不動産任意売却(最終改訂平成30年12月18日)

 不動産を購入したが、その後、収入が少なくなったりして住宅ローンの返済が困難になり、約束通りのローン返済ができなくなった場合には、債権者から競売申立をされてしまいます。強制競売の場合は、売却価格が市場価格よりも低い金額になることも多く、売却代金で抵当権者への支払が完済にならない場合は多額の借金(残債務)が残ってしまいます。

 そこで、競売不動産を一般不動産市場に売り出して、市場価格での売却を試みるのが、任意売却手続です。高い価格での売却に成功すれば、抵当権者への支払を完済できるかもしれませんし、場合によっては返済後余った売却代金の一部を売り主として受け取ることができるかもしれません。任意売却を行うには、①買い手を探し売買契約交渉する、②抵当権者・差押債権者との担保権抹消交渉、③裁判所への競売申立取り下げ、の三つの手続が必要となります。

 タイムリミットは、不動産競売の開札期日の前日です。この日までに執行裁判所に対し取下書を提出する必要があります(民事執行法76条)。不動産の任意売却を成功させる為には、なるべく早く、信頼できる不動産業者、弁護士(司法書士)を見つけることです。不動産業者は、契約成立による報酬を得る為に買い手が付くことを重視し低価格を提示したりします。不動産業者は、あなたに残債務が幾ら残るかは考慮してくれません。

1、住宅ローン以外にも多額の債務があり破産を検討する場合でも、不動産(財産)を処分、精算してから申立すると同時廃止の申立になり手続が簡易になります。

2、任意売却によって残った残債務については、債権者と交渉し分割での支払交渉及び残債務等の交渉することになります。

3、売却価格が確定したら、その中から仲介手数料、管理費の滞納、抵当権抹消の登記費用、固定資産税等の滞納税の支払を確保しなければなりません。

4、どうしても抵当権者が任意売却に応じてくれない場合は、強制的に抵当権を抹消する抵当権消滅請求手続をご検討下さい。

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