する上申書を取得していないような場合には,再度の示談交渉を行うことが有用といえます。

   示談交渉の際には,再度本件について迷惑を掛けたことを謝罪し(通常は謝罪文を読んでいただきます),かつ,適切な被害弁償金の交付,さらには被害者及びその他関係者に対して二度と接近しない旨を誓約することを通じて,被害者の方に医師免許取得について積極的な意見を頂けるかが重要になるでしょう。

 2 反省文の提出

   第1の厚生労働省のホームページによれば,前科があるような場合には,反省文の提出が必要とされています。

   当該反省文には,前科の内容,前科について申請者であるあなたが深い反省の意思を示していること,被害者への補償・示談の状況,現在は再犯を犯すことなく更生していること(その具体的な方策),医学生として勤勉に勉学・研究活動に邁進してきたことなどを詳細に記載する必要があります。

   記載内容については,一度被害者への示談交渉と合わせ弁護士に相談されることをお勧めします。

 3 嘆願書の取得

   また,将来の意思としての適格性を示すため,恩師・友人・同僚・親族から医師免許取得に関する嘆願書を取得することが有効といえます。嘆願書においては,これまでのあなたの勉学・学習態度が勤勉であることに加え,本件について反省・更生していること(監督者であればこれまで十分な監督を行ってきたこと),医師免許の取得において一切の保留期間を与えない・免許を付与しない判断はしないように嘆願してもらうよう記載をしていただく必要があります。

   この点の記載内容ついては,一度弁護士に相談された上,嘆願書を書いていただける各人と協議の上,内容を決定していく必要があるでしょう。

 4 贖罪寄付

   被害者への金銭賠償に加え,社会に対する謝罪の意思を示す方法として,贖罪寄付を行うことも有用といえるでしょう。

5 代理人弁護士からの意見書の提出・交渉

   上記1から4に加え,代理人弁護士から厚生労働省に対する意見書を提出することも有用といえます。代理人弁護士からは,医師法の制度趣旨に鑑みて,医師免許を拒否するのは極めて例外的な場合に限られること,併せて医師免許を保留する期間も付けないか極めて短期にすべきことを主張することになります。

   上記の被害者への示談交渉や嘆願書,反省文については意見書と併せて提出することになるでしょう。

   また,意見書においては,医道審議会における行政処分と比較して,本件が戒告(ないしはさらに軽い厳重注意や不処分にとどまる)相当の事案であり,本来医師免許付与に何ら影響のないものであることを示していくことが必要です。

   さらに,刑事事件時には主張されなかった有利な事情(本件刑事事件と医師としての適格性は一切関係が無いこと,当時被害者と示談をしていたのであればその示談内容,本件刑事事件を起こしてしまったのはやむを得ない事情があることなど)についても,適宜拾い上げて主張する必要があります。

そのためには,過去の刑事記録を取り寄せて,詳細な意見書を作成する必要があるでしょう。

6 結論

   以上1から5のあなたに有利な情状資料や主張書面を合わせて,医師免許申請の際に提出することになります。あなたに有利な事情を十分に斟酌していただいた場合には,留保期間がないか極めて短期で医師免許の付与を認めていただくことも十分にあり得るところです。場合によっては,代理人弁護士を介して免許の審査(厚生労働省の免許登録係)担当者と面談の上,さらに意見を述べることも必要でしょう。

   医師免許の付与は,あなたの医師としての活動をスタートさせるために必要不可欠の手続ですので,お困りの場合には一度弁護士に相談されることを強くお勧めします。

<参照条文>
医師法
第一章 総則

第一条  医師は、医療及び保健指導を掌ることによつて公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする。

 第二章 免許

第二条  医師になろうとする者は、医師国家試験に合格し、厚生労働大臣の免許を受けなければならない。

第三条  未成年者、成年被後見人又は被保佐人には、免許を与えない。

第四条  次の各号のいずれかに該当する者には、免許を与えないことがある。
一  心身の障害により医師の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
二  麻薬、大麻又はあへんの中毒者
三  罰金以上の刑に処せられた者
四  前号に該当する者を除くほか、医事に関し犯罪又は不正の行為のあつた者

