医学生の医師免許交付申請と恩赦

行政|罰金以上の刑を受けた場合の医師免許申請への影響、医籍登録の遅れを回避する方策|新天皇の即位に伴う政令恩赦と特別基準恩赦

目次

  1. 質問
  2. 回答
  3. 解説
  4. 関連事例集
  5. 参照条文

質問

私は、令和元年10月の現在、医学部の5年生に所属する者です。私は、来年度の医師国家試験を受験し、合格すれば医師となるつもりなのですが、実は、1年ほど前に、駅で盗撮行為をしたということで罰金30万円の処罰を受けたことがあります。

罰金の前科があると、医師免許を申請する際に支障がでる場合があると聞きましたが、私の場合も、医師免許が交付されない可能性があるのでしょうか。

また、報道で、新元号への改正により、恩赦が実施されることになったと聞きました。私の前科にも影響があるのでしょうか。

回答

1 医師免許の申請について、医師法では、「罰金以上の刑に処せられた者(医師法4条3号)」に該当する場合、「免許を与えないことがある。」と規定されています。もっとも、仮に罰金の前科がある場合でも、原則として医師免許が付与されないということは無く、審査を経て特段の問題がなければ、免許が付与されるのが通常です。一方で、そのような審査が介入する関係上、他の方と比べて、付与されるまで期間が余計にかかってしまうことはあり得るところです。そのため、場合によっては、就職(研修)先で医師として就業可能となる時期が遅延してしまう危険があります。

2 このような遅延は、医師免許申請時に、弁護士から有利な事情を記載した意見書等(反省文、被害者の示談書、贖罪寄付証明書など)を提出することで、回避できる場合もあります。

3 なお、この度、新天皇の御即位に伴い、恩赦が行われることとなりました。今回の恩赦は、主に以下の2つが存在ます。

① 政令恩赦として、罰金刑を受け終わった者であって、かつ、3年間再び処罰されていないものについて、刑に処せられたため生じた資格の制限をなくす「復権」を行う。

② 特別基準恩赦として、一定の基準を定め、これに該当する者について、犯情、本人の性格及び行状、犯罪後の状況、社会の感情等を個別に審査して行う「刑の執行の免除」及び「復権」を実施する。

本件のあなたのように、罰金の前科により医師免許の交付に制限が存在するような場合には、上記②の特別恩赦による「復権」が受けられる可能性があります。特別基準恩赦を受けるためには、基準に該当する者が、自ら恩赦の出願をして、中央更生保護審査会の審査で認められる必要があります。出願の期限は、令和2年1月21日までです。恩赦の実施を受けるためには、恩赦の要件に該当することや恩赦の必要性等を具体的に主張する必要がございます。弁護士を代理人として出願することもできますので、詳細は弁護士に相談してみることをお勧め致します。

4 その他本件に関連する事例集はこちらをご覧ください。

解説

1 医師免許交付の要件

医師免許の付与の要件について、医師法では、下記のように規定しています。

医師法

第四条 次の各号のいずれかに該当する者には、免許を与えないことがある。
一号 心身の障害により医師の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
二号 麻薬、大麻又はあへんの中毒者
三号 罰金以上の刑に処せられた者
四号 前号に該当する者を除くほか、医事に関し犯罪又は不正の行為のあつた者

本件のように、過去に罰金刑を受けたことがある方が医師免許の申請をした場合、形式的には、上記医師法四条三号に該当するものとして、免許が付与されないということがあり得ることになります。

もっとも、実際には、同条を理由に「免許が交付されない」という結論になることは、殆どありません。

ただし、これらの制限事由に該当する場合には、医師免許の交付が遅れてします場合が存在します。厚生労働省「免許申請にかかる留意事項について」の中でも、その旨が記載されています。

