公正証書について(最終改訂平成16年3月31日)

  公正証書とは、権限のある公証人によって作成され(公証人法1条)、公的に証明された契約書を意味します。「債務者は、本契約の条件に違反した場合は直ちに強制執行に服する旨認諾した」という、強制執行認諾文言がついた公正証書(民事執行法22条1項5号、執行証書)なら、契約違反があれば、裁判をしなくても、直ちに強制執行をして、相手の財産を差し押さえることができます。つまり、勝訴判決と同様の効果を持つ、強力な書類です。また、公正証書の遺言書(民法969条)がある場合は、家庭裁判所の遺言書確認作業(遺言検認手続、民法1004条)の必要がなく、直ちに遺言執行をすることができます。

 公正証書に使われることが多いのは、遺言公正証書、金銭の貸借に関する契約公正証書、建物などの賃貸借に関する公正証書、離婚に伴う慰謝料・養育費の支払に関する公正証書などがあります。

 また、最近導入された定期建物賃貸借制度では公正証書等の書面によって契約をするときに限り、契約の更新がない旨を定めることができることとされておりますし、任意後見制度では、任意後見契約を公正証書で作成することにより、痴呆症や寝たきりになる前に、あらかじめ自分の後見人を決めておき、自分で動くことができなくなった場合でも財産上の管理などをスムーズに進めることができます。

 公正証書の作成は、公証役場で公証人が行いますが、文面を決めるのは契約当事者です。どのような文面にしたらよいのか、あらかじめ弁護士等の専門家に相談してから作成するのが良い方法です。

公正証書作成手数料について(公証役場の費用、参考)

 100万円まで、 5000円
 200万円まで、 7000円
 500万円まで、11000円
1000万円まで、17000円
3000万円まで、23000円
5000万円まで、29000円
   1億円まで、43000円
以下、
5000万円ごとに13000円

遺言書の場合は、遺言手数料11000円加算

この他、謄本1通250円、
送達証明交付申請、1650円プラス郵便実費
合計約3000円

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