第五条  厚生労働省に医籍を備え、登録年月日、第七条第一項又は第二項の規定による処分に関する事項その他の医師免許に関する事項を登録する。

第六条  免許は、医師国家試験に合格した者の申請により、医籍に登録することによつて行う。
2  厚生労働大臣は、免許を与えたときは、医師免許証を交付する。
3  医師は、厚生労働省令で定める二年ごとの年の十二月三十一日現在における氏名、住所(医業に従事する者については、更にその場所)その他厚生労働省令で定める事項を、当該年の翌年一月十五日までに、その住所地の都道府県知事を経由して厚生労働大臣に届け出なければならない。

第六条の二  厚生労働大臣は、医師免許を申請した者について、第四条第一号に掲げる者に該当すると認め、同条の規定により免許を与えないこととするときは、あらかじめ、当該申請者にその旨を通知し、その求めがあつたときは、厚生労働大臣の指定する職員にその意見を聴取させなければならない。

第七条  医師が、第三条に該当するときは、厚生労働大臣は、その免許を取り消す。
2  医師が第四条各号のいずれかに該当し、又は医師としての品位を損するような行為のあつたときは、厚生労働大臣は、次に掲げる処分をすることができる。
一  戒告
二  三年以内の医業の停止
三  免許の取消し
3  前二項の規定による取消処分を受けた者(第四条第三号若しくは第四号に該当し、又は医師としての品位を損するような行為のあつた者として前項の規定による取消処分を受けた者にあつては、その処分の日から起算して五年を経過しない者を除く。)であつても、その者がその取消しの理由となつた事項に該当しなくなつたとき、その他その後の事情により再び免許を与えるのが適当であると認められるに至つたときは、再免許を与えることができる。この場合においては、第六条第一項及び第二項の規定を準用する。
4  厚生労働大臣は、前三項に規定する処分をなすに当つては、あらかじめ、医道審議会の意見を聴かなければならない。
5  厚生労働大臣は、第一項又は第二項の規定による免許の取消処分をしようとするときは、都道府県知事に対し、当該処分に係る者に対する意見の聴取を行うことを求め、当該意見の聴取をもつて、厚生労働大臣による聴聞に代えることができる。
6  行政手続法 (平成五年法律第八十八号)第三章第二節 (第二十五条、第二十六条及び第二十八条を除く。)の規定は、都道府県知事が前項の規定により意見の聴取を行う場合について準用する。この場合において、同節 中「聴聞」とあるのは「意見の聴取」と、同法第十五条第一項 中「行政庁」とあるのは「都道府県知事」と、同条第三項 (同法第二十二条第三項 において準用する場合を含む。)中「行政庁は」とあるのは「都道府県知事は」と、「当該行政庁が」とあるのは「当該都道府県知事が」と、「当該行政庁の」とあるのは「当該都道府県の」と、同法第十六条第四項 並びに第十八条第一項 及び第三項 中「行政庁」とあるのは「都道府県知事」と、同法第十九条第一項 中「行政庁が指名する職員その他政令で定める者」とあるのは「都道府県知事が指名する職員」と、同法第二十条第一項 、第二項及び第四項中「行政庁」とあるのは「都道府県」と、同条第六項 、同法第二十四条第三項 及び第二十七条第一項 中「行政庁」とあるのは「都道府県知事」と読み替えるものとする。
7  厚生労働大臣は、都道府県知事から当該処分の原因となる事実を証する書類その他意見の聴取を行う上で必要となる書類を求められた場合には、速やかにそれらを当該都道府県知事あて送付しなければならない。
8  都道府県知事は、第五項の規定により意見の聴取を行う場合において、第六項において読み替えて準用する行政手続法第二十四条第三項 の規定により同条第一項 の調書及び同条第三項 の報告書の提出を受けたときは、これらを保存するとともに、当該調書及び報告書の写しを厚生労働大臣に提出しなければならない。この場合において、当該処分の決定についての意見があるときは、当該写しのほか当該意見を記載した意見書を提出しなければならない。