例えば、新規に国家試験に合格された方の場合、3月中旬の合格発表の後、速やかに申請を行い、3月末頃には医師免許が交付され、医籍に登録されるのが通常です。医師としての就業先(研修先)も、それを前提に内定を出していることが多いかと存じます。しかし、罰金の前科がある場合、医籍登録の審査に時間がかかり、合格発表直後に申請をしても、実際に医籍に登録されるのが、4月以降になってしまうということがあります。

実際に、どの程度医籍登録が遅れるのかについて、明確な基準が存在するものではございません。実際の運用では、医師となった後で同じような罰金刑を受けた場合の行政処分(医業停止など)の期間と同じような期間、交付が留保されるという場合も多いようです。

今回の相談のケースのように、盗撮事件で罰金刑となった場合、医師であれば3か月程度の医業停止処分となるケースが多いため、相談者の場合も、医師免許の交付の申請をしてから、医籍に登録されるまでに3か月程度を要する場合が可能性は否定できません。

なお、仮に罰金刑を受けてから、他の刑に処されないで5年以上の期間が経過している場合には、法律上、刑が消滅しているため、医師法上の制限には該当しません(刑法34条の2)。

2 医師免許の交付申請時の提出資料

このような遅延は、医師免許申請時に、弁護士から有利な事情を記載した意見書等(反省文、被害者の示談書、贖罪寄付証明書など)を提出することで、回避できる場合もあります。

前述の厚生労働省「免許申請にかかる留意事項について」の中では、罰金以上の刑に処せられたことがある場合の添付資料として、「略歴書」、「反省文」等を添付することが認められています。すなわち、厚生労働省としても、医師免許の付与にあたって、本人の反省状況含めた事件に関する事情を考慮していることになります。

そのため、これらの書類と併せて、申請者にとって有利な情状を証明する書類を審査に提出することによって、免許交付までの遅延期間を短縮できる可能性が存在します。

具体的には、被害者との間で示談が済んでいる旨の合意書、贖罪のための寄付を行った証明書などを添付することが考えられます。また、医師免許の遅延の不利益が大きいことの証明として、内定している研修先の証明書や嘆願書等を提出することも考えられます。

さらに、法律の解釈上、殊更に医師免許の交付を遅延させることが違法となる旨を指摘する弁護士からの意見書等も提出することが可能です。

これらの書類を提出し、罰金の前科がある場合でも、他の方と同様の期間で医師免許の交付が受けられた例は多数存在しますので、状況によっては、弁護士へ相談することをお勧め致します。

3 恩赦について

(1) 新天皇即位による恩赦の対象

なお、この度、新天皇の御即位に伴い、恩赦が行われることとなりました。具体的には、令和元年10月18日、「復権令」及び「即位の礼に当たり行う特別恩赦基準」が閣議決定されました。

これにより実施される恩赦は、主に以下の2つが存在ます。

① 復権令

いわゆる政令恩赦として、罰金刑を受け終わった者であって、かつ、3年間再び処罰されていない者について、刑に処せられたため生じた資格の制限をなくす「復権」を行うものです。

政令恩赦は、基準に該当する者に対して一律に行うものですので、対象者が自ら申請をしたりする必要はありません。基準日である令和元年10月22日に自動的に効力が発生していることになります。

もし罰金刑から3年以上が経過している場合には、この「復権」の効力により、法令上の資格制限がなくなりますので、医師免許の付与を申請する際にも、医師法4条3号の欠格事由に該当することがなくなります。

② 即位の礼に当たり行う特別恩赦基準

こちらの恩赦は、いわゆる特別基準恩赦であり、政府が一定の基準を定め、これに該当する者について、犯情、本人の性格及び行状、犯罪後の状況、社会の感情等を個別に審査して、恩赦が相当と認められた場合に、「刑の執行の免除」及び「復権」を行う形式となります。

このうち、「刑の執行の免除」の基準は、「基準日の前日までに刑に処せられた者のうち、懲役、禁錮又は罰金に処せられ、病気その他の事由により基準日までに長期にわたり刑の執行が停止され、かつ、なお長期にわたりその執行に耐えられないと認められるもの」とされています。

