年金分割の方法について(最終改訂平成19年1月12日)
1、 平成19年4月1日以降に離婚又は内縁解消した場合に、婚姻期間中のサラリーマンの報酬比例部分の年金(厚生年金、共済年金)の保険料納付記録を分割することができるようになりました。従来、婚姻期間中の年金の積立を考慮して財産分与が協議された場合は、分割された金額について相手方からその都度支払いをしてもらう必要がありましたが、この制度により、社会保険庁から分割後の金額の年金を受給することができるようになりました。
2、 厚生年金や共済年金も、婚姻期間中に形成された財産ですから、年金分割は、財産分与手続きの一部分となります。
3、 離婚してから2年以内に、年金分割の割合について協議を行い、公正証書等の合意を証する書面を作成して、請求する側の住所地の社会保険事務所に、必要書類を添付して、年金分割請求の手続きを行います。協議がまとまらないときは、家庭裁判所の調停や審判により、割合を決定することができます。分割の上限は、財産分与の制度趣旨に照らして、50パーセントと定められています。
4、 主な必要書類は、年金分割請求書(社会保険事務所所定の書式)、請求者の年金手帳・国民年金手帳又は基礎年金番号通知書、戸籍謄本又は住民票、公正証書等の分割割合を定めた書面(家庭裁判所の調停調書、審判書を含む)、となります。
5、 平成20年4月1日以降に離婚が成立した場合、3号被保険者(主に専業主婦)について、一方当事者からの請求により、婚姻期間中の相手方(主にサラリーマンの夫)の年金記録をの50パーセントを自動的に分割する手続きが開始されます。
6、 年金分割は、当事者間で合意したり、裁判所からの決定が出ただけでは、行われません。必ず、離婚から2年以内に、社会保険事務所に対して、所定の書類を用意して、請求続きを行わなければなりません。
7、 上記の通り、年金分割は、財産分与の一部分の手続きです。他の財産についても検討しなければなりませんし、慰謝料や養育費の問題がある場合は、総合的に考慮して、相手方との交渉や裁判手続きを行わなければなりません。離婚を検討する場合は、事前に、弁護士等専門家の相談を受けると良いでしょう。