9  厚生労働大臣は、意見の聴取の終結後に生じた事情に鑑み必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、前項前段の規定により提出された調書及び報告書の写し並びに同項後段の規定により提出された意見書を返戻して主宰者に意見の聴取の再開を命ずるよう求めることができる。行政手続法第二十二条第二項 本文及び第三項 の規定は、この場合について準用する。
10  厚生労働大臣は、当該処分の決定をするときは、第八項の規定により提出された意見書並びに調書及び報告書の写しの内容を十分参酌してこれをしなければならない。
11  厚生労働大臣は、第二項の規定による医業の停止の命令をしようとするときは、都道府県知事に対し、当該処分に係る者に対する弁明の聴取を行うことを求め、当該弁明の聴取をもつて、厚生労働大臣による弁明の機会の付与に代えることができる。
12  前項の規定により弁明の聴取を行う場合において、都道府県知事は、弁明の聴取を行うべき日時までに相当な期間をおいて、当該処分に係る者に対し、次に掲げる事項を書面により通知しなければならない。
一  第二項の規定を根拠として当該処分をしようとする旨及びその内容
二  当該処分の原因となる事実
三  弁明の聴取の日時及び場所
13  厚生労働大臣は、第十一項に規定する場合のほか、厚生労働大臣による弁明の機会の付与に代えて、医道審議会の委員に、当該処分に係る者に対する弁明の聴取を行わせることができる。この場合においては、前項中「前項」とあるのは「次項」と、「都道府県知事」とあるのは「厚生労働大臣」と読み替えて、同項の規定を適用する。
14  第十二項(前項後段の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の通知を受けた者は、代理人を出頭させ、かつ、証拠書類又は証拠物を提出することができる。
15  都道府県知事又は医道審議会の委員は、第十一項又は第十三項前段の規定により弁明の聴取を行つたときは、聴取書を作り、これを保存するとともに、報告書を作成し、厚生労働大臣に提出しなければならない。この場合において、当該処分の決定についての意見があるときは、当該意見を報告書に記載しなければならない。
16  厚生労働大臣は、第五項又は第十一項の規定により都道府県知事が意見の聴取又は弁明の聴取を行う場合においては、都道府県知事に対し、あらかじめ、次に掲げる事項を通知しなければならない。
一  当該処分に係る者の氏名及び住所
二  当該処分の内容及び根拠となる条項
三  当該処分の原因となる事実
17  第五項の規定により意見の聴取を行う場合における第六項において読み替えて準用する行政手続法第十五条第一項 の通知又は第十一項 の規定により弁明の聴取を行う場合における第十二項 の通知は、それぞれ、前項の規定により通知された内容に基づいたものでなければならない。
18  第五項若しくは第十一項の規定により都道府県知事が意見の聴取若しくは弁明の聴取を行う場合又は第十三項前段の規定により医道審議会の委員が弁明の聴取を行う場合における当該処分については、行政手続法第三章 (第十二条及び第十四条を除く。)の規定は、適用しない。

第七条の二  厚生労働大臣は、前条第二項第一号若しくは第二号に掲げる処分を受けた医師又は同条第三項の規定により再免許を受けようとする者に対し、医師としての倫理の保持又は医師として具有すべき知識及び技能に関する研修として厚生労働省令で定めるもの(以下「再教育研修」という。)を受けるよう命ずることができる。
2  厚生労働大臣は、前項の規定による再教育研修を修了した者について、その申請により、再教育研修を修了した旨を医籍に登録する。
3  厚生労働大臣は、前項の登録をしたときは、再教育研修修了登録証を交付する。
4  第二項の登録を受けようとする者及び再教育研修修了登録証の書換交付又は再交付を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納めなければならない。
5  前条第十一項から第十八項まで(第十三項を除く。)の規定は、第一項の規定による命令をしようとする場合について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。

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