そして「復権」の基準は、「1個又は2個以上の裁判により罰金の刑に処せられ、基準日の前日までにその全部の執行を終わり又は執行の免除を得た者(他に禁錮以上の刑に処せられている者を除く。)のうち、刑に処せられたことが現に社会生活を営むに当たり障害となっていると認められるもの」です。

今回の基準日は、令和元年10月22日です。

本件の相談者は、約1年前に罰金刑に処せられたとのことですので、上記のうち「復権」の対象となる可能性があります。問題は、「刑に処せられたことが現に社会生活を営むに当たり障害となっていると認められるもの」に該当するか否かですが、現に医学部に在籍して医師国家試験を受験する要件を満たす見込みであり、医師免許交付申請を行う可能性が相当程度高いと言える状況であれば、罰金の前科が社会生活上の障害となっていると認められる可能性は十分に存在します。

この特別基準恩赦により復権が認められれば、医師免許の付与を申請する際にも、医師法4条3号の欠格事由に該当することがなくなりますので、本件でも、まず特別基準恩赦の申請をすることが考えられます。

(2) 特別基準恩赦の手続き

特別基準恩赦による復権を受けるためには、対償となる罰金刑の事件を担当した検察庁の検察官に復権の出願をすることになります。今回の恩赦については、恩赦の出願の期限が令和2年1月21日とされていますので、必ずその日までに出願を行う必要があります。

出願を受けた検察官は、意見を付して、中央更生保護審査会に恩赦の上申を行うことになります(恩赦法施行規則3条2項)。中央更生保護審査会が恩赦の実施を相当と認めた場合には、法務大臣への申出がなされ、最終的には内閣の決定、天皇の認証を経て、恩赦の効力が生じます。

(3) 恩赦を得るための方策

中央更生保護審査会が恩赦の実施を決める際の審査の基準については、法律上明確な定めがありませんが、中央更生保護審査会は、恩赦を実施すべきである旨の申出を法務大臣に対してする場合、あらかじめ、「申出の対象となるべき者の性格、行状、違法な行為をするおそれの有無、その者に対する社会の感情その他の事項」について、必要な調査を行う必要があると定められています(更生保護法90条1項)。

そのため、恩赦を得るためには、これらの調査事項に即した形で、恩赦の出願をすることが必要となります。もちろん、今回の恩赦の基準要件となる「刑に処せられたことが現に社会生活を営むに当たり障害となっていると認められるもの」についても、示すことが必要です。

具体的には、出願書類の中には、本人からの反省文の提出はもちろん、事件後の社会生活の状況の報告・説明、医師免許の交付申請を行う予定であることを示す資料(医学部の在籍証明書、成績証明書)等を詳細に記載する必要があります。場合によっては、罪を犯したことを贖うために、弁護士会等の公益団体に対して、贖罪寄付を行うことも考えられます。

また、上記調査事項の中の「その者に対する社会の感情」の中には、被害者の処罰感情といった面も含まれると考えられますので、被害者との示談や被害弁償を証明する書類等も添付すると良いでしょう。刑事事件の際に示談ができていない場合には、恩赦出願に際して改めて示談の申し入れを行うことも考えられます。

注意すべき点として、前記(2)のような恩赦の手続きには、相当程度の期間がかかる見込みです。そのため、医師免許の申請予定時期によっては、出願の際に、恩赦の趣旨を実現するためには迅速な処理が要請される旨を記載した意見書等も添付する必要があります。

なお、中央更生保護審査会の恩赦に関する決定に対しては、不服を申し立てることができません。つまり一発勝負になります。

そのため、恩赦を得る可能性を高めるためには、弁護士に相談した上で必要な資料を十分に取り揃えて、法律的な意見書等も付した上で、手続きを進めることをお勧め致します。

4 まとめ

罰金等の前科がある場合、折角難関の国家試験を突破して医師としてのキャリアをスタートさせる最初の段階で思わぬ躓きが生じてしまう危険があります。

恩赦の実施に伴い、そのような不利益を回避できる手段も存在しますので、できるだけ早い時期に医師の行政処分について経験のある弁護士に相談し、対応について協議をすることをお勧めします。

以上

関連事例集

その他の事例集は下記のサイト内検索で調べることができます。

Yahoo! JAPAN

参照条文
医師法

第四条 次の各号のいずれかに該当する者には、免許を与えないことがある。
一 心身の障害により医師の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
二 麻薬、大麻又はあへんの中毒者
三 罰金以上の刑に処せられた者
四 前号に該当する者を除くほか、医事に関し犯罪又は不正の行為のあつた者

第七条 医師が、第三条に該当するときは、厚生労働大臣は、その免許を取り消す。
2 医師が第四条各号のいずれかに該当し、又は医師としての品位を損するような行為のあつたときは、厚生労働大臣は、次に掲げる処分をすることができる。
一 戒告
二 三年以内の医業の停止
三 免許の取消し
(略)

即位の礼に当たり行う特別恩赦基準

(趣旨)
1 即位の礼が行われるに当たり、内閣は、この基準により刑の執行の免除 及び復権を行うこととする。

(対象)
2 この基準による刑の執行の免除又は復権は、令和元年10月22日(以下「基準日」という。)の前日までに有罪の裁判が確定している者に対して行う。ただし、第5項第2号に規定する者については、その定めるところによる。

(出願又は上申)
3(1) この基準による刑の執行の免除又は復権は、本人の出願を待って行うものとし、本人は、基準日から令和2年1月21日までに検察官又は保護観察所の長(恩赦法施行規則(昭和22年司法省令第78号)の定めるところにより刑の執行の免除又は復権の上申の権限を有する検察官又は保護観察所の長をいう。以下同じ。)に対して出願をするものとする。

(2) 検察官又は保護観察所の長は、前号の出願があった場合には、令和2年4月21日までに中央更生保護審査会に対して上申をするものとする。

(3) 第5項第2号の規定による復権の場合は、前2号の規定にかかわらず、それぞれ、第1号の出願は令和2年4月21日までに、前号の上申は令和2年7月21日までにすることができる。

(4) 第1号及び第2号の規定は、この基準による刑の執行の免除又は復権について、検察官又は保護観察所の長が必要あると認める場合に職権により上申をすることを妨げるものではない。この場合においては、上申をする期限は、前2号に定めるところによる。

(刑の執行の免除の基準)
4 刑の執行の免除は、基準日の前日までに刑に処せられた者のうち、懲役、禁錮又は罰金に処せられ、病気その他の事由により基準日までに長期にわたり刑の執行が停止され、かつ、なお長期にわたりその執行に耐えられないと認められるものであって、犯情、本人の性格及び行状、犯罪後の状況、社会の感情、刑の執行の免除を必要とする事情等を考慮して、特に刑の執行の免除をすることが相当であると認められるものについて行う。

(復権の基準)
5(1) 復権は、1個又は2個以上の裁判により罰金の刑に処せられ、基準日の前日までにその全部の執行を終わり又は執行の免除を得た者(他に禁錮以上の刑に処せられている者を除く。)のうち、刑に処せられたことが現に社会生活を営むに当たり障害となっていると認められるものであって、犯情、本人の性格及び行状、犯罪後の状況、社会の感情等を考慮して、特に復権することが相当であると認められるものについて行う。

(2) 前号に規定する者のほか、基準日の前日までに1個又は2個以上の略式命令の送達、即決裁判の宣告又は判決の宣告を受け、令和2年1月21日までにその裁判に係る罪の全部について罰金に処せられ、基準日から令和2年1月21日までにその全部につき執行を終わり又は執行の免除を得た者のうち、刑に処せられたことが現に社会生活を営むに当たり障害となっていると認められるものであって、犯情、本人の性格及び行状、犯罪後の状況、社会の感情等を考慮して、特に復権することが相当であると認められるものについても復権を行うことができる。

(犯罪被害者等の心情の配慮)
6 前2項の規定の適用に当たっては、犯罪被害者等基本法(平成16年法律第161号)に基づき犯罪被害者等の視点に立った施策が推進されていることに鑑み、本人がした犯罪行為により被害を受けた者及びその遺族の心情に配慮するものとする。

(その他)
7 この基準に当たらない者であっても、刑の執行の免除又は復権を行うことが相当であるものには、常時恩赦を行うことを考慮するものとする。

恩赦法

第一条 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権については、この法律の定めるところによる。

第二条 大赦は、政令で罪の種類を定めてこれを行う。

第三条 大赦は、前条の政令に特別の定のある場合を除いては、大赦のあつた罪について、左の効力を有する。
一 有罪の言渡を受けた者については、その言渡は、効力を失う。
二 まだ有罪の言渡を受けない者については、公訴権は、消滅する。

第四条 特赦は、有罪の言渡を受けた特定の者に対してこれを行う。

第五条 特赦は、有罪の言渡の効力を失わせる。

第六条 減刑は、刑の言渡を受けた者に対して政令で罪若しくは刑の種類を定めてこれを行い、又は刑の言渡を受けた特定の者に対してこれを行う。

第七条 政令による減刑は、その政令に特別の定めのある場合を除いては、刑を減軽する。
2 特定の者に対する減刑は、刑を減軽し、又は刑の執行を減軽する。
3 刑の全部の執行猶予の言渡しを受けてまだ猶予の期間を経過しない者に対しては、前項の規定にかかわらず、刑を減軽する減刑のみを行うものとし、また、これとともに猶予の期間を短縮することができる。
4 刑の一部の執行猶予の言渡しを受けてまだ猶予の期間を経過しない者に対しては、第二項の規定にかかわらず、刑を減軽する減刑又はその刑のうち執行が猶予されなかつた部分の期間の執行を減軽する減刑のみを行うものとし、また、刑を減軽するとともに猶予の期間を短縮することができる。

第八条 刑の執行の免除は、刑の言渡しを受けた特定の者に対してこれを行う。ただし、刑の全部の執行猶予の言渡しを受けた者又は刑の一部の執行猶予の言渡しを受けてその刑のうち執行が猶予されなかつた部分の期間の執行を終わつた者であつて、まだ猶予の期間を経過しないものに対しては、その刑の執行の免除は、これを行わない。

第九条 復権は、有罪の言渡を受けたため法令の定めるところにより資格を喪失し、又は停止された者に対して政令で要件を定めてこれを行い、又は特定の者に対してこれを行う。但し、刑の執行を終らない者又は執行の免除を得ない者に対しては、これを行わない。

第十条 復権は、資格を回復する。
2 復権は、特定の資格についてこれを行うことができる。

第十一条 有罪の言渡に基く既成の効果は、大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除又は復権によつて変更されることはない。

第十二条 特赦、特定の者に対する減刑、刑の執行の免除及び特定の者に対する復権は、中央更生保護審査会の申出があつた者に対してこれを行うものとする。

更生保護法

第九十条 審査会は、前条の申出をする場合には、あらかじめ、申出の対象となるべき者の性格、行状、違法な行為をするおそれの有無、その者に対する社会の感情その他の事項について、必要な調査を行わなければならない。
2 審査会は、刑事施設若しくは少年院に収容されている者又は労役場に留置されている者について、特赦、減刑又は刑の執行の免除の申出をする場合には、その者が、社会の安全及び秩序を脅かすことなく釈放されるに適するかどうかを考慮しなければならない。