小規模個人再生手続、給与所得者再生手続について(法人等の手続きはこちら)

 民事再生法が改正され、平成13年4月から、(住宅ローンを除いて)3000万円までの負債を抱える個人債務者も民事再生手続を利用できるようになりました。制度趣旨は、破産予備軍の個人債務者を法的手続きにより救済し、居住用資産等を保持したまま、経済的更生を図るというものです。手続きのポイントを整理すると以下のようになります。

 1、小規模個人再生手続では、書面決議で債権者の過半数の反対がなければ再生計画が認可される。
 2、給与所得者再生手続では、適法な再生計画であれば裁判所の権限で認可できることになった。
 3、住宅ローンは滞納分も含めて全額支払わなければなりませんが、滞納による競売申立が制限され、弁済方法の変更を住宅資金特別条項として定めることができます。弁済期間を最長10年間延長することができます。但し、居住用建物に住宅ローン以外の抵当権がついていないことが必要です。
 4、手続きのスケジュールはこのようになります。通常約6ヶ月間かかります。不認可となった場合は、自己破産の申立を検討することになります。浪費やギャンブルがなければ、免責されます。

     再生手続きの申立(カッコ内は東京地裁の標準日数です)
           ↓
     個人再生委員の選任(当日)手続開始に関する再生委員の意見書提出(3週間)
           ↓
     開始決定(4週間=1ヶ月)
           ↓
     債権届出期限(8週間=2ヶ月)
     再生債務者の債権認否一覧表・報告書提出期限(10週間)
     一般異議申述期限(13週間)、評価申立期限(16週間=4ヶ月)
     再生計画案提出期限(18週間)
           ↓
     書面決議に付する旨又は、再生委員の意見書を聞く旨の決定(20週間=5ヶ月)
     認可の可否に関する再生委員の意見書提出(24週間)
           ↓ 
     再生計画の認可決定(又は不認可決定、25週間=6ヶ月)

 5、再生計画は、@債務額の2割(但し100〜300万円)、A可処分所得の2年分、B保有資産、のうち、最も金額の大きいものが最低弁済額とされ、これを3年で支払っていくのが基本となります。可処分所得は、民事再生法第241条第3項の額を定める政令によって細かく規定されており、居住地域や年令によって異なりますが、概算は次の通りとなります。

  以下のフォームで、再生計画案の概算を計算できます(東京・横浜・川崎の場合、概算です。実際の金額と異なる場合がありますので、申立を検討される場合は必ず正確な計算を弁護士に依頼して下さい。)

  年収      万円(総収入から所得税・住民税を引いた額)

  負債総額    万円(住宅ローンを除いた金額、3000万円まで) 

  保有資産    万円(預貯金、不動産、自動車、株式、保険解約返戻金などの保有資産合計) 

  家族の人数  (夫婦は20〜39才、子供は9〜10才で計算)

           (Powered by JavaScript)

  計算結果      ↓

  最低弁済基準    万円(100万円以上300万円以下、債務額の20%)

  可処分所得基準   万円(可処分所得=年収−最低生活費、2年分が計算されます)

  再生計画案弁済額  万円(最低弁済基準と可処分所得基準と清算価値=保有資産の最も金額の大きいもの) 

  毎月の弁済額    万円(弁済期間は3年間=36回払い、住宅ローンは除きます)

